ストーリー

 

 バンダイのレボルトがゾイドと比較してみるべき要因の一つとして、オリジナルストーリーを持っていることが上げられる。ストーリーと言っても、ゾイドのように、新製品が出るたびに物語が進んでいくというモノではなく、世界設定と呼んでも良いものである。

 ここでは、そのストーリーを見てみることにする。

始末におえねぇな、この砂は(ペグタイトサンド)・・・・・・。

舞い上がる、からみつく、入り込む。

冷血野郎(メデッサー)特製のレボルト無しじゃ、

こんなところで戦争(ドンパチ)なんてやれねぇな。

なぁ、

ほかの戦場(エリア)もこんなものなんだろうか?

あぁ?!似たようなもんだろう。

冷血野郎(メデッサー)がいるところ以外はな。

天国と地獄がいっしょくたなんだ、この星(アーウェン)は・・・

[レボルト戦記]

バトル オブ カラディン

 「カラディック工業地区を襲撃、レボルトおよび物資を入手せよ BEB001 リベリオン

悪魔の砂”ベクタイトサンド”に覆われたカラディン大砂漠に囲まれたカラディック工業地区。このエリアで戦闘可能なメカはメルザイムベアモービル以外に無い。潜入していた戦闘チーム・ペンタは、防衛機構をすべて破壊。事前に捕獲、改造してあった少数のレボルトと共になだれ込んだリベリオンメンバーと協力、解放区への脱出を敢行した。さく烈する燃料タンク黒煙を吹き上げる工場・・・。不意をつかれたメデッセー側に勝ち目はなかった。リベリオンは初の大規模戦に勝利し、のちの戦闘に必要な大量の物資とオリジナルレボルトを手にいれたのである。

我々が正義だ!今、レボルトは闘いの叫び(ウォークライ)をあげる!!

1987年夏、アジアの片すみにひとりの男の子がうまれた。わずか12歳にして、高度な知識を理解し、超能力をも発揮する運命の少年・・・。その名はギガム。

1999年、ギガムは、大災害に見舞われ絶滅寸前になった人類の生き残り全員と多量の物資を、未知の地球型惑星’アーウェン”に精神転送した。そして、自らのクローン細胞を素子としたスーパーバイオチップコンピュータ”GIGAMU”をつくり、アーウェン全土を統治した。人類は地球を捨て去り、神帝王ギガムの下にまったく新しい繁栄の道を歩み始めたのである。

しかし、幸福な時は長く続かなかった。アーウェン歴72年、ギガムの死後まもなく、惑星のあちこちに異変が起こり始めたのだ。スーパーコンピュータGIGAMUは人類を確実に生き延びさせる為に、人々を、優れた遺伝子のみを持つ選ばれし民”メデッサー”とそれ以外に分別。メデッサーだけを手厚く保護した。

突如起こる異常気象、異常重力、地震、飢きん・・・、困難な生活を強いられた一般人の不満は頂点に達した。暴動、そして鎮圧。

その悲惨な情景を目にし、GIGAMUの決定に疑問を持ったメデッサーたちがいた。GIGAMUが惑星全ての権力を握ってすぐに異常が起こり始めている。もしかしたら、GIGAMUが人類をせん別するために、ワザと異常を起こしているのでは!?彼らは、GIGAMUに質問をインプットした。が、答えはただ「人類の幸福の為」のみ。

疑問は確信に変わった。「GIGAMUは狂っている!」彼らは異常世界を生き延びる為のメカ”レボルト”とともにメデッサーを離脱。一般人の叛乱組織”リベリオン”に中核として参加、メデッサーとGIGAMUに宣戦を布告したのである!

 読んでもらえばわかるとおり、ゾイドのストーリーよりも、前史や心情、謎解きも絡ませるなど、ストーリーそのものに興味を引かせようとする努力の見られる設定が組み立てられたストーリーである。多くのキャラクターおもちゃを手がけているバンダイの、ソフト面の強さが出ている、オリジナルストーリーといえる。

 また、発売されたレボルトの奇妙な歩行方法(ギミック)に説得力を持たせようとするため、ペグタイトサンドという特殊な地形を設定するなど、おもちゃとしての要素とソフト面を当初から連携させて商品開発が行われていたことがうかがえる。

 これらのことから、レボルトは、一般的なキャラクターおもちゃと比較すると弱いと言えるが、ストーリーを補助するためのキャラクターおもちゃである、と結論づけられるであろう。対するゾイドは、ゾイド本体が先にあり、それを補助するためにストーリーが後からついてきているのである。動きや組み立てることを楽しむおもちゃに、どこまでストーリーを絡ませキャラクター化を意識して展開させていくか。省みる際の位置材料となるとなるのではなかろうか。 

 

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