ホビー的に、最もゾイドに近い位置にいる対抗馬と思われるのが、バンダイのレボルトシリーズである。

 発売は1987年。ゾイドスタートから4年。ゾイドに帝国軍という概念が登場してから3年。というタイミングである。ゾイドを意識したにしては少々遅い時期でもあるかもしれないが、ゾイドがよりミリタリー色を出しはじめるのは85〜86年。87年と言えば、ゾイド・バトルストーリーが発刊される年。つまり、動くホビーからミリタリー色へ、そしてキャラクター色を見せはじめる頃。ゾイド自体が一つの転換期を迎えようとしていた時期である。

 レボルトシリーズとゾイドのホビー的な共通点を見てみることにする。

 まずあげられるのが、組立キットであること。ゾイドのライバルとするからには、まずこの共通箇所が無ければ始まらないと言われてしまうかも知れない。そして組立にはゴムキャップを用い、塗装をしなくてもとりあえずは形になることもゾイドと同じである。1/60とスケールは違うモノの、オリジナルデザインでありながらスケールが設定されているのも、ゾイドとの共通点とあげて良いと思われる。

 オリジナルストーリーを持っているのもゾイドとの共通点である。ただし、この点は、ゾイドの方がガンダムをまねたととらえることが一般的となっており、本来は数多くのキャラクターおもちゃを出しているバンダイの方がお家芸といえるかもしれない。

 また、こうしたストーリーを持ちながら、動くという事が主体となっていることは、ゾイドとの共通点である。動くからと言って、ゾイドのように機械生物と言うことを前面に押し出した設定ではない。だが、動物という枠にとらわれない事から、奇抜な設計がされているので、ギミック的には、ゾイドよりもはるかに凝った作りをしているといえる。この凝ったギミックには、ペグタイトサンドという特殊な砂漠を確実に移動する手段、という設定を与え、説得力を持たせる努力がされている。

 発売されたレボルトは2体。当初からこの2体でシリーズを終えるつもりだったのか、人気が出なかったために計画はされていたモノの発売されなかったのか、これだけの動きを見せてくれるモノであるなら、更なる機体を見てみたかったものである。

 

 ゾイド誕生からレボルト発売までの期間、バンダイは、静観していた、ないしは、自社には独自の分野があり、あえて対抗する必要はないととらえていた、考えるのがよいと思われる。バンダイには、数多くのキャラクターおもちゃがあり、熱狂的な第一次ブームを過ぎたとは言え、ガンプラはZ、ZZへと継続されていた。その意味では、ゾイドのような、主体的にソフト面に頼らないメーカー独自のおもちゃの必要も感じなかったのであろうし、オリジナルキャラクターおもちゃまで手が回らなかったというのもある種本音ではなかろうか。その反面でバンダイは、ロボテックやスペースワープなど、かなりの高年齢層にアピールするホビーおもちゃも販売していた。特に前者、ロボテックの発想は、レボルトにも大きな影響を与えたのではないかと思われる。レボルトは、成功したとはいいがたいが、バンダイにとっては、ゾイドでメーカー独自のおもちゃの強みを見せられたことからタイミングを見計らって開拓すべき分野であり、枠にとらわれない奇抜な動きを見せることで、動くおもちゃに対するバンダイの考え方を見ることが出来るモノとなったと思われる。

 

ストーリー 

 

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