アラモ(THE ALAMO
) ジャンル:歴史 |
2004/10/02
09:25 編集 | |||
ストーリー | 鑑賞月日 平成16年9月27日 映画館 SY角座(大阪難波) 監督 ジョン・リー・ハンコック 撮影 ディーン・セムラー 音楽 カーター・バーウエル 19世紀初め、スペインから独立したばかりのメキシコのサンタアナ大統領「エミリオ・エチュバリア」は当時支配下であったテキサスのサン・アントニオにも圧制を強いていた。民衆は軍を組織しメキシコからの独立を目指し立ち上がる。その軍は名ばかりで貧しい民兵にすぎなかったが、多くのメキシコ人達も含まれていた。彼等は駐留していたメキシコ軍を追い出しアラモの砦を占領した。やがて若き正規軍の指揮官トラヴィス中佐「パトリック・ウイルソン」がこの砦を僅か30名の兵と共に駐留することになる。その頃、時の議会ではヒューストン将軍「デニス・クエイド」が軍司令官の任を解かれていた。動かない議会に業を煮やしたヒューストンはジム・ボウイ「ジェイソン・パトリック」達をアラモに先に向わせ、サンタアナの反撃の時にアラモに立てこもらないよう忠告を託す一方、援軍の兵を集めるのであったが遅々としてその数は増えなかった。 一方伝説の英雄デビー・クロケット「ビリー・ボブ・ソーントン」達もまたこの話を聞きアラモに向かう。アラモでは彼等伝説の英雄らの援軍の到着を歓迎し士気は高まる。しかしそんな中でもトラヴィス中佐は大部分の民兵達の信頼を得られず苦悩する。 やがてサンタアナ率いる約5000人のメキシコ軍を迎えた時、彼等は総勢わずか200名足らず、しかも砦と呼ぶには如何にも無防備な教会の跡地であった。そして彼等の選んだ道とは・・・。 | |||
出演 | デニス・クエイド | ビリー・ボブ・ソーントン | ジェイソン・パトリック | |
この映画にいくら出せますか? | 2000円〜〜2000円 | |||
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
☆☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ |
コメント | この映画のキャッチコピーに「戦う理由など他にはなかった・・・」とある。何故彼等は戦いを選んだのか。まさしくそれがこの映画の命題である。 この物語は史実であり有名な『 Remember The ALAMO 』のフレーズの原点であり、やがてこれが「真珠湾」になり「9.11」になる。生まれたばかりの当時のアメリカにとって忘れる事の出来ない惨劇となってしまった。 大昔私はジョン・ウェンの「アラモ」を見た事がある。今回はそのリメイク版である。この映画を観た後そのビデオをレンタルして再び見た。作品の出来は私としては前作に軍配を挙げる。それはこの映画の命題を解決する為の糸口が前作の方がより色濃く見て取れたからだ。ジム・ボウイやデビー・クロケットは彼等だけでひとつの映画を創れるヒーロー達である。その重みやエピソードに欠け伝わって来るものが少なく残念であった。 ひとつの例を挙げれば前作のサンタアナはフェアであったのに今回は如何にも悪漢に過ぎたように受け取れる。 ただこの種のリメイクは歓迎したい。新しい解釈による新しい映画は批判にさらされながらも必要だし、興味深く観たいものだからだ。このような作品が世に出なければアラモの事を知る者も少なくなって行く。そういう意味を込めて今この時期にこの映画を創ったことは意義深いものを感じる。 |
ヴァン・ヘルシング(VAN
HELSING ) ジャンル:ホラー |
2004/09/18
08:54 編集 | |||
ストーリー | 鑑賞月日 平成16年9月13日 映画館 敷島シネマ(大阪難波) 監督 スティーブン・ソマーズ 撮影 アレン・ダヴィオー 音楽 アラン・シルヴェストリ 19世紀のヨーロッパ、ヴァン・ヘルシング「ヒュー・ジャックマン」はバチカンからトランシルバニアに行く事を命ぜられる。目的は代々ドラキュラと闘い続けてきた地元の王族であるヴァレリアス一族の生き残っている最後の末裔であるヴァルカン王子「ウイル・ケンプ」とアナ王女「ケイト・ベッキンセイル」の二人が死に絶える前にドラキュラ伯爵「リチャード・ロクスバーグ」を抹殺することであった。若しこの使命が果たせない時、ヴァレリアス一族は永遠に暗黒をさまよう事になり、バチカンはこれを容認出来ないと言うのであった。 この命を受けヴァンは武器発明の天才である修道僧カール「デビット・ウエンハム」と二人で彼の地に向かうのであった。雪のアパラチア山脈を越えてトランシルバニアに着いた彼等は到着早々土地の者達に詰問される、その時空飛ぶバンパイア女達に土地の者達と同様、襲われるのであったが・・・。 | |||
出演 | ヒュー・ジャックマン | ケイト・ベッキンセイル | リチャード・ロクスバーグ | |
この映画にいくら出せますか? | 2000円〜〜2000円 | |||
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ |
コメント | 予告編を観て気になっていた映画だったので観る事にした。時代や衣装が気になり、バンパイア物が嫌いで無い私としては映画鑑賞の選択の条件にあてはまるものだ。時代と言えば「ジェヴォーダンの獣」の頃のヨーロッパに衣装が類似している。外国ではあるが好きな時代である。バンパイア物の中でトランシルバニアはその存在を確かなものにしている。今のルーマニアの北部地区と聞く。フィクションにも故郷はあっても良い。その土地の光や風や温度を温床にして育つものだからだ。 総じて面白かった。大分サービス過剰で何でもあり有りの感もあるが娯楽作品としてはそこそこ完成していたのではと思う。気になったのは卵達である。エイリアンを思わせる設定は頂け無い。それと天使を思わせる羽も混乱を招く。バンパイアは飛べないので飛べるように設定したのは面白かったがその姿はもっと独創的なものを考えて欲しかった。あれではまるで悪魔のようだ。まあ苦言はこの程度にしておこう。 トランシルバニアのセットは良い。バチカンから至る道のりの描き方はわくわくする。またブタペストでのシーンは実在の都市を撮影したものだ。200年前と何ら変わらない古都はあの雰囲気のまま今に息ずいている。二年程前、同じ景色をじかに見た私には容易に映画に没頭出来た。 主役のヒュー・ジャックマンを見たのは「ソードフィッシュ」以来か。そういえばその映画で大天使ガブリエル役のトラボルタと競演したのだったが、今度はこの作品で「悪の天使?達=バンパイア」と競演したのが可笑しかった。(ご興味のある方は『私の映画感』の中で取上げています) デビット・ウエンハムはロード・オブ・ザ・リングのファラミア役のイメージとは全く変わった面白い役で秀逸であったと言えよう。兄妹役のウイル・ケンプとケイト・ベッキンセイルの二人は、ともに若く美しくて素晴らしい。今後が楽しみである。 |
LOVERS(十面埋伏) ジャンル:時代劇 |
2004/09/05
08:30 編集 | |||
ストーリー | 鑑賞月日 平成16年9月3日 映画館 SY角座(大阪難波) 監督 チャン・イーモウ 撮影 チャン・シャオティン 音楽 梅林茂 唐が衰退を始める9世紀半ばの中国が舞台である。飛刀門と呼ばれる反乱軍が勢力を拡大するのを恐れた王朝は捕吏のリウ「アンディ・ラウ」とジン「金城武」に彼等の拘束を命じていた。そんなある日リウは遊郭で売れっ子になっている盲目の踊り子シャオ・メイ「チャン・ツィイー」が怪しいとにらみ、ジンと謀りシャオ・メイを捕らえた後ジンが彼女を脱獄させ、飛刀門のアジトへと案内させるように仕向けるのだった。 やがて脱獄させたジンは追っ手とも謀り、シャオ・メイの信頼を勝ち取ったのだが、事態は思わぬ方向へと展開してしまう・・・。 | |||
出演 | 金城 武 | チャン・ツィイー | アンディ・ラウ | |
この映画にいくら出せますか? | 2000円〜〜2000円 | |||
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ |
コメント | チャン・イーモー監督とこの顔ぶれで見逃す手は無いという思いでこの映画を観た。チャン・ツイィーのファンとしては毎回変わって行く彼女の魅力を観ることが出来る喜びも殊更だが、今回は少し妖艶な大人の女に成長した姿を見れて妙に嬉しかったものだ。 全般に彼等の演技の素晴らしさは当たり前だが、この条件の上で成り立つストーリーといい、映像の美しさといい、アクションの華麗さといい、すべてが文句のつけようは無く私ごのみである。前作の「HERO」も衣装は「ワダエミ」さんだった。色といい形といい「美しい」の一語に尽きる。竹や木の棒を武器に多様したアクションも斬新であり面白かった。今回の飛刀門という反乱軍だが短い特殊な刀を自在に投げる技術を取得しているのだが、これがまたこの映画の隠された重要な鍵となっている事を観客は知る事になる。エンデイングのなんと素晴らしい帰結であることか。 「HERO」での映像美はこの映画でも秋の紅葉とススキの白い原野とが重なったシーンに受け継がれている。驚かされた時間の流れがこの映像と重なり、その変化は何の違和感も感じ無く、可笑しいと思わずに普通のことだと納得してしまう恐ろしい美しさが、この映画にはある。 毎回、毎回言っていることだがやはりチャン・イーモー監督には脱帽だと言わざるを得ない。 |
キング・アーサー(KING
ARTHUR ) ジャンル:歴史 |
2004/07/31
17:41 編集 | |||
ストーリー | 鑑賞月日 平成16年7月28日 映画館 SY角座(大阪難波) 監督 アントワン・フークア 撮影 スラヴォミール・イジャック 音楽 ハンス・ジマー 時は西暦400年頃のローマ帝国支配のブリテン(現在のイギリス)、ある小さく貧しい村にローマの兵隊がやってきた。15歳位になった少年を兵役に徴用する為であった。彼らは今後15年間兵役を拒否することは出来ない。やがて時が過ぎ、その少年達が30歳になった。 逞しく成長した彼らを人々は『アーサーと彼の騎士達』と呼び、尊敬と畏れを持って讃えていた。長く苦しかったその兵役を解除する許可状を持ってローマから司祭が彼らのもとにやってきた。砦の外を出て出迎えに向かった彼らの目の前で司祭はウォード(ローマからの独立を目指すゲリラ軍)に襲われるが彼らに助けられる。 砦に落ち着いた彼らに使わされた命令は兵役を解除するまえに孤立したローマ人家族を救出に出ることだった。それはローマ軍が一方的に約束を反故にするものであり、騎士達は憤慨する。だがアーサー「クライヴ・オーウェン」はランスロット「ヨアン・グリフィズ」ら他の騎士達に自分一人でもその任務に付く事告げるのだった。出発の朝、騎士達の結束は固く、結果全員でその使命の旅に出るのであった。そしてその旅で目にしたものとは・・・。 | |||
出演 | クライヴ・オーウェン | キーラ・ナイトレイ | ヨアン・グリフィズ | |
この映画にいくら出せますか? | 2000円〜〜2000円 | |||
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ |
コメント | 小説でアーサー王の物語は何度か読んだことはある。石に突き刺さった剣「エクスカリバー」のエピソードはあまりにも有名である。その後、王妃グウイネヴィア「キーラ・ナイトレイ」とランスロットとの不倫や息子モルドレッドとの骨肉の戦いなど決して幸せなものでは無かった。 然し、この映画はグウイネヴィアとの結婚で幕となる。その後は想像するしかないであろうが、伝説のとおりに進む事は無いと確信できる美しさと崇高さがこの映画にはあった。 新しい解釈でものごとを見ていくとまた違った道が見えてくるものだ。あの騎士達の魂は洋の東西を越えて共通のものだし、あの気高い騎士道は賛美してもなお足らないものだ。 騎士達のまだ若い情熱を見事に引き出したフークア監督に最大級の賛辞を贈りたい。歳を経て人間は悪く、利己的になるものだが、若い時くらいは純粋で献身的であって欲しいものだ。この映画の持つメッセージをそう捉えた私も歳をとったという事でしょうか。 また11世紀にイギリスを統治したノルマン王朝(ノルウエイ)の先祖バイキングがすでにこの映画の時代にイギリスを支配しようとしていたんですね。サクソンとしてこの映画でも重要な役割を持っています。サクソンの冷徹な指揮官セルディック「ステラン・スカルスゲ−ルド」その息子シンリック「ティル・シュヴァイガー」やウオードの予言者マーリン「スティーブン・ディレイン」など重厚な脇役陣によって深みも面白さも増した映画でもあった。 ところであの七人の騎士達のなかで貴方は誰をお好きになったでしょうか。私はダゴネット「レイ・スティーヴンソン」です。あの無骨さと氷上での凄絶な戦いでの献身さをいつまでも愛したいですね。 それと特筆すべきはキーラ・ナイトレイの好演です。あのアーサーをして後に祖国統一へと導くであろう情熱をウオードの女戦士の姿で見事に表現したこの演技は素晴らしいものがあります。最大の盛り上がりとなった、あの戦闘シーンの数々が今でもまぶたにはっきりと焼きついているほどの衝撃を受けました。 いやはや彼女はまだ18歳とか。羨望と嫉妬を感じるばかりの若さです。 |
ブラザーフッド(TAEGUKGI
) ジャンル:戦争 |
2004/07/31
09:00 編集 | |||
ストーリー | 鑑賞月日 平成16年7月15日 映画館 敷島シネポップ(大阪難波) 監督 カン・ジェギュ 撮影 ホン・ギョンビョ 音楽 イ・ドンジュン 映画の導入部は現代のソウル。自分自身の遺骨の発見を戦没者遺骨調査団によって知らされた年老いたジンソクは、それが兄ジンテのものだと気づき現地に向かう。そして舞台は朝鮮戦争が勃発した1950年の韓国ソウルへと暗転する。 貧しいながらも兄ジンテ「チャン・ドンゴン」は口の不自由な母と大学入学を控えた弟ジンソク「ウオンビン」、それにまだ幼い弟や妹達と暮らしていた。将来恋人ヨンシン「イ・ウンジュ」と結婚し靴屋を開くのを夢み貧しいながらも楽しい日々を送っていたのだった。 然し歴史は非情にも戦争という名でこの家族を引き裂いてゆく。突然訳もわからず徴兵された弟ジンソクの後を追い兄ジンテも弟と同行してしまう。一家で一人の徴兵で良いので兄は弟と替わりたいと上官に申請するが拒否される。然し執拗にせまる彼に上官は昔のある出来事を話す。それは今回と同様弟の替わりを兄が出来た実例であった。しかしその実例とは・・・・。 | |||
出演 | チャン・ドンゴン | ウオンビョン | イ・ウンジュ | |
この映画にいくら出せますか? | 2000円〜〜2000円 | |||
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ |
コメント | 朝鮮戦争の頃私はまだ幼く、家の近所に米軍の基地があったので軍隊の慌しい出入りや訓練の激しさを稀に見る程度でした。まして現地の状況や戦争特需で沸く日本の社会や経済の事など判らない子供でした。 学校へ行くようになってからはその歴史も学び38度線の南北分断の事実もその時以降に知ったのだった。 この映画の凄さは本当に『熱い』ことだ。原題のように兄弟愛を前面に押し出しているのにも関わらず戦争の凄惨さがこの甘さを打ちのめしてしまう。然しながら人間の本質をきちんと伝える事によってお芝居でない真実が熱く熱く観る者の心に焼き付いて離れない。泣くことが感動のバロメーターとは思って無いが、それでも泣くことを私は止める事は出来なかった。 国を超え人種を超えて伝わってくるものは変わらない。この熱い思いに打ちのめされた私であった。 韓国映画の台頭著しい昨今、ミーハーと言われてもと思いこの映画を観た私でしたが感動しました。 「チャン・ドンゴン」は『狼達の挽歌』の香港スター「チョウ・ユンファ」に良く似ていると思いました。イメージも近いものでしたから余計そう感じたのかもしれません。然し素晴らしい演技でした。 弟役の「ウオンビン」は兄を拒絶していく心の過程があまり良く伝わってはこず、何故拒絶するのか理解が出来なかった。 然し全般的に見て脇役の固め方も良かったし、優れた作品に仕上がったのではと、この映画を観て満足致しました。 |
ハリー・ポッター アズカバンの囚人(The Prisoner Of AZKABAN) ジャンル:ドラマ |
2004/07/03
08:25 編集 | |||
ストーリー | 鑑賞月日 平成16年6月14日 映画館 SY角座(大阪難波) 監督 アルフォンソ・キュアロン 撮影 マイケル・セレシン 音楽 ジョン・ウイリアムズ J・K・ローリング原作のシリーズ物の3作目である。新刊が出るたびに孫にせがまれ買ってやる爺々としては、孫にせがまれて観に行く予定だったのが、今年はもう孫達は観たとの情報を得た我が家内からせがまれての鑑賞と相成った次第です。じつは2作目も映画館では見ていない事を告白しておきます。今回はホグワーツ魔法学校の3年生になった(皆さん大きくなった!この頃の子供の成長は著しいものだ)ハリー・ポッター「ダニエル・ラドクリフ」、ロン「ルパート・グリント」とハーマイオニー「エマ・ワトソン」の仲良し3人組みが繰り広げる冒険ファンタジーである。余談だがGaiaxのカテゴリーの選択肢はいつも選ぶのに困る。 彼らの学校に凶悪犯シリウス・ブラック「ゲーリー・オールドマン」がアズカバンの牢獄から脱出し、ハリーを探しにやってくるとの情報が流れたから大騒ぎとなる。ブラックを捕まえに吸魂鬼デメンターなる恐ろしげな者たちまで現われ・・・。 | |||
出演 | ダニエル・ラドクリフ | ルパート・グリント | エマ・ワトソン | |
この映画にいくら出せますか? | 2000円〜〜2000円 | |||
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
☆☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ |
コメント | シリーズ物も3作目ともなるとマンネリ化するので監督も変え、奇才ゲーリー・オールドマンの起用といった興味ある伏線と、やむ得ない家庭の事情の相乗効果で観ることになってしまったのだが、まあ142分という長尺の割りには全体に収まりが悪かったのではと思う。 子供映画だから余計にプロットは平易にすべきだが私でも良く理解出来ない話の展開もあった。まあ然し子供たちが喜べば私ら老人がどう思うがそれはそれで良いのだが、今度孫達が来たら感想を聞いてみようと思う。 私としては折角ゲーリー・オールドマンを起用したのだからもう少しハリーとの感情的な絡みが濃密であれば良かったのになアと残念でならない。設定は面白くトリッキーな展開は気に入っているのだから。 人の楽しい思い出だけを吸い取るデメンターなるキャラクターはいたく気に入った。 それにしても恐ろしげで、我が下の孫(7歳)はさぞかし登場場面では目をつぶっていたに相違ないと想像する。 それと亡くなったリチャード・ハリスの代わりに今回からマイケル・ガンボンがダンブルドア校長役で出演していた。彼の出番が多く良く目にしたが、雰囲気はハリスに似ていて違和感は感ぜず、配役は良かった。それにしてもハリス氏が生きていれば活躍できたのにとおしまれてならない。 |
21グラム(21GRAMS) ジャンル:サイコ・サスペンス |
2004/06/19
07:53 編集 | |||
ストーリー | 鑑賞月日 平成16年6月14日 映画館 梅田ピカデリー(大阪) 監督 アレハンドロ・G・イニャリトゥ 撮影 ロドリゴ・プリエト 音楽 グスターボ・サンタオラヤ 主婦クリスティーナ「ナオミ・ワッツ」は二人の娘と夫に囲まれ平凡だが幸せに暮らしていた。 大学の数学教授ポール「ショーン・ペン」は心臓移植でしか助からない余命1ヶ月の生活を僅かな希望にすがるように妻と二人で生きてる。一方かって前科者であったジャック「ベニチオ・デル・トロ」は、今は信仰に没頭することで心の安穏を願い娘息子と妻とで貧しくひっそりと暮らしていた。 この三つの家族がある事件をきっかけに一本の糸に紡ぎ合わされてしまう。この強引な不条理によってそれぞれの家族が、それぞれに人生にとって嵐の海に放り出されてしまう。 この物語はどのような展開を辿り、またどのような結末を迎えるのだろうか・・。 また題名の意味するものとは? | |||
出演 | ショーン・ペン | ナオミ・ワッツ | ベニチオ・デル・トロ | |
この映画にいくら出せますか? | 2000円〜〜2000円 | |||
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ |
コメント | 題名(原題に同じ)の意味するものは「命が消える瞬間に誰もが失う”21g”」というキャッチコピーで十分理解できる。物質としての重さでは無い魂の重さ。当初、このキャッチフレーズに猛烈に惹かれ、この映画を観た私であったのだが、結果は私にとって数学上の虚数で表される現実でしか無かった。 消化不良になった私はこの映画では観ることの出来なかった21グラムを今でもどこかで探しているようだ。 俳優が良く(三人とも文句なく素晴らしいの一語に尽きる)、テーマが良いのにストーリーがそれを具現していない事への失望を感じた映画であった。また編集の癖であろうが「プレイバック」のあまりの多さと「ジグソーパズルのようなカット割」に辟易する。年寄りの頭では2象限程度しか理解出来ない。編集にあたって、その必要は本当にあったのだろうか。疑問を感じざるを得ない。 TV放送で心臓移植を受けた人が提供者その人の嗜好の一部も受けつぎ、またその人の記憶の一部を想い出したという話を聞いた事がある。実は映画を観る前も上映の途中ですらも、そうで無いのかと思っていた私だったが、残念な事に期待どおりでは無かった。まあ私の期待どおりに運ばなかったからといって難癖つけても何なのですが、然し21gについて説明文をスクリーンに流さなければ判らないのでは情けない。映画の中で伝わる程度には話の展開を構成して欲しいものだと強く感じた。 それにしてもナオミ・ワッツの演技は素晴らしい。惚れ惚れする。 ラストシーンでの彼女のおなかのアップが”21g”そのものではなかったのかと今でも錯覚してしまっている私でありました。 |
クリムゾン・リバー2(LES
RIVIERES POURPRES 2 ) ジャンル:サイコ・サスペンス |
2004/06/12
08:01 編集 | |||
ストーリー | 鑑賞月日 平成16年6月9日 映画館 アポロシネマ(大阪 天王寺) 監督 オリヴィエ・ダーン 撮影 アレックス・ラマルク 音楽 コリン・タウンズ サブタイトルを『黙示録の天使達』という。舞台はフランスのロレーヌ地方にある古びた修道院。新しくやってきた修道士が禁断の部屋を自分の居室としてしまった。数少ない身の回りの品のひとつ、キリストの十字架像を部屋の壁に取り付けるために、その修道士が釘を打った所、その穴から血が吹き出し、それはあたかもキリストの頭から血が滴ったように見えた。 パリ市警のニーマンス警視「ジャン・レノ」がこの事件の為派遣される。 一方麻薬捜査の若手刑事レダ「ブノワ・マジメル」はある日キリストの様相をした衰弱した男を保護する。病院に収容された彼を何者かが襲う。レダは犯人を捜すべくキリスト男の謎をも捜査するのだった。やがてキリスト男の元にニーマンス警視が訪れる。最初は犯人と間違えるレダだったがニーマンスを見た瞬間かっての教官であった事を知る。 こうして二つの事件がひとつに結びつくのだが、その全容は混沌として闇のなかである。ニーマンスは宗教に詳しい警官マリー「カミーユ・ナッタ」の応援を求め、少しずつその謎を解き明かして行くのだった。 | |||
出演 | ジャン・レノ | ブノワ・マジメル | クリストファー・リー | |
この映画にいくら出せますか? | 2000円〜〜2000円 | |||
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
☆☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ |
コメント | 前作の系譜を辿る第2作目である。しかし今回はあのリュック・ベッソンによるオリジナル脚本という。従って前作とは別ものと考えて良いだろう。(実の所見るまで知らなかった)聞けば前作のニーマンス警視のキャラクターを1作で終らせたくないジャン・レノとプロデューサーの思惑によるらしい。修道士を題材にしたミステリー小説は多い。私の好きなR・ラドラムにも今回に似たような筋だての作品があり私としても興味を惹く題材であった。 出演者といえば、あの「クリストファー・リー」がハインリッヒという謎のドイツ人役で出演している。若い刑事役の「ブノワ・マジメル」や「カミーユ・ナッタ」は初めて観る顔だが若く溌剌として良い。将来注目したい俳優である。 出演者に文句は無いのだがストーリーは残念ながら前作に比べて見劣りする。シリーズ物はどうしても前作のイメージを拭い切れない。単独の作品であれば、そこそこ面白いのだろうが、そうするには主演や話の雰囲気を変えなければならず結果ジレンマであろう。 前半の導入部は良い。期待してワクワクする。謎解きは、はしょりすぎで強引、後半の展開は平凡で今一で模倣かと思える場面もあり題材とはかけ離れてしまったようだ。まあ第1作目の名前を踏襲する以上、この程度の批判は受けねばならない事だろう。結果は残念でしたが私は好きですね!こういう題材。ですから多分また観るであろうから、第3作目(目論んでいるかどうかは知らないが)で挽回して欲しいと思っています。 映画を観るまえTVで何回目かの「レオン」を見たのですが、そのときジャン・レノがTVで「観てね!」と日本語で宣伝していたので、その気になった私でありました。またあの犬嫌いの彼に起こった新しいエピソードなど洒落てて面白かったのだが・・。 |
トロイ(TROY
) ジャンル:歴史 |
2004/05/29
08:51 編集 | |||
ストーリー | 鑑賞月日 平成16年5月24日 映画館 梅田ピカデリー(大阪) 監督 ウォルフガング・ペーターゼン 撮影 ロジャー・ブラッド 音楽 ガブリエル・ヤーレ ホメロス原作の叙事詩『イリアス』で有名なトロイア戦争を題材にしたこの映画を史劇ずきな私が見逃すことは無い。大抵の人々がこの叙事詩を知っているであろうが配役の紹介を主に以下に記した。 ヘクトル「エリック・バナ」とパリス「オーランド・ブルーム」の兄弟はメネラウス「ブレンダン・グリーソン」がトロイを訪れた際の返礼に彼の国に招かれた。そこには絶世の美女でありメネラウスの妻ヘレン「ダイアン・クルーガー」が居た。映画はここから始っている。パリスは彼女に恋をし、彼ら兄弟がトロイへ戻る際にヘレンを連れていってしまった。激怒したメネラウスは兄でありギリシャの大王アガメムノン「ブライアン・コックス」にトロイへの報復の助力を請うのであった。アガメムノンの知将オデッセウス「ショーン・ビーン」は、この戦にはギリシヤきっての勇者アキレス「ブラッド・ピット」を必要とし、彼の参戦を乞うた。アキレスは悩むが母テティス「ジュリー・クリスティ」の言葉を 聴きトロイへギリシャの大軍と共に向かうのであった。 一方トロイではパリスの父プリアモス王「ピーター・オトゥール」や従妹ブリセウス「ローズ・バーン」がパリスの行いに驚き、困惑する。然しトロイの砦は巨大で堅固である、やがて来るであろうギリシャ軍を迎え撃つ準備をはじめるのであった。 | |||
出演 | ブラッド・ピット | エリック・バナ | オーランド・ブルーム | |
この映画にいくら出せますか? | 2000円〜〜2000円 | |||
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ |
コメント | ハインリッヒ・シューリマンのトルコのヒッサリクの丘での発掘調査で巨大な砦が発見されたのを契機に、この3000年前の伝説のトロイ戦争がにわかに現実めいて来たのは有名な話である。若い時『イリアス』を読み興味を持ち続けてきた私は2年ほど前に機会があり、彼の地を訪れ遺跡に立つ事が出来た。嬉しくてその旅の行く前と後の2回、トロイに関連する書物を読んでいた為、まだ記憶に新しく今回この映画を十二分に楽しめた。 この映画でのギリシャ側のヒーローはやはり文句なく「アキレス」であろう。アキレスは神の子である、神であるから死なないと思うのであるが、この地で死ぬ定めであることを彼は悟っていた。だから死の前に部下に国に帰ることを命じたりする。原作では背が高く唇のない子として著されている。 また他方トロイ側のヒーローはヘクトルであろう。アキレスと戦い敗れる彼もまた神の子である。(登場人物のほとんどがゼウスの子孫であるのだが) アキレスとの戦いと、死後父プリアモス王がアキレスを訪ねヘクトルを引き取りにくる名場面は原作を読んでいても泣けたが、映画でも泣けた。それにしてもピーター・オトールを観るのは確か「アラビアのロレンス」以来である。この前観たオマー・シェリフと続けて二人の今の演技を観ることが出来たのは偶然でしか無いが、嬉しい偶然である。そういえば「ドクトル・ジバコ」でオマー・シェリフの相手役のヒロインがこの映画でアキレスの母親役で出ていたのだが、あなたは気ずかれたろうか? ヒーローはもう一人いた。パリスである。名前の意味は「死と契る者」と言うらしい。この叙事詩では重要な役を担っている。映画でも重要な役どころではあるのだが、かなり原作と異なった人物像としているのが際立った。ちなみに原作ではヘクトルは彼の弟であり、弓も決して上手では無かったが彼の射た矢が偶然アキレスの胸を射た(神の意思でというべきか)とある。 しかしこの映画でのパリスは原作とは異なり素晴らしく勇敢である。オーランド・ブルームを使って、原作のようなキャラクターにしたら彼のファンが承知すまい。私もこの映画はこれで良かったと思っている。まさにもう一人のヒーローの誕生である。やはり映画と原作は全く別のものとして捉えなければならないと今更ながら、その思いを新たにした。 3時間近くの長尺である。戦闘シーンが多く見ごたえある。俳優もきら星のごとくである。原作とその時代が良く、重厚で素晴らしい作品になった。異論はあろうが私は満足した。欲を言えばパリス達の母ヘカベや妹カッサンドラ、それとトロイアの援軍アマゾネスなんかを取上げて欲しかったが、まあそうすると3部作くらいになってしまいそうだから、やはり無理であろう。 原作をまだお読みで無い方には是非にとお勧めしたい。 |
パッション(THE PASSION
OF THE CHRIST ) ジャンル:歴史 |
2004/05/15
08:49 編集 | |||
ストーリー | 鑑賞月日 平成16年5月10日 映画館 SY角座(大阪難波) 監督 メル・ギブソン 撮影 キャレブ・デシャネル 音楽 ジョン・デブニー マッド・マックスでデビューしたメル・ギブソンも最近では監督としても成功している。今回はプロデュースも彼と聞く。この映画は原題どおりキリストの受難をテーマにしている。しかも当時を忠実に再現すべく、言語は全編アラム語(初めて聴く)とラテン語であり、然も製作側が入れた英語字幕に対してのみ各国の翻訳文を入れても良いという、こだわりようであった。また台詞の多くは聖書の引用で、そのストーリーは受難の最期の12時間に徹底して凝縮させている。 まさしく、これほど詳細に描いたものは無かったのでは無いか。もともと誰がキリストを殺したかというのは、はっきり判っていないとの事。従ってユダヤ教の司祭を悪者にした今回の作品は関係方面の論議を呼んだらしい。 私は信者でも無いが若い頃、一時期教会(プロテスタント)に通っていた事があり、聖書はそれなりに読んでいた。 従って今回の大筋なり時代背景などは忘れずに覚えていたようだ。勿論聖書を読んでいない人々が見た場合の、これらの物語のフォローは全く見事に無い。 若し興味があってこの作品を見たいのであれば、これは是非にでも聖書を読んでからの方がより理解し易いと思う。勿論見た後で読んで疑問の解決に役立てるのも良い事であろう。 イエス「ジム・カヴィーゼル」はユダ「ルカ・リオネッロ」に裏切られユダヤ教の大司祭カイアファによって捕らえられる。カイアファはローマ帝国のピラト総督にイエスの処刑をせまる。 これらを見守る群衆の中にイエスの母マリア「マヤ・モルゲンステルン」と彼女をささえるマグダラのマリア「モニカ・ベルッチ」がいた。そしてイエスはゴルゴタの丘に十字架を背負いその最期の歩みを始めるのであった。 | |||
出演 | ジム・カヴィーゼル | マヤ・モルゲンステルン | モニカ・ベルッチ | |
この映画にいくら出せますか? | 2000円〜〜2000円 | |||
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
☆☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ |
コメント | 私がこの映画を見ようとしたきっかけの多くはメル・ギブソンの作品だからという事が上げられる。前回見た「サイン」はどうにも消化不良であったが、今回は評価したい。 内容が激しいというかグロテスクというか、鞭打ちの刑や磔の刑がむごいと言う人もおられるが、人間の愚かさはもっとむごいものである。戦争での悲惨さはこの比でない。だが一方で、このむごい処刑をスクリーンを通して観ている私たちがいる。そしてその一部始終を徹底して見せることで私たちはそこから何かを受け取る筈だ。それこそがメル・ギブソンが伝えたかったものではあるまいか。 イエスは何故そこまでしたのか。あの状況における言葉は真実なのか?己をいたぶる者の為に祈ることなど、有りうる事だろうか。まさしくその事実は「汝の敵を愛せ」を身をもって語ったのだ。 私は未だに信仰は持てずにいる。だからといって、これらの至高の尊厳を否定するものでは無い。無神論者の私でも、この映画を観て大きな感動を受け取ることが出来ました。 |