新しい遊び方の提案
トミーブースのメインステージとは別に、ゾイドのコーナーの一角には、ミニステージが設けられ、ここでは、ゾイドの新しい遊び方の提案があった。
10時40分頃から行われたのが、「ライン際で止めろ! モルガチキンレース」である。適度な回数ゼンマイを捲いて、一定の位置にモルガを確実に停止させ、最も近かった者が勝者という遊び方である。競技は、透明のアクリルで作られた5段になったレーンで行われた。既にこの日の段階で、大阪で1回、東京の土曜日で1回、都合2回行われていたため、ドクターTからは、およそ5回ほどゼンマイを捲くのがよい、とか、ゼンマイの捲き軸ではなく本体側を回すことで確実に何回捲いたかわかるようにさせていたとか、これまでの参加者の勝因のいくつかが紹介された。歩行ではない、車輪駆動をするモルガの特徴を生かした、遊び方の紹介であった。
そのおよそ2時間後に行われたのは、「ドクターTの記録に挑戦チャレンジ! ZOIDS早組みタイムトライアル」である。小型のゼンマイゾイドをいかに短時間で組み立てられるかを競う競技である。この日お題となったのは、ヘルキャットであった。まずは、ドクターTとコマンダーOが試技を披露。この時は、少々手こずりながらもドクターTが勝利を収めている。少し遅れてコマンダーOもヘルキャットを組み上げた。ここでドクターTから言葉が加えられた。「ゾイドだから組み上げただけではダメ、しっかり動いて初めて完成」とのこと。さて実際に動かしてみると、ドクターTのヘルキャットはしっかり前進し、ここで初めて記録が認定されることになる。コマンダーOは、タイムトライアルではドクターTに負けているので、勝利はあり得ないが、もしここでヘルキャットが動かなければ、記録は無効となってしまう。ところが、コマンダーOのヘルキャットは、後退してしまった。確かに、ヘルキャットは、パワーユニットが裏返ったら上手くパーツが組み上がらないような措置は施されていないので、こうした組間違いはやってしまいかねないこと。敢えてやったことなのか偶然なのか、ヘルキャットの特徴を生かした良い試技であったと思える。
さて、実際の参加者の競技は、ドクターTから一つ提案がされた。ヘルキャットの場合、足の先のパーツが左用の#14と右用の#17では、形状も似通っていて、左右間違えると手間取ってしまうことから、#14パーツは#12パーツと#13パーツに、#17パーツは#15パーツと#16パーツにそれぞれゴムキャップで止めた状態で競技することになった。よって、参加者は、まず説明書を広げ、一部パーツの組上がったヘルキャットの全てのパーツを自分のやりやすいように並べ直してから挑戦することになった。
こうして、ゾイドの新しい遊び方が提案されたのであるが、改造をメインにしている者には、系統の違いがあることから戸惑いを隠せないのは否定できない。しかし、ゾイドが、単なるキャラクターおもちゃではなく、遊び方は自分で考える遊びの素材であるならば、今回提案された遊び方はアリなのかも知れない。