ANGEL FROM THE COAST〜SCOTT GORHAM ON LEAD GUITAR!〜

はっちゃん&しばやん、Scott Gorhamを語る



Part1 「FIGHTINGまで」


THIN LIZZYの歴代のギタリストの中で、もっと長くバンドに在籍したSCOTT GORHAMブライアン・ダウニーとともに、フィルの良き理解者としてSCOTTLIZZYに残した功績は非常に大きい。そこで今回は、LIZZY BOYSのギタリスト2人にスコットについて語ってもらった。

【SHI:BA(以下「しば」)】SCOTT GORHAM(以下スコ)って例えばギター雑誌とかでリジィの特集とかあると「他のギタリストの影にかくれているようだが、いやいや、なかなか自己主張している」みたいに侮れない存在的に書かれているものが多いよね。

【はちべい(以下「はち」)】そうそう。それとやっぱ、お面がかっこいいから女性ファンにどうだこうだ、ってなことも書かれたなぁ、昔は。それと「ヘアーチェックさせてください。キューティクル100%です」とか(笑)

【しば】ああ、石坂 浩二っすね。金田一耕介といえば、絶対彼ですよ。古谷 一行とかじゃダメっす。そんなこと聞いてないっすね。スイマセン。
 でも、少なくとも僕にとってスコは他のリジィギタリストと同列のヒトだし、かなりコピーもしたし(パクッたし)イヤな部分はイヤだけども、リジィ内に拘らずとにかく好きなギタリストの一人なのです。まぁ 当たり前といえば当たり前だけど。

【はち】オレもすっげぇ〜好きだよ、スコちゃん。かなりコピーもしたし。あのアメリカンとブリティッシュの中間みたいな感覚は特徴的だよね。特にあのリズム感覚がLIZZYに与えた影響は、すごく大きいと思うなぁ。あのリズムがあったらから、LIZZYの音楽があれだけバラエティに富んだものになったのかも。当然、ブライアンのリズムもすごく大きいんだけど。

【しば】そうね。彼の作ったSHE KNOWSなんか聴くと特に思う。あのリフの安定感こそがフィルスコを選択した理由なのでは?と思いますねぇ

【はち】うん、うん。ああいうリズミックなプレイは腕がないとできないよね。早弾きができるって意味じゃなくてね。

【しば】ギタリスト(まぁハード・ロックね)はテクニック的にも高度なことをやって目立ってなんぼと思っているひと(やっぱいるんだろうなぁ)からすると彼は地味なのかもしれないけど、そのような観念のない僕にとっては非常に魅力的なヒトなのですよ。

【はち】楽器は素晴らしい音楽を奏でてこそ意味のあるもんだからねぇ。楽器の演奏技術はそのために必要なんであって。その点スコはミュージシャンだよ。最近居ないなぁ、そういうロック・ギタリスト。きっとマーケットがそれ(音楽を奏でられるギタリスト)を受付けないのかな。そういう意味では地味なギタリストなんだろうし。
 スコのプレイはどの時期が好き?

【しば】彼のNICEなプレイ(演奏、アイディア)が聴けるのは、特に BAD REPUTATION以前だと思う。

【はち】オレはBLACK ROSEぐらいまでが好きだなぁ。と言っても良いのはS&MGOT TO GIVE IT UPぐらいしかないけど。それ以降はなんか人が変わってしまったような感じだよね。「歌うことを忘れたカナリア」って言うんでしょうか(笑)

【しば】そうですね。SWEET HEART(CHINATOWN)とかは好きですけど。なんか雑になってくみたいで。それと、もうリジィ加入時点でスコ・スタイルはほぼ完成してたんじゃないかな。ロボがドンドン変化して成長してくのに比べて。
そうそう、敢えていわなくてもいいんですが、雑誌関係のヒトよ、WAITING FOR AN ALIBIのソロはスコです。ゲイリーじゃない!

【はち】これもよく間違えられてるよね。どう聞いてもスコだよね。んじゃ、ついでにもう一個。どこぞかの雑誌にGOT TO GIVE IT UPのソロもゲイリーのようなことが書いてあったけど、あの曲ではゲイリーは全くギターを弾いていない。バッキングも含めて。逆にSARAHではスコが全く弾いてない。昔、スコがインタビューで言ってた。
んじゃ、スコに焦点を絞って、各アルバムから順に聞いていってみよっか。

【しば】うす。

【はち】まずはロボスコが参加した初アルバムの「NIGHT LIFE」

【しば】これは僕のフェイバリット・アルバムです。まぁ、好きな理由はスコのギター以外の要素が多いんですけどね。FRANKY CARROLとかギター無しの曲だけど、泣けてきちゃうのです。SHOWDOWNは曲としてもフェイバリットだし、IT'S ONLY MONEYとかカッチョ良すぎですよ。スコ・スタイルの基本はもうリジィ加入時点ではほぼ完成してたんじゃないかなと思うなぁ。ロボがドンドン変化して成長してくのに比べて。
   
【はち】SHE KNOWSの中間のハモリの後にスコがソロ弾くけど、この辺はスコの基本って感じのフレーズだよね。

【しば】このアルバムのソロではSHA-LA-LAでのソロが大好きなのですが、マイナーキーの曲のソロでアクセント的にメジャー音を使ったフレーズをかましてるのですが、メチャかっちょ良いのですよ。ヘタするとものすごダサくなるんですよね。あの方式はクラプトンあたりの影響かな。

【はち】そういや、スコってギタリストだと誰のファンだったのかね。やっぱクラプトンかね。

【しば】なんかで名前だしてた様な気が。ただ こんな言い方ゆるされないかもしれないけど、ギターに対する妙な探求心みたいなのは他のギタリストに比べると薄い様な気がします。だれだれみたく弾くとか。だからこそイイんですけどね、スコの場合は。

【はち】それにしても「NIGHT LIFE」のギター・サウンドはいい音してるね。

【しば】そうっすね。ベストとは言い切れないですが、ああいう音出したいっすよ今の自分は。まぁ、今んとこ僕のメインGは335ですが…。

【はち】次は「FIGHTING」

【しば】このアルバムは FIGHTING MY WAY BACKにつきますね。スコ十八番のペンタのかけあがりとかもう登場させてるし。ロボもこういったメジャー系で軽快なのはスコに任せてるみたいっすね。

【はち】そだね。メジャー・キーのスコはほんとに素晴らしいよ。タッタララ、タッタララ〜とかかっちょいい!リズムギターもすげぇかっちょいいし。

【しば】リズミックな反復フレーズはスコの特徴っすよね。

【はち】そいや、なんかのアルバムのライナーにロボが「メジャー・キーでのスコのプレイはすごい!」って言ってたって書いてあった。逆にSUICIDEみたいな曲だと断然、ロボだね。

【しば】そうっすね。この頃からカラーみたいなのが出てきてるかな。

【はち】FOR THOSE〜あたりのハモリはすごくスコっぽい気がするなぁ。ヴィビラートのタイミングとか。作曲では、FREEDOM SONGが好きだな。クレジットではフィルとの共作だけど、曲のほうは結構スコのアイディアなんじゃないかな。このソロの完成度高いっす。

【しば】フィルの作る(もしくは彼のつくる)わりとリラックスした(メジャー・キーが多いかも)曲に彼のメロディックなソロは欠かせないですよ。そしてヴィブラートに関してはやっぱり触れたいのですが、スコの場合程よい揺らせ方だと思うのです。では、次JAILBREAK!

To Be Continued... 続く・・・