見参!

 

 1999年6月12・13日は、後に記念すべき日ととらえられるようになるかも知れない。

 幕張メッセで行われた「第10回次世代ワールドホビーフェア」は、「機獣新世紀ゾイド」としてゾイドが復活することが大きく発表される場となった。

 小学館のコロコロコミック99年5月号で発表されたゾイドの復活は、翌月6月号で新マンガの連載の開始とともに、より詳しい解説が加えられ、この次世代ホビーフェアに出展することの発表へとつながっていく。

 既にゾイドの復活は各種情報ソースにより確実視されているとはいえ、オフィシャルの更新のない中、我々ネット上にも存在するファンもその真偽を確認する手段は、やはりアナログな足である事を認識させられる。同時に、コロコロ6月号で、新しいゾイドは反乱軍と帝国軍の争いと説明されていたため、旧ゾイドと新しいゾイドにどの程度の違いがあるのかを確かめるのも目的であった。そんなこじつけよりも、ゾイドを見る機会があることがファンにとっては大事なのである。

 会場には、例の半地下式のディオラマ基地が展開されていた。この半地下式のディオラマ基地、もともとは、もっと大きなベースであったのであるが、過去数回のゲームショーにはその一部が持ち込まれていただけだったのである。今回は、そのもともとの大きなベースとなって展開され、覚えていられる数を超えるゾイドが、並べられていた。ちなみにこのベースがゾイド復活に向け初めて用いられたのは、97年春のおもちゃショーにおいてであった。

 ディオラマに展開されたゾイドのいくつかは、リニューアル時のカラーリングに塗装された旧製品と思われる。特に目を惹いたのは紫に塗られたレドラーと、青く塗られたシールドライガー。レドラーは、もともとの赤い成形色部分が紫になっていた。シールドライガーは、もともとの水色の成形色部分が青く塗られていたのである。

 ディオラマの他、いかにも展示品らしく、透明のケースの中で電池で駆動させられていたゴジュラス、ゴルドス、レッドホーン、シールドライガー、いずれも成形色ではなく塗装されたモノであった。ゴジュラスは、ZOIDS2よりもシルバー部分が増えていたが、色使いはメッキではなくより実在の兵器らしい落ちついたシルバーとなっていた。ゴルドスは、旧版の黒の濃淡で表現されたモノから、濃いグリーンになっていた。レッドホーンは、旧製品の濃い赤から黒いメタルレッドといった塗装になっていた。シールドライガーは前述の通りである。これら、B/Oゾイドの横には、ガイサック、バリゲーター、プテラス、ブラキオスがリペイントされて展示されていた。

 同時に透明ケースの中には、再販時のパッケージの参考モデルか、プリンターで打ち出して組み立てたモノが、それぞれのゾイドの隣に添えられていた。プリンターで打ち出されたパッケージは、色が薄いせいか、ゼブルシリーズのパッケージ側面を思わせるモノであったが、メインは旧製品同様ゾイドの写真であった。

 予想外のことは、新ゾイドの対立構造は、ヘリック共和国ガイロス帝国の争いになっていたことであった。既に、我々はコロコロコミックで、帝国軍と反乱軍の対立構造を知ることが出来たと述べたが、会場で配られたパンフレットでは、思わぬ方向に裏切られていた。逆に、こうした対立の方が、両者ともよりミリタリー色の濃い設定が可能となり、いつか来るであろう、テレビアニメ終了後にも、ハードなホビーとしてゾイドの生き残りの道を残すのに良い選択であると考えられる。

 今までのゲームショーと違い、年齢層かなり低いせいか、多くの小学生がゾイドの前に集まっていた。彼らには一人一人スタッフが直接アンケートをとっていた。また、ちょっとした遊び場が設けられ、旧製品が並べられ、彼らが壊さんばかりにゾイドに触っていた。その彼らの目の輝きに、トミーには、ゾイドの鼓動を感じとって欲しいモノである。

 ブースでは旧製品が数種販売されていたらしいが、会場から1時間もしないうちに売り切れたという。これにはトミースタッフも予想外であったと感想を述べている。

 

 

 

 

 

 

 

 

   ホビーフェア公式ガイドブックの一角より。

旧製品のディオラマ写真がネガを裏返して使用されている。

 

 

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ゾイド宣伝ポスターより転載