ボルケーノが読んだ本を紹介します。
ミステリー系が中心です。好きな作家
は、「アガサ・クリスティー」、「ジェフリ
ー・アーチャー」、「池波正太郎」、「浅
田次郎」です。

  

ボルケーノ並びにその友人が見た映画
を紹介します。お金をかけた大作より少
し昔の映画のほうが好きです。「太陽が
いっぱい」の時のアラン・ドロンが大好き
です。



Updated March 1, 1999

1999.2

・五体不満足 乙武洋匡 講談社
この本を読んで頭をハンマーで殴られたような衝撃がありました。そして自分の生きかたを振り返ってみて、ああ人生を少し無駄にしたなと反省しました。何か嫌なことやうまくいかないことがあると、周りのせいにしたり自分はなんてついていないんだと愚痴ってばかりで、どうしてもっと違う側面から自分を見ることが出来なかったのかと考えさせられました。作者は現在大学生で先天的に四肢未発達というハンディを背負って生きてきたのですが、実に明るく前向きに人生を楽しく生きているその周りの環境、そしてそのように物事を捉えられるように育てられたご両親に感動いたしました。このような「五体不満足」で産まれてきたけれども、それは不幸せではなく少し不自由だという作者の言葉が印象的です。現在、リストラやなんで自分はこんなに不幸せなんだろうと思っている人達に是非この本を読んでほしいです。


・人間の幸福 宮本輝 玄冬舎文庫
マンションで殺人事件が起こってから、その住民の本当の姿などが浮き彫りにされて色々と人間の醜い点や嫌な面が出されてきて、それぞれの住民達にとっての幸福とは何かを最後にそれぞれが気づくという構成でした。ああまで極端に隠された面があるとは思いませんが、でも
自分の側にある小さな幸せに気がついていないことは本当に多いと思いました。


・封印された数字 ジョン・ダニング 早川書房
「死の蔵書」「幻の装丁本」で一躍有名になったジョン・ダニングの処女作です。前出のミステリーとは少し趣が異なりますが、こちらも本格的なミステリーです。催眠を題材に取り上げており、催眠をかけられ、キーワードを埋め込まれた主人公が謎の手紙によって断片的に記憶を思いだし、それを辿る旅をしているうちに殺人事件に巻きこまれるというストーリーです。プロットもしっかりしており、最後の謎解きもしっかりしているので楽しめる1冊です。


・OUT 桐野夏生
こちらもミステリーです。人物背景や殺人にいたるまでのプロセスなどがしっかりしているので、最後まで一気に読めました。この作品が評価が高いようですが、以前に読んだ女探偵のミロシリーズの「顔に降りかかる雨」とかの方が私にとっては面白いと思いました。


1999.1

・ループ 鈴木光司 角川書店
かの有名なホラーミステリー「リング」、「らせん」、「ループ」3部作の一応最新刊です。恐さでいけば「リング」がダントツでホラー度高しです。ただ発想が面白いのと、ウィルスの進化及びサブタイプの発現というのは実際にありえるというリアリティがあるだけに、今回のループも別の意味で医学とウィルスの進化との闘いという点で面白いです。それに全く遺伝子のメカニズムなどを知らない人が読んでもわかりやすいようになっている点もすごいです。しかし最後の方を読むまでは「リング」とリンクしているのがちょっとわかりませんでした。


・アイスバウンド ディーン・クーンツ 文藝春秋
通常のクーンツの作品とはちょっと異なり冒険サスペンスの色合いが濃い作品です。地殻異変で流氷となってしまった北極、しかも粉砕用の爆弾が埋められた流氷の上に残された探検隊の人間模様が中心となっており、それを救おうとするロシア潜水艦の理由あり艦長の闘いと読む人をぐんぐん惹きつけます。ただ、最初のほうのロシア潜水艦のシーンでは「レッドオクトパーを追え」を思い出してしまいました。


・クロスファイア 宮部みゆき 講談社 上・下巻
これは文句無しに面白かったです。一種の超能力者が主役で、それを取り巻く人間達とそこに巻き起こる殺人事件が複雑にうまく絡み合っていきます。ラストの終わり方にはただ涙・涙でした。(但し、私の場合は大分涙腺がゆるい傾向にあるのであてにはならないのですが)少し、「ナイトヘッド」的な感じがするので、もしかしたらこれも映画化やTV化されるかもしれないです。


1998.12 

・きんぴか3 浅田次郎 カッパノベルス
きんぴかシリーズの第3弾。前回は少し物足りなさが残りましたが、今回は第1巻の時の雰囲気が戻ってきました。ただ、各主人公ごとの短編になっているのでその分だけパワーダウンということでしょうか。でもそれぞれ世間からドロップアウトした主人公3人のキャラがいいですよね。


・血まみれの月 ジェイムズ・エルロイ 扶桑ミステリー
LA4部作の中の1冊です。今回はロス警察に勤務するロイド・ホプキンが主人公ですが、いや特異なキャラクターです。刑事としては一流なんですが...また犯人やそれを取り巻く環境がリアルに設定されていて、ぐんぐん引っ張られていきます。今、脂がのっています。


・ライトニング ディーン・クーンツ 文藝春秋
第2のシドニー・シェルドンとの呼び声が高いクーンツです。でも、少し違うかなという感じです。シェルドンも初期の作品「血族」などは本格的なミステリーでしたが、段々大衆化してきてしまいました。ですから、クーンツにはそうなって欲しくありません。この「ライトニング」は余りにも奇想天外なストーリーで、その世界に引きこまれてあっという間に読み終えてしまいました。面白いです。


・詩編殺人者 クリス・ペティット 早川書房 上・下巻
内容がアイルランド独立運動が行われているベルファストでおこった猟奇的殺人事件、それも聖書の詩が使われているというものです。登場人物も多く、政治的な背景等も複雑なんですが独立闘争を理解しながら読んでいくと段々道が開かれて行きます。でも、最後の終わり方が私には少し納得がいかないのですが。


1998.11

・きんぴか2 浅田次郎 カッパ・ノベルス
待ってました!あの憎めない3人組が戻ってきました。ピスケン、軍曹、ひでちゃん。でもね、確か血まみれのマリアはプリズンホテルの住人でなかったけか?でも、今回は短編集で特にピスケンがやや主人公になっているので、3人の絡みが好きな私としてはやはり前回の長編の方が私は好きです。第3巻も買ったんですけど、シリーズになるとやはりパワーが少し落ちてしまうのは否めないのでしょうか? 期待しています。頑張ってください浅田さん。


ブラック・ダリア ジェイムズ・エルロイ 文藝春秋
カテゴリーはミステリー、或いは犯罪小説に入るとは思われるが、この本に出てくる人物が全員一癖もふた癖もある連中で、一体誰が犯人か想像不可能状態になってきてしまうという本格的な犯罪小説です。で、この著者があの有名な「LA Confidential」の著者と聞いて納得した次第です。最後の最後まで息を継がせぬ展開です。

・霞町物語 浅田次郎 講談社
今では東京の地図に載っていない霞町で青春時代を過ごした少年とその家族、友人の物語である。恐らく筆者の青春時代そのものでもあるのであろう。生き生きとその時代のとまどいや青春のきらめきが感じられ、そしてほろりとさせられる。最後の章の「卒業写真」では涙がほろほろと止まりませんでした。現在では老師を見つけるのはきっと難しいのでしょうね。

・ああ言えばこう食う 壇ふみ・阿川佐和子 集英社
読んでいて気分が良くなる。女同士でこうまで好き放題言い合えるのは中々無いのではなかろうか。少しだけ人生の先輩である両者の本音が入り混じる往復エッセイを読んでいて、身につまされることも多しである。結婚の欄では壇嬢に大いに同意し、でも私はやっぱり阿川嬢タイプよねと一人頷いてみたりしている。これは立派にお2人の歩んできた道を行っているのではないかとはたと気がついたりする。やばい。でも、お二人のような人生もまた楽しである。人生なるようにしかならないのである。隣から開き直ってどうするという突っ込みが。それが人生である。

・本当は恐ろしいグリム童話 著者:桐生 操 KKベストセラーズ
女の子なら誰でも幼少のときに読んだことのある「グリム童話」をもっと掘り下げてその隠された深層心理やら、意味を著者が解釈して大人向けのグリム童話を作り上げています。ちょっとシュールで、思わずそうなのかと頷いてしまう1冊に仕上がっています。あんなおとぎ話はないよなと思われる方は是非ご一読あれ。

・うまひゃひゃさぬきうどん 著者:さとなお コスモの本
本屋で陳列場所を聞く時、発音しづらいんです。ひゃひゃの部分が息が抜けていいにくいので、書いて渡すと店員がうまひゃひゃですかと怪訝な顔をする。では、いったいどういう本かというと一言で表すと讃岐うどんに対する愛情があふれている本である。軽妙かつ、的確な食に対する表現。すごい。それに何がすごいといって、一日に7件ほどのさぬきうどんを訪れて食するなんぞは人間の胃を持つものが出来るはずが無い。でも、著者並びにご家族の食べぷっりを見ていると、本を読み終わった後、ああ私も一度さぬきうどん巡りをしてみたいと思うのである。奥が深し、恐るべしさぬきうどんである。

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