最新作かそれとも・・・・・

 

 前回1998年秋のゲームショーに続いて、トミーはゾイドのCGムービーを公開することになった。

 

 いつものトミーのロゴの入った丸いバルーンを目当てに、視察団は第5ホールほぼ中央のトミーのブースに向かうことになる。

 ブースには、トミーだけでなく、「トミーエンターテイメント」というロゴがあった。今後トミーはゲームがらみを、トミー本体と別に扱うという意味なのであろうか、この辺りのことは、ゲームについて詳しく述べられているホームページを参照してもらいたい。

 

 前回1998年秋のゲームショー同様、25面のマルチスクリーンの目立つトミーブースでは、「闘魂烈伝」のデモと、お馴染みトミカのゲームが大きく紹介されていた。しかし、表示されていたタイムテーブルに、ゾイドの最新CGの上映時間の表示はなく、ゾイドに対するトミーの真意をつかみかねるモノとなった。

 トミー創業75周年のからみの中で、ゾイドのCGムービーも25面マルチスクリーンで堂々上映されたが、CG目的の視察団は、トミーブースの一角に展開していた、メッセ方面前線基地の上にある3台のモニターにて、繰り返しCGに目を通すことになった。

 

 ゲームショー初日。いわゆる企業向けの公開日の夜、オフィシャルが更新されたことによって、事前にとある所と手を組んでのCG展開が知らされた。そのとある所とは・・・・・・

 

そう帰ってくる「奴等」とはもちろんZOIDSである。既に彼らは、TD2の手によって、インターネット上ではCG展開されているが、そこにガイナックスが加わり、総力結集される。そして、そのプロローグが、今回公開された作品と言うことになる。

 しかし、今回のモノは新作と言うにはモノ足りず、前回公開のを素材に、ビデオクリップに仕上げたというところであろう。そのため、前回のように時間経過的な流れはなく、低音のこぎみいいBGMをしたがえて、全体的にコントラストを上げたうえで、何かのフィルターを通したような映像がコラージュされ、流れを持たず断片的に連なって押し寄せてくるイメージをおこさせるモノである。そのため、展開を言葉で説明するのはむずかしく、逆にムービーとなっていることの長所を生かしたモノになっているといえる。

 ムービーには、サーベルタイガーしかり、ウルトラザウルスしかり、サラマンダーしかり、アイアンコングしかり、「ZOIDS WARS」のほとんど全てのシーンが織り込まれていると言っても良い。もともと、「ZOIDS WRAS」自体が3分ちょっとも短い作品のため、全てを織り込まないと、時間的に足りなと言ってしまえばそれまでである。

 おそらく「ZOIDS WARS」で、もっとも力が入っていると思われる、迫り来る帝国軍部隊に対して火を吹くウルトラザウルスのキャノン砲のシーンは、いくらビデオクリップ的な作りになっていると言う今回においても、十分にシーン全体を堪能させるよう、流れになるようにその前後からじっくりと見せてきている。やはり人気の高いウルトラザウルスを使って、ユーザーの気持ちをつかみたいというメーカーの気持ちの表れであろう。そのためか、今回のビデオクリップでは、最初から最後まで各所にウルトラザウルスがちりばめられているとも言える様な作りになっている。

 

 さて、今回のCGムービーの最後には、パイロットがバイザーをあげて素顔を見せるシーンがある。ヘルメットの形状から、共和国軍のパイロットと思われるが、今回のムービーにあえてストーリーがあるとするのであれば、作りは「戦闘に参加した彼の回想」というコンセプトによっているのではないかと思われる。それも、戦闘後しばらくたってから冷静になって振り返ることができた回想ではなく、今戦闘が終わったばかりのため、印象の強い部分からバラバラに思い出されていると言ったところであろう。今回のムービーを予告編ととらえ、前回の「ZOIDS WARS」を本編としてすぐにも見てみたかったというのが印象である。そんな印象を受けたせいもあるが、今回のムービーは新作ではなく、新作に向けてのプロローグにとらえファンはその動向を待つべきであろう。

 

 さて、今後のゾイドにおけるトミーとガイナックスの提携であるが、ガイナックスがトミーに協力するのは今回がはじめてではない。1998年秋にトミー・ホビー事業部から再販されたサバイバーショットに続いて2度目である。彼の提携では、完全に再販が意識されそれを結実させているが、ゾイドではどこまで再販に結びつくのか想像しづらいモノがある。

 ガイナックスの強みはやはりソフト面である。その意味では、新しいゾイド・バトルストーリーをCGで作るための提携ととらえるのが良いのかも知れない。既存のゾイド・バトルストーリーにとらわれず、新しい設定、新しいキャラクターで、全く新しい物語を作っていく。そんな考え方が良いのではないであろうか。

 ゾイドはもともとからストーリーを持っていなかったことは、既に何度も触れられていることである。ストーリーを作ってそれにあわせて遊ぶのもゾイドの遊び方の一つととらえるのであれば、新しい時代に向けて、ゾイドというおもちゃを使って、全く新しい世界観を作るという新しい遊び方が作られたと考え、それを補うために本体の再販が必要である、という方向に流れがたどり着いてくれることを願いたい。

 ムービーの最後に、例のごとく詳しいことはオフィシャルを参照するよう出たが、最近の更新ペースでは、心許ないのも事実である。

 

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