Slither

日本名モルガ

 

 ZOIDS2に焼き直されたゾイドの選択基準が何であったのか?

 不思議なことに、という表現が適切かわからないが、ZOIDS2には、重装甲スペシャルよりも、580円シリーズの方をラインナップに加わっているのは、注目する必要があると思われる。Slitherは、その例外にない、580円シリーズから焼き直された一つである。

 

 もちろん釣り下げ部分の無いパッケージ。狭いスペースに、押し込められている部品群といった印象は否めない。時として、厚みの増したパッケージを用いた重装甲スペシャルと比較した場合、全て同じ大きさのパッケージに納めやすい580円シリーズでラインナップを構成することで、ZOIDS2シリーズとしての充実度よりも、費用対効果の方が考えられたのかも知れない。

 

 メッキが使われているのは、胴体中央、パワーユニットを取り囲むように設置される装甲部品を主とするランナーパーツである。もともとのオリジナルのモルガでは、このランナーパーツもメタリックシルバー系の成形色が用いられ、全体として装甲、というイメージが出来るような部品構成になっていた。残りの車輪を中心とするランナーパーツは黒が用いられ、黒から、メタリックシルバー、メッキシルバーと、カラーのない光りの明暗でのみ構成された胴体は、脱色の不気味さを出すのには貢献しているかも知れない。だが、そこに貼られる赤いシールが、ユーザーを色のある現実に引き戻し、バランスの悪さを感じさせてしまっている。もともと、成形色のみで、本体と装甲とを考慮して作られているゾイドに、後からランナーパーツごとに色を変えただけの構成にしてしまっているZOIDS2であるため、どれも安っぽさを感じさせてしまっているのは、残念でならない。

 当たり前であるが、動きは変わることはないので、パワーユニットから繰り出される独特の動きは、それがZOIDSである証となっている。