謎のサスセッティング(ノーマル編)


某誌のサスセッティング特集にあった、スクーデリアオクムラの世古さんの言:「サスアジャスターは『さらなる遊び道具』、せっかくついているんだから触ってみない手はない」、「自分の単車でしょ。自分が楽しきゃいいんです。」......はい、そうさせてもらいます。(^^
というわけで、我がFZS1000にも結構調整範囲の広いサスが付いています。もともとがヤマハのキャラでもある「サスが良くお仕事をする」バイクなので、セッティングを変えると乗り味がかなり変わるはずですが、オーナーズマニュアルやサービスマニュアルと雑誌などに書いてある情報、それから実車で確かめた結果が少しちがうので混乱してます。
とりあえず、実車('01 5LV1-050モデル)で確認したものをまとめて見ました。

  • タイヤ、コース、乗り方、走り方、何が違ってもベストなサスセッティングは異なるはずですので、ここに載っているセッティングはあくまで「こんなのもあり」ってことでご理解下さい。
  • セッティングチャート、ニューバージョンになりました。(^^)


  • 関連リンク:

    これがマニュアルをもとに自分のバイクで調べたアジャスターの状態です。

    '01FZS1000 5LV1 サスペンションセッティング
     最強-(標準)-最弱某誌推奨
    Fスプリングプリロード注1
    フォーク上。17mmスパナで回す。円筒と六角の境目のラインが1。
    無段階なので数字はけがき線。2回転でけがき線1本。
    1-(2)-53
    F伸側ダンピング注2
    フォーク上。時計回りに止まるまで締めてから戻した最初のクリックが1。
    8クリックで1回転。
    1-(7)-179
    F圧側ダンピング注3
    フォーク下。時計回りに止まるまで締めてから戻した最初のクリックが1。
    8クリックで1回転。
    1-(6)-215
    Rスプリングプリロード
    車載工具で回す。どちらが強いかは見ての通り。
    11-(6)-15
    R伸側ダンピング注4
    ショック下。下から覗いたときの時計回り(車体左側から普通に見て、ダイヤルが右に回る方向)に止まるまで締めてから戻した最初のクリックが1。
    3-(10)-2013
    R圧側ダンピング注5
    リザーバー上。全2回転でクリックなし...かとおもいきや、かすかにありました。
    6クリックで1回転。反時計回りに止まるまで緩めてから締めた最初のクリックが1。
    他のダンパーと逆で1が最弱!
    12-(7)-18
    ダンパーはすべて(リア伸びダンパーは下から見て)右ネジを締め込む方向で強くなるようです。
    注1 EUモデルのサービスマニュアルでは、「一番上のケガキ線」が1で、最大1、最弱8、標準4(ケガキ線が半分のピッチで引かれている?)になっています。USモデルのサービスマニュアルでは、上のとおり。ワタシのFazerはEUモデルなんですが、USのマニュアルと同じです。8まであるのは極初期のバージョン??
    注2 実車で確認したところ、めいっぱい緩めると止まるまでに37クリック!もありました。類似モデルのフォークが付いているZX-9Rでは3回転戻しくらいが実用範囲らしいので、ここまで回るのはいいとして、このうち17クリック目までを使えということなのか??
    注3 左は21クリックまでしかなかったのですが、右は23クリックまでありました。ま、これは個体差か。
    注4 これまた、実車確認で46クリックまでありました。どこまで使えるの?
    注5 クリックがめっちゃ弱い!まわりの6角形を目安に、「1回転で6回あるはず」と思って慎重に回すとなんとか分かります。さらに、オーナーズマニュアルに矛盾があり、サービスマニュアルとも表現が違ったりして、混乱しています。
    これはサービスマニュアルに従った表記&実車で確かめた強弱の変化です。これまでリアの圧側が反対のように書いてありました。お詫びして訂正致します。m(_ _)m

  • こんな文字だけで書かれたんじゃ、どこをどう回せばいいのかわからん!って方。Patさんのページに写真付きで解説があります。


  • で、これが慣らしのときにもっぱら街乗り+ツーリング乗りで決めてみたセッティングです。
    F PRE4.1-TEN18-COM7 / R PRE4-TEN15-COM8
    数字ではよくわからんので、チャートを作ってみました。ちょっと、大変でしたが...(^^;
    ちなみに、サスは良く動くほうが好みなので、慣らし中ということもあって全体的に柔らかめになっていると思います。


    さらに、これが2003年6月にKさん&Tさんのバイクを伊豆スカで乗り比べた後にセットしてみたものです。
    F PRE3.3-TEN7-COM5 / R PRE5-TEN7-COM8
    KさんのFAZERがかなりいい感じだったので、そのセッティングを聞いて、プリロードのみ体重差を考慮して落としてみました(笑)。以前よりすべて強めですが、特に伸び側ダンピングが大きな違いです。
    それなりにペースを上げてワインディングを走ると元のセッティングより良いです。ただ、乗り味の違いは残っていて、これはやっぱりタイヤの違い(この時点ではまだME-Z4でした)もあるのかなっと思います。
    ちなみに、街乗りでは結構硬いです。


    2003年11月時点でのセッティングです。
    F PRE3.5-TEN6-COM7 / R PRE7-TEN7-COM6
    前後とも圧側がやや柔らかくなっているのと、リアのプリロードを強めています。タイヤをパイロットスポーツに変えてから、とにかく倒し込みが軽くなっていますので、また近いうちに倒し込みがしっとりめになるようにセッティングを変えるかもしれません。


    2004年12月時点でのセッティングです。
    F PRE3.5-TEN7-COM5 / R PRE6-TEN6-COM7
    実は時折ちょこまかと動かしていて、フロントの圧側とリアの伸側が気が付いたら強まっています。(後から思えば)ブレーキホースとパットを換えて初期制動が強くなったので、ノーズダイブを押さえるためだと思います。リアのプリロードは強めると倒し込みが軽く、弱めると重くなる傾向だと思います。(センスタをかけるときの重さもネ)
    よく見ると、2003年6月セッティングに戻っているだけですが。
    それにしても、リアの圧側を変えても乗り味の変化がほとんどわかりません。ギャップを乗り越えたときのショックがやや変わるくらいです。修行不足か...


    2004年12月号のBIG MACHINEに、サスセッティング実践講座としてFazerが特集されていました。
    新垣師匠の出したセッティングはこんな感じです。(勝手に紹介して、申し訳ありません。m(_ _)m)
    F PRE4-TEN3-COM3 / R PRE4-TEN2-COM11
    かな〜り、ダンパー指向です。もしかして、最近のモデルではサスペンションがマイナーチェンジしているのかとも思えますが、未確認です。標準のME-Z4が立ち傾向が強く結構クセがあるので、スポーツライディング向けに味付けしようと苦労されたのかもしれません。
    実際にこのセッティングで走ってみたところ、確かに安心感があります。ブレーキングの姿勢をそのまま保って、倒し込んでいくのが快感です。一度試してみる価値ありかも。「タイヤの位置がよくわかる」というのはこういうことか、と納得しました。
    Fazerらしい、荒れた路面でも平然と走っていくキャラは薄くなってしまうようなので、日頃どんな道をどんなペースで走るかによっては、好みに合わないかもしれません。
    記事の中で出てくる師匠の考えや、ハンドルと空気圧の調整など、他にもいろいろ参考になりました。感謝。


    2004年12月末時点でのセッティングです。
    F PRE3.5-TEN5-COM5 / R PRE6-TEN5-COM7
    TさんがあちこちカスタマイズしたFazerを売りに出すというので、BM誌にも登場する坂井メカのお店WideOpenで調整したインナーTiNコートのフロントフォークを譲ってもらいました。
    TiNコート以外に、油面を4mm下げているそうです。
    さすがはTiNコート。ノーマルのストローク時にわずかに引っかかる感じがほとんどなく、ダンパーを抜いたらすこすことストロークします。このサスに合わせて、特に前のダンパーを強めました。細かいギャップはなめらかに吸収して、ブレーキングではググっと踏ん張りじわ〜と戻るという感じです。(^^
    こうなると、リアサスをどうするかが悩みどころです...



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