ティアーズ・オブ・ザ・サン(TEARS OF THE SUN) ジャンル:戦争 |
2003/11/08
21:58 編集 | |||
ストーリー | 鑑賞月日 平成15年11月 8日 映画館 日劇2(東京有楽町) 監督 アントワン・フークア 撮影 マウロ・フィオーレ 音楽 ハンス・ジマー 内戦が過激になったナイジェリアからケンドリックス医師(モニカ・ベルッチ)を救出せよとの命を受けたアメリカ海軍特殊部隊シールのウオーターズ大尉(ブルース・ウィリス)はレッド(コール・ハウザー)等7人の部下と共に夜陰にまぎれて高所からスカイダイビングにより彼の国へ潜入するのだった。 原題の意味する「太陽ですら涙を流し、神からも見放された」過酷な運命を負うことになった民衆を置き去りにして立去る事が出来るのか?例えそれが軍の命令に背くことであっても・・・。 彼らの前に立ち塞がったこの難題に彼らは「軍人」であることよりも「人」であることを選ぶのだった。 そして彼らを待ち受けていたものは・・・・。 | |||
出演 | ブルース・ウィリス | モニカ・ベルッチ | コール・ハウザー | |
この映画にいくら出せますか? | 2000円〜〜2000円 | |||
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ |
コメント | 日記にも書いたのだが久しくブルース・ウィリスの映画を観ていなかったので突然おもいたって観に行った作品であったが、茶らけたダイハードのジョン・マクレーンとは打って変わって寡黙で冷徹な軍人を演じていた彼を見ることが出来た。 余談だがダイハード4としての脚本であったらしいが、その内容があまりにかけ離れていたようだ。もっともいつも一人で行動するジョンと今回の7人の部下を持つ軍人とではあまりに結びつきようは無い。テーマは重く人はその局面に立った時何をするかだろう。何の為に生きるかは我々にとって永遠の命題とも言える。 フークア監督のストイックとも言える抑制の効いた演出は好感が持てる。残忍さの中の友情や犠牲的とも言える献身さが率直にいって心を揺さぶり何度か泣いた。 それにしてもモニカ・ベルッチは相変わらずである。相当な本数の映画にも出ているにも係わらずである。今回も地で行くような演技(?)である。嫌いでは無いが感心はしない。同じイタリアのソフィア・ローレンに比べられても恥ずかしくないようになって貰いたいものだ。 今回特筆すべきはペイシエンス役の女優さんである。スタッフロールを見逃したので名前は判らないが彼女の言葉には何度か泣かされた。ウオーターズ大尉に「私達も、神も貴方たちを忘れることは無い」と言い大尉は「気をつけて」と恥かしげに答えたシーンが印象に残った。 |
マッチスティック・メン(MATCHSTICK MEN) ジャンル:笑い |
2003/10/18
17:21 編集 | |||
ストーリー | 鑑賞月日 平成15年10月17日 映画館 SY角座(大阪難波) 監督 リドリー・スコット 撮影 ジョン・マシソン、BSC 音楽 ハンス・ジマー 原題は直訳すれば『マッチ棒の男達』これを彼の国では『詐欺師達』と呼ぶそうな。うーん英語は奥が深い!! 主人公ロイ「ニコラス・ケイジ」と弟分のフランク「サム・ロックウエル」は天才的なペテン師たちである。然しながらロイは異常なほどの潔癖症とニコチン依存と過呼吸を伴うパニック症の持ち主である。 それでも豪華な邸宅に住み、貸し金庫の中の現金はおよそミリオンダラーもあるらしい。 ある日パニック症に襲われた彼が薬欲しさに、フランクに紹介された精神科医「ブルース・アルトマン」を尋ねた事から物語は始まる。精神科医に少しずつ心を開いた彼は別れた妻の事を話す。そして彼女が妊娠していた事も話すのだった。その子が息子か娘かさえ知らないロイに、彼らに会うよう進めた精神科医にロイは自分で電話する代わりに電話をして様子を聴くよう頼むのだった。そしてロイは14歳になる娘アンジェラ「アリソン・ローマン」が居る事を知る。そしてロイはやがてその娘と会い。娘もまたロイの家に泊まりにも来るようになった。満たされたロイは、心も落ち着き、やがてフランクと大きな仕事をする事になる。そしてその結末は・・・・。 | |||
出演 | ニコラス・ケイジ | サム・ロックウエル | アリソン・ローマン | |
この映画にいくら出せますか? | 2000円〜〜2000円 | |||
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
☆☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ |
コメント | リドリー・スコットのコメディ作品とか、彼が「ペーパー・ムーン」(73)からこの作品のヒントを得たと聞く。皆さんはあのオニール親娘の映画を観られたろうか。私は勿論見ましたよ。この作品とおなじ親子の詐欺師の話で私の好きな映画のひとつです。ご覧になっていない方は是非ビデオでご覧ください、お勧めします。 さて本作品ですが、娘役の「アリソン・ローマン」が良い。実年齢が24歳で14歳の役を演じている。 これがまた無理がない、はまり役である。もっとも彼の国の14歳といえば日本人からみれば立派に大人としてしか見えないのだが。ロイはせがまれて娘に詐欺の手口を教える。宝くじを使った方法は成功し、人の良さそうな小母さんから、娘は、まんまと300ドルをせしめる。然し、それを返す事を娘に命じる。方法は教えたが金を取る犯罪を娘にして欲しく無かったのだろう。それからロイは彼女に心を傾け、ついに詐欺師引退まで決意させる。いやいや何時の世も親父にとって娘はかけがえの無いものです。 後半の落ちと、軽妙なテンポは面白く飽きさせない。コメディらしい作品に仕上がったようだ。エンディングロール中のシナトラの歌と最後の顛末が実に私ごのみの余韻を残し、洒落た作品に仕上がった。 |
サハラに舞う羽根(THE FOUR
FEATHERS) ジャンル:歴史 |
2003/09/22
19:46 編集 | |||
ストーリー | 鑑賞月日 平成15年9月22日 映画館 OSスバル座(大阪千日前) 監督 シェカール・カプール 撮影 ロバート・リチャードソン、ASC 音楽 ジェームズ・ホーナー イギリスが帝国と呼ばれていた19世紀末将軍の息子で軍人の道を歩んだハリー「ヒース・レジャー」はエリート下士官としてジャック「ウェス・ベントリー」ら4人の親友たちと、また婚約者エスネ「ケイト・ハドソン」と幸福な毎日を送っていた。 所が彼らの連隊にスーダンへの出兵を命ぜられた時、ハリーは除隊を願い出る。ジャックを除く3人の親友から『3枚の白い羽根』を贈られる。これは臆病者のシンボルであった。そしてエネスもまた4枚目の羽根を届け、彼のもとを去る。 やがてジャック達の苦戦を聴いたハリーは、いてもたっても居られず4枚の羽を握り締め、ジャック達の元へとひとりスーダンへの旅に出た。 そしてスーダンでハリーが体験した事とは・・・。 | |||
出演 | ヒース・レジャー | ウェス・ペントリー | ケイト・ハドソン | |
この映画にいくら出せますか? | 2000円〜〜2000円 | |||
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ |
コメント | 砂漠を舞台にした映画といえば「アラビアのロレンス」以来だろうか?そういえばウェス・ベントリーがどことなくオマー・シェリフに似ていて妙だった。あまり批評や前評判を聞かずに見た映画であった。 4連休の中日それも平日だったので何を見ようか迷ったが何となく題名に惹かれて見る気になった。 見る前はなんか甘ったるいロマンスぽかった印象であったのだが、その現実は重く崇高であった。 スーダンの砂漠でハリーが渇きにやられ死にそうになっていた所を助けたアブー「ジャイモン・ハンスウ」があいかわらず存在感のある演技で惚れ惚れする。このハリーの守護神が最後まで物語をリードする。 テーマは「真の勇気」である。臆病者のハリーが何故、危険を冒してまでスーダンの砂漠にやって来たのか。そして何故そこまで出来るのか。一体彼を動かしているものは何なのか?あなたはこの映画でそれを 知る事が出来るであろう。 またまた秀作である。満足、満足! |
HERO(英雄
) ジャンル:歴史 |
2003/09/06
19:04 編集 | |||
ストーリー | 鑑賞月日 平成15年8月31日 映画館 アポロシネマ8(大阪天王寺) 監督 チャン・イーモウ 撮影 クリストファー・ドイル 音楽 タン・ドウン 紀元前200年、舞台は戦乱のさなかの中国、後に始皇帝と呼ばれる秦の王「チエン・ダオミン」のもとをめざす馬車の疾走シーンから物語は始まる。その中には秦王が恐れていた三人の最強の暗殺者を倒したという無名「ジェット・リー」と呼ばれる男がいた。彼はその功績により秦王から謁見をゆるされ、莫大な褒章をうける事になった秦の小さな村の官吏であるという。 秦王は過去に暗殺者に襲われた経験から100歩以内に何人も近ずけさせなかったのだが無名の功績に答えるために20歩以内の謁見を許す。そして王から問われるままに最初の暗殺者長空「ドニー・イエン」との闘いの模様を話すのだった。その功績により更に10歩近ずくことを許される。 無名が10歩以内の敵はどのような相手でも一撃のもとに倒すことが出来る剣術(十歩必殺)を極めていたのを秦王は知ってはいたのだが。残りの二人、残剣「トニー・レオン」と飛雪「マギー・チャン」を討った様子を聴かれ無名は語った。然しその話に疑問を持った秦王は無名に嘘をついているのではと追究する。 その言葉を聞いた無名が話したのは、それまでとはまったく別の物語だった | |||
出演 | ジェット・リー | トニー・レオン | マギー・チャン | |
この映画にいくら出せますか? | 2000円〜〜2000円 | |||
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ |
コメント | いやはや凄いの一言。チャン・イーモウ恐るべし!! 私の中では今年の最優秀作品だと確信する。 映画の持つすべての良い要素がこの作品にはある。私がもっとも脱帽したのは残剣の侍女 如月「チャン・ツィイー」と飛雪の闘いのシーンである。銀杏に似たあの木々は胡楊と呼ぶらしい。内モンゴルの砂漠の中の緑地にあるその樹林は10月全樹林が黄金色にいろずき、わずか10日ほどで散り終わるという。その中での二人の闘いはあまりに美しい。映画全体が色に対してはっきりした主張を持っているが、とりわけこのシーンが圧巻であった。 ここで紹介したまさに6人が織り成すその物語は素直に楽しめるものである。そしてそれぞれが演じる役どころも魅力的だ。彼らの個性が最大限に引き出されていて愛すべき群像となっている。 わずかに難をいえば如何にも東洋的である。然しそれもこの映画が素晴らしくなった一つの要素ではあるまいか。ハリウッドでは決して描けないまさに東洋人の精神世界そのものであるように思う。それはこの映画が李白の「侠客行」から物語のヒントを得、当金山や九寨溝、莫高窟などの世界遺産ともいえるロケ地の陽光のなかで息ずき、壮大な王宮や雨の棋院、書法館などのセットで当時の人々がリアルに蘇ったといえよう。 いやはや凄い!と再び言いたい。 |
マイ・ビッグ・ファット・ウエディング(MY BIG FAT GREEK WEDDING) ジャンル:家族 |
2003/08/12
17:43 編集 | |||
ストーリー | 鑑賞月日 平成15年8月11日 映画館 SY角座(大阪難波) 監督 ジョエル・ズウイック 撮影 ジェフリー・ジュア 音楽 クリス・ウイルソン 30歳になるまで地味で人生に何も起こらないまま両親の経営するギリシャ料理店を手伝っていた主人公トゥーラ「ニア・ヴァルダロス」が、ある日彼女が一目惚れしたイアン「ジョン・コーベット」と出会う。そこで彼女はこれではいけないと一念発起してコンピュータの学校へ行き化粧を変え、叔母の経営する旅行代理店に勤めはじめ、彼との再会をひたすら待つ。 そこで彼と再会した彼女は・・・・。 | |||
出演 | ニア・ヴァルダロス | マイケル・コンスタンチン | レイニー・カザン | |
この映画にいくら出せますか? | 2000円〜〜2000円 | |||
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ |
コメント | 誰にでもある結婚前のどたばたではある。だがしかし、彼女の家がギリシャ人だったから、サー大変・・、と何だか「奥様は魔女」的なふりではあるが、結婚までの道のりは確しかに大変であった。 ストーリーも単純、俳優も控えめ、予算はすごく控え目というインデイーズ系の映画である。 主役のニア・ヴァルダロスが自分の実体験を脚本にし、ひとり芝居で演じたのをリタ・ウイルソンが観て感激し、彼女の夫トムハンクスが製作に一役買って映画化が実現した経緯があったとのこと。 この映画の良いところは脇役の多彩さであろうか。それぞれがいい味を出している。彼女の父親「マイケル・コンスタンチン」、母親「レイニー・カザン」は勿論のこと、叔母役の「アンドレア・マーテイン」の存在はピカいちである。その他沢山の助演者がすばらしい。 良い映画の条件に助演者の味付けが何よりも重要ですね。あのギリシャのギターみたいな楽器の音色も花を添えていました。 |
パイレーツ・オブ・カリビアン(PIRATES OF THE CARIBBEAN) ジャンル:アクション |
2003/08/10
17:35 編集 | |||
ストーリー | 鑑賞月日 平成15年8月9日 鑑賞劇場 国際劇場(大阪難波) 監督 ゴア・ヴァービンスキー 撮影 ダリウス・ウオルスキー、A,S,C 音楽 クラウス・バデルト 子供のころ、提督の娘エリザベスはそのカリブ海での船旅の途中、海賊に襲われた船から漂っていた一人の少年ウイルと出会う。彼のペンダントには髑髏の刻印があり、少年が海賊の一味と間違えられては可哀想と、それを彼女は隠し、自分の物としてしまう。 長じてウイル「オーランド・ブルーム」は鍛冶屋の青年となり、エリザベス「キーラ・ナイトレイ」と、彼女の父の赴任先ポート・ロイヤルにいた。やがてこの町に謎の海賊ジャック「ジョニー・デップ」があらわれる。 そして伝説のキャプテン・バルボッサ「ジェフリー・ラッシュ」率いる海賊船ブラックパール号の出現と彼らの略奪、そして誘拐、救出、恋の行方・・・。へと展開する。 | |||
出演 | ジョニー・デップ | ジェフリー・ラッシュ | オーランド・ブルーム | |
この映画にいくら出せますか? | 2000円〜〜2000円 | |||
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ |
コメント | 久しぶりのディズニー映画である。所謂東京デズニーランドのカリブの海賊の元ネタであるらしい。そういえば牢獄の前で鍵を咥えた犬の情景など、確かに見覚えはある。 私にとって海洋ものは基本的に大好きな題材である。ことにそれが海賊ときたらワクワクする。昔からあるテーマであり、活劇の基本かもしれない。 まあ総じていえば、面白かったが少し物足りなかった感がある。ジョニー・デップの独壇場(というか良かった。彼の代表作になったのではと思う渾身の演技であった)の映画であったとも言えよう。ストーリーが平凡すぎた所為もあるが、オーランドやキーラの若い二人にあたる光が弱すぎた気がした。それとVFXでの海賊の動きが今時の映画と感じたくらいか。 やはり可も無く、不可もなく優等生的なディズニー作品であるともいえよう。 海賊ものを始めてみる若い方々や子供達にはお勧めの映画のひとつであることは確かだ。ただ歳を経たおじさんには物足りなかったのも確かである。やはり世代にむいた映画を選ぶべきか?ただ我が家内はいたく気に入った様子であったようだ。歳というよりやはり物事の受けとめかた次第なの かもしれない。 |
マトリックス・リローデッド(MATRIX RELOADED) ジャンル:SF |
2003/07/12
22:53 編集 | |||
ストーリー | 鑑賞月日 平成15年7月7日 映画館 梅田ピカデリー1(大阪) 監督 ウオシャウスキー兄弟 撮影 ビル・ホープ、A,S,C 音楽 ドン・デイビス 3部作だと言う事をエンディングロールで知った。1999年の1作目から4年目のこの作品は愛の力で今度はトリニティー「キャリー=アン・モス」を救ったネオ「キアヌ・リーブス」を主題にし、かつ1作目を遥かに上回るVFXの心地良い嵐のなかに観客を誘う。 ストーリーは仮想現実の世界での人口頭脳と人間の戦いの話なのだがなかなか理解しがたい。だが観念としてそれを受け入れれば判らなく無くもない。シオンの由来の「ザイオン」での人間の住む唯一の都市の壮大さは子供の頃みた小説の挿絵さながらの宇宙都市を思わせる。その都市でモーフィアス「ローレンス・フィッシュバーン」が皆に演説するシーンは圧巻である。 ちなみにMorpheus(モルペウス)はギリシャ神話に登場する夢の神に由来する。スーパーマンになったネオも含めて、まさしく夢の世界の話ではある。 | |||
出演 | キアヌ・リーブス | キャリー=アン・モス | ローレンス・フィッシュバーン | |
この映画にいくら出せますか? | 2000円〜〜2000円 | |||
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
☆☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ |
コメント | 前回からのエージェント・スミス「ヒューゴ・ウイーピング」等のレギュラー陣の他にツインズ「ニール&エイドリアン・レイメント」の個性は面白く映画に深みを持たせた。 相変わらずではあるパーセフォニー「モニカ・ベルリッチ」や、美味しい役どころのキーマン「ランダル・ダク・キム」らの多彩な顔ぶれを加え、話そのものも面白く展開している。 特にモーフィアス艦長の部下リンク「ハロルド・ベリノー」の演技は素晴らしく特筆しておきたい。 そしてまたしても今年年末に公開される3部作の完結編を観なくてはならなくなってしまった。 |
めぐりあう時間達(THE
HOURS ) ジャンル:ヒューマン |
2003/07/12
18:28 編集 | |||
ストーリー | 鑑賞月日 平成15年7月7日 映画館 梅田ピカデリー3(大阪) 監督 スティーヴン・ダルドリー 撮影 シーマス・マクガーヴィ 音楽 フィリップ・グラス 三つの時代を生きたそれぞれの女達、ニコール・キッドマンの「ヴァージニア・ウルフ」、ジュリアン・ムーアの「ローラ・ブラウン」、メリル・ストリープの「クラリッサ・ヴォーン」のたった一日の出来事を描いた作品である。題名の翻訳は良く出来ていて近年まれな傑作とおもう。本来の意味は「流れる時間のつながり」を意味したもののようだが「めぐりあう時間達」の方がこの作品のイメージである。 一見三つの話しを合わせたかのようなストーリーだが、いつしか我々はひとつの話を見るような錯覚に陥る。それは共通のテーマが底流にあり、その流れが時間を越えてそこにあるからだと受けとめた。ウルフの狂気、ブラウンの虚無、ヴォーンの絶望、それは男女を問わず我々の持つ素朴な疑問でもあるものから生まれる。子供から大人になる時に誰しもが感ずる疑問「人は何の為に生きているのか?」答えを見つけられた人は幸せである。だがある人達にとっては永遠に解けない謎でもある。 | |||
出演 | ニコール・キッドマン | ジュリアン・ムーア | メリル・ストリープ | |
この映画にいくら出せますか? | 2000円〜〜2000円 | |||
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ |
コメント | 内面を演劇や映画をとおして表現することは困難である。然しながらその為にこそ数々の作品や演技者やスタッフ達が、絶える事なく挑戦しているし、それらを我々観客はやれ面白いだの、詰らないだの言っているのでもある。演技巧者の彼女達の発する情感は見事に我々に語りかける。そして それらを引き出した丁寧な演出や緻密な編集はさすがロイヤル・コートの100本以上の演出を手がけたダルドリー監督だから出来えた事だといわざるを得ない。キッドマンのアカデミー賞も納得ゆくものだが、私は監督賞か脚色賞にこそふさわしかったのではあるまいかと思った。 音楽がまた良い。ピアノをメインにその時どきの観客の振幅に同期するように(いや我々が同期させられているのかもしれない)それは流れる。三つの話しを見守る唯一の映画上の配役(ナレーター)のようにそれは存在している。 最近、この手の映画はあまり観ていない。失望の方が多い為でもあるのだが、今回はある人の批評を見て観る気になっていた映画である。結果は見て良かった素晴らしい作品と思う。 三人のなかではブラウンの気持ちが一番良く理解できたと思う。あのベットが水びたしになる観念的なシーンには驚いたが、後からじわじわ効いてくる薬のような効果的な演出である。とりわけあの水藻のような、紐のような黒いものは私の心にまとわりついて暫く離れなかった。悩みが多かっ た青春のひとときに戻ったかのようでもあった。ブラウンの息子リッチー役「ジャック・ロヴェロ」の演技には舌をまいた。関連するエド・ハリスも重要な役で出ている、特筆したい。 |
スパイ・ゾルゲ(邦画) ジャンル:歴史 |
2003/06/21
21:39 編集 | |||
ストーリー | 鑑賞月日 平成15年 6月21日 映画館 シネタワー(渋谷) 監督 篠田正浩 撮影 鈴木達夫 音楽 池辺晋一郎 第二次世界大戦のはじまるおよそ7年前、日本に諜報を目的に来訪した一人のドイツ人ゾルゲ「イアン・グレン」が居た。彼はドイツ共産党に入党し、やがて母の祖国ロシアの為に日本にくる3年前から上海で諜報活動を開始する。上海で朝日新聞の記者をしていた尾崎「本木雅弘」はアグネス「ミア・ユー」の紹介でゾルゲと知り合う。尾崎はやがてゾルゲに情報を提供するようになり、それは尾崎が日本に転勤になってからも続いた。 舞台は昭和9年の日本にかわり、やがて昭和11年の2.26事件その後の満州事変やがて太平洋戦争へと激動の時代を迎える。 | |||
出演 | イアン・グレン | 本木雅弘 | 椎名桔平 | |
この映画にいくら出せますか? | 2000円〜〜2000円 | |||
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ |
コメント | 篠田監督の引退作品と聞く。氏の作品で印象に残るのは「瀬戸内少年野球団」と「はなれ瞽女おりん」であろうか。「梟の城」も見たがあまり良い印象はない。 今回の作品はかなりの長尺である。そのせいか余分なシーンが目に付く。巨匠篠田監督の作品にけちをつける気は毛頭無いが、以下のもろもろは私の率直な意見でもあります。 時代背景を説明する為のニュース映像がやたら多すぎる。また金をかけたフルCGも出来は今一の感が否めない。戦艦の出港シーンやタンクの進軍シーンにはがっかりであった。まるで20年前のCGの出来である。時代の映像では、私も銀座の昔を知ってはいないので何とも言えないが、それほど忠実に(フルCGを使ってまで)再現する必要があるのであろうか疑問を感じる。まるで舞台の書割を見ているような、この映画のCGでは多少時代と異なっても従来の実写の方が良かったようにも思う。 ゾルゲと尾崎、それを取り巻くゾルゲスパイ団や家族や恋人達の活動は充分良く伝わり面白かった。物足りなかったのは椎名桔平演ずる検事や上川隆也演ずる特高達がゾルゲ達を追い詰める展開のシーンが極端に少ない事だ。それとは別に逮捕のシーンが2度ある理由も良くわからない。 それとオット大使「ウーリッヒ・ミューエ」とゾルゲの最期の面会シーン(良いシーンでした)でこの映画は終わって欲しかった。戦後やドイツ統一などのシーンなどは不要とも思えるのだが・・。 編集いかんでもっと違う作品になっていたように思われ残念でならない。 ただし、音楽は実に私ごのみでありました。 |
サラマンダー(REIGN OF
FIRE ) ジャンル:アクション |
2003/05/24
20:58 編集 | |||
ストーリー | 鑑賞月日 平成15年 5月17日 映画館 日劇3(有楽町マリオン) 監督 ロブ・ボウマン 撮影 エイドリアン・ビドル 音楽 エドワード・シャルマー 火の支配者 サラマンダー(火竜)が地球に君臨するというサバイバル・アクション映画である。 現代のロンドンで地下鉄の工事現場で働く母親の所へ学校の帰りによった少年クインは突然あいた穴の中に何か異様なものを発見する。それはまさにサラマンダーであった。一瞬のうちに現場は火の海となり少年の母も彼を助ける為に死んでしまう。 それから20年成人したクイン「クリスチャン・ベイル」はあのサラマンダーの君臨する世界の中の一都市、荒廃したロンドンの郊外に砦を築き何人かの集落をつくり、そこのリーダーとなり、サラマンダーの支配から逃れていた。 そこにある日アメリカから来たという一群の軍人達が来た。指揮官はヴァンザン「マシュー・マコノヒー」、そしてヘリのパイロット、アレックス「イザベラ・スコルプコ」達であり、ロンドンに向って、ただ一頭であろう雄のサラマンダーを殺す目的でやって来たという。やがて彼らは・・・。 | |||
出演 | マシュー・マコノヒー | クリスチャン・ベイル | イザベラ・スコルプコ | |
この映画にいくら出せますか? | 2000円〜〜2000円 | |||
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ |
コメント | いや単純明快、EFX撮影をふんだんに使ったアクションは楽しかった。荒廃した地球の姿は様々な映画で良く見るが、今回はあのロンドンが舞台の一部であった。マッドマックスの映画のような世界でヘリやタンクの燃料が良く手に入ったものだと、意地の悪い感想もあるが、あえて突っ込まなくても御伽噺として考えれば、そこそこ面白い。 またサラマンダーのクリーチャーは良く出来ている。まあ難を言えば死骸が生物という感じが出なかったのが惜しまれる。お金を掛ければ可能だろうからあえて追求しません。反対に素晴らしかったのは本物の火を使った事だ。とてつもない圧力で数百ガロンの液体プロパンをノズルから噴射し60m位のサラマンダーの吐く炎をだしたという。 映画でもその辺のシーンはしっかり堪能させてもらった。日本では多分安全の意味からいっても小さい炎を大きく見せるという特写に頼らざるを得ないのでは無いかと思う。 マシューの活躍にも満足したし、若手の活躍も調和してた。筋そのものは単純だが、素直に面白いと感ずる映画はそれなりに良い。 |