
最初の故障はフラメンコを習い始めて1年目に訪れ
た。その日のことを今でもよく覚えている。それは
とても寒い日で、十分なウォーミングアップをせず
パソの練習をしてしまった。しかもその日はたまた
ま生徒が私を含め3人しかおらず、音をちゃんと出
したいばかりに、必死になって力いっぱいバンバン
と足を踏んでしまった。レッスンが終る頃には膝が
痛くなって、それから1ヶ月くらいはレッスンがで
きなかったし、完治するまでさらに2ヶ月くらいか
かってしまった。
2度目の故障は、フラメンコを習い始めて6年目だ。
東京の発表会の2週間前に右足袋はぎが肉離れを起
してしまった。ソロを踊ることが決まってから約
3ヶ月、ほとんど休むことなく毎日レッスンに励み、
疲れがたまったある日、レッスン中にピキっと切れ
たような音がして、あとは痛みが襲ってきたのであ
る。幸いそれほどひどい肉離れではなかったので、
3日休養した後、なんとかレッスンを再開し、無事
発表会をのりきった。ただ、それから完治するのに
1ヶ月以上かかったし、後遺症も残って時々つらい。
肉離れを起こした後、氷で冷やさないといけなかっ
たらしいんだけど、それをしなかったので今も筋肉
が痛んだままらしい。
3度目の故障は、7年目、つまり今年の7月に起きた。
東京にレッスンに行く前にがむしゃらに練習してい
たら、確か休憩なしで3時間くらい経った時、右の
胸(鎖骨の下)の筋肉がなんと肉離れを起してし
まったのだ。最初、こんなところが肉離れを起すな
んて知らなかったので、心筋梗塞か何かの重病に
なったのかと恐くなった。病院で検査してもらった
ら、背骨が少しS字に歪んでいて、その為筋肉にか
かる負担が多く筋肉を痛めてしまったと診断された。
この程度の歪みはよくあることで、普通に生活する
分には何も支障ない、と言われた。ドクターは
「フラメンコって、そんなに激しい動きをするん
ですか?」と笑っていたけど、こっちは笑いごと
じゃない。これからそんなにしょっちゅう肉離れを
起しては、身体がもたないよ。 それから背骨の歪み
を直すため整骨院通いが始まった。そこは、スポーツ
も専門に扱っているらしく、私の身体中の骨や筋肉
の状態を診てくれた。その結果分かったことは、私
の腰の骨盤が少し歪んでいて、それが原因で身体の
バランスを保つ為背骨が歪んできたらしい。長時間
座る職業の、足をよく組む人にみられる症状と聞く。
ここの整骨院の先生から、身体の故障を防ぐ為のア
ドバイスをいくつか戴いたのでここで紹介します。
1. 筋肉は絶対に冷やさないこと。
2. 踊る前と後に必ずストレッチをすること。
3. 週に1回は休養すること。
4. 筋肉痛のところは絶対もまないこと。さするのはOK。
5. 栄養を十分に取り、睡眠も十分とること。
このアドバイスを戴いて、反省した。思えば、夏は
冷房がんがんの中で、時々冷房で汗を冷やしながら
踊っていたなぁ。しかも、暑いからとストレッチを
十分にしないで踊っていた自分を思い出し、これま
た反省。 私の経験から皆さんにアドバイスがあります。
1. 足の練習をするとき、力任せにばんばん踏まないこと。力を抜いてもいい音はだせます。
2. 自習レッスンをパソ(つまり足の)練習中心にしないこと。
身体の故障は無い方がいいに決っている。無理をせ
ず、正しい練習方法でフラメンコを楽しんでください。
2000.11.17.
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