謎のサスセッティング(オーリンズ編)


2006年1月、それなりに小遣いが貯まった(念のため、お年玉ではありません(笑)。正月は出るばっかりです。)ので、ついにリアサスとフロントスプリングをオーリンズに交換しました!
フロントスプリングは、品番08675-85です。見てのとおり、シングルレートのバネです。
スプリングレートがどこにも書いていなかったので、ラボカロッツェリアに問い合わせたところ、8.5N/mmだそうです。 どうやら品番の最後の数字がレートを表すようです。
純正がストローク55mmまでは8.1N/mm、55〜140mmまでは11.8N/mmなので、乗車時の1G状態では5%強まっています。
リアは、品番YA050で、タイプとしては46PRCSです。
調整できるのは、純正と同じくプリセット、リバウンド、コンプレッションですが、どれも工具無しで変えられるのが便利です。特に、プリセットは油圧式になっていて、使いやすいところにセットしたダイヤルで簡単に変えられます。
見た目で、純正よりバネは小さく、ダンパー系統は大きくなっていますね。
スプリングは品番01091-26/85で、自由長160mm、レート85N/mmのものを使っているようです。純正は73.6N/mmなので、バネとしてはそこそこ強いです。さらに、サス全長が純正305mmに対して306mmに上がっているので、やや尻上がりになる傾向です。
純正サスも良く出来ていて、それだけで乗っている限りは特に不満はないのですが、Fazer仲間のオーリンズ化したバイクとワインディングで乗り比べるとやっぱり違うんですよね〜。
さて、せっかく落ち着いたサスセッティングも振り出しに戻りました。これから泥沼突入〜!

  • タイヤ、コース、乗り方、走り方、何が違ってもベストなサスセッティングは異なるはずですので、ここに載っているセッティングはあくまで「こんなのもあり」ってことでご理解下さい。


  • 関連リンク:

    装着後の写真です。
    Fazerはモノサスのバイクの中ではショックユニットが良く見えるほうなので、オーリンズ甲斐がありますね。(^^
    嬉しがってステッカーまで貼ってしまいました。

    まずは、ノーマルとバネがどう変わったかを眺めてみます。

    ノーマル オーリンズ
    フロントスプリング
    レート(N/mm) 8.1(<55mm)
    11.8(>55mm)
    8.5
    自由長(mm) 344 343
    セット長(mm) 320
    リアスプリング
    レート(N/mm) 73.6 85.0
    自由長(mm) 182.5 160
    セット長(mm) 163(プリ標準?) 142(プリ最弱?)
    プリセット荷重(kgf) 146 153
    リアショックユニット
    全長(mm) 305 306
    トラベル(mm) 65 68

    ここから、このリプレイスサスの性格がなんとなく見えてくるような気がします。

    まず一番違うのはフロントスプリングがシングルレートになったことです。ノーマルが2段になっているのは、タンデム時にフルブレーキングしたときなどに底付きせず、通常走行時には乗り心地を良くするためでしょう。これがワインディングなどを攻めたときに具合が悪くって、フルブレーキングでストロークが55mm以上入ると急に高バネレート領域になり、そこでギャップなどを拾うとフロントがばたばたと暴れます。シングルレートのほうが、低荷重から高荷重まで素直に動くので挙動が判りやすく安心です。ワタシの場合、このバイクでタンデムしないですから、このほうがイイです。

    次に違うのは、リアのスプリングレートでしょう。対ノーマル比で約15%もアップしています。ノーマルのFazerはリアサスがオフロードバイクみたいに良く動きます。これはこれで面白いし、路面が荒れていても安心なのですが、ある程度攻め込もうと思うともう少し姿勢変化が穏やかなほうが走りやすいです。このサスはそこを狙っていると思います。スプリングセット長が違うためにサスがフリーのときの荷重は6%くらいしか上がっていないので、姿勢はやや尻上がりになるもののレートほどには変わりません。その代わり、荷重をかけたときの姿勢変化は15%分抑えられているはずです。

    全体として、フロントスプリングが5%、リアスプリングが13%強くなって姿勢変化が少なくなる。また、サス自体のフリクションが少ない(希望的予測^^)のに加えて、高レートのおかげで底付きしにくいため、代わりに速い動きに対するダンピングを弱くすることで、細かいギャップなどの追従性を上げていると予想しました。

    こう言われると、そんな気がしてくるでしょ?
    「オレは自分の感覚だけを信じるんだ!」って人はこんなへ理屈は読んじゃだめなんですよ〜。(今頃言うなって?)


    今回の交換で、フォークオイルもYAMAHAの01からショップお勧めのS1に換えてみました。元々オフロード用に開発されたオイルで、やや粘度が高いそうです。レベルは標準の140mmです。

    おなじみのセッティングチャートも新しくしました。まずこんな感じで始めてみます。


    この状態で1Gの沈み込みを計ったら、純正の最後のセッティングと比較してこんな感じです。
    F:29mm → 30mm(フルストローク140mmの21%)
    R:49mm → 40mm(フルストローク135mmの30%)
    プリロードが最弱でもやや尻上がりになってますね。でも、1Gでフルストロークの1/3を目安にすると、リアがちょうど良くってフロントはプリロードをもう少し抜いたほうがいいみたいです。

    まだワインディングは走っていないのでセッティングを詰めるのはこれからですが、街中を走った感じでは、フロントは初期のバネレートが上がったのとフォークオイルがやや硬いのに変わったのででしっかり感が出ました。
    リアは別物です!細かいギャップの吸収が良くなりつつ、荷重はしっかり受け止めてくれるので安心感が出ました。
    またしばらくセッティングの泥沼に突入?


    せっかくの黄色いやつが泥まみれになるのが忍びないので、マッドガード(?)を自作しました。

    ホームセンターで薄めのゴム板を買ってきて、耐水強力両面テープで標準フェンダーのベロとスイングアームを橋渡しするように貼り付けました。果たしていつまでもつか...
    インナーフェンダーを入れると効果的なのでしょうけど、なんか好きじゃないんですよね〜。


    現在、サスペンションについてお勉強中です。たいていの雑誌の説明では感覚的すぎてよく解らないし、専門的な説明ではライディングでの直感と離れすぎて困っていました。(^^;
    そこに登場したのが、ROAD RIDERの別冊で「バイクカスタムパーフェクトガイド」。最近出たみたいですが、本当にパーフェクトです。(^^
    特にサス関連は、今まで見たなかで一番詳しいし、いろんな立場から書いてあるので、良く解ります。今まで思い違いをしていた点がいくつもすっきりしました。いや〜、やっぱりバイクは奥が深い!
    そのうち自分の覚え書きをかねてまとめをアップする...かもしれません。

    参考までに、現時点でのセッティング。

    何度かちょこちょこ弄りました。今のところ街乗りとワインディングのバランスでこのあたりに落ち着いています。
    弄くっていて感じましたが、リアのプリセットが簡単に変えられるってのは便利ですね〜。
    最弱だと、姿勢的には標準に近く、リアのギャップ吸収性も良いので、ツーリング向きです。これを5回転くらい締め込んでいくと、SS的な姿勢に近づいて前輪荷重がかけやすくなるのと、アンチスクワットが強くなって加速時にリアが沈みにくくなります。そのかわり、特に加速時にサスが動きにくいので、荒れた路面で後ろから跳ね上げられます。
    路面が良いワインディングやサーキットなどでは4〜5回転締め込んだあたりが、ツーリングでは最弱がちょうどよさそうです。信号待ちの間に変えられますからどちらかでガマンせずに、状況によってすぐ変えられますね。

    暖かくなってきたので、フロントのダンピングセッティングをテーマに、ワインディングで遊んできました。

    まず、気になっていたフロントの突き上げ感を減らしたかったので、コンプレッションを一気に4段抜き。意外にもふわふわ感は出ず、突き上げがマイルドになりました。やっぱり、フォークオイルに粘度が高いS1を入れたので、これまでより弱い側でちょうど良いですね。
    これは、とりあえずこのまま使ってみます。

    次に、リバウンドを4段抜いてみたところ、さすがにフロントがふにゃふにゃします。
    ストレートの乗り心地は良いのだけど、コーナーリングで車体が揺れて収まりが悪いですね。
    傾向を確認するため、そこから一気に6段増しにしてみました。路面がフラットならこれでも良さそうですが、やっぱり荒れたところでサスの動きが追従しません。ベストを探って、スタート時より1段弱めのところで落ち着きました。

    現状、こんな状態です。(フォークオイルが純正指定より硬いので参考にならないかも)

    この状態でしばらくワインディングで遊んでみましたが.....(・∀・)イイ!
    コーナーリング中にギャップで揺さぶられてもマイルドに吸収してくれて、車体がオンザレールで進んでいきます。ハードに攻めるにはブレーキングや加速時の車体の動きがやや大きめかもしれませんが、私好みのグランドツーリング系セッティングです。ちょっとアリスト化してます。(笑)
    GT系と言っても、ワインディングでリアタイヤの端まで使う程度の走りでは全然不満はありません。
    次はリアをもう少し煮詰めるか!?


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