ゴルドス

重装甲強行偵察機械獣

Gordos

共和国

型式番号

RBOZ-004

シリーズ

B/O

タイプ

<恐竜型>

発売

1984年7月〜1987年9月

全長

30.3m

定価

3000円

全高

15.1m

オペレーション

バッテリー

全幅

9.3m

ライト点灯

重量

199t

使用電池

単2×2

最大速度

80km/h

部品点数

86(使用しない部品を含む)

乗員

2名

ゴムキャップ

B(黒)40個

搭載ビークル

主成形色

ブラック・ライトグレー・

主要目的

偵察・後方支援

キャッチフレーズ

強行偵察用に改造された巨大メカ

強行偵察用に改良された巨大メカ(1987/2以降)※1

ギミック

4本足で前進、口を開閉しながら首を左右にふり、背中の銃を上下に動かします。

 

口を開閉しながら首を左右にふり、背中の銃を上下に動かして前進(1987/2以降)

その他

最後の掲載となる1987/9現在のカタログにギミック紹介は割愛されます。

装備

装備名

搭載数

特徴

105mm高速キャノン砲

2

背中の左右に装備

パノーバー20mm対空ビーム砲

2

銃座式マクサー30mmビーム砲

1

20mmビームランチャー

1

マクサー50mm砲

2

MAD磁気探知機

全天候3Dレーダー

その他多数レーダー装備

特徴

強行偵察を主とするメカで、以前は輸送を主としていたが、地球人の手により改造された。強行偵察用として多種のレーダーを装備する。そのために重装備となり速度、行動範囲が犠牲となり、敵の単なる標的となることもあったが、その能力は大きかった。又、改造型として強襲揚陸型もある。

掲載バトルストーリー

「ゾイドストーリー」

その惑星では、金属生命体「ゾイド」が驚異の進化を遂げていた。時代は地球人類が太陽系進出を果たして、恒星間飛行を目指す大航海時代に入った頃・・・・・太陽系の全く正反対の位置に、太陽系とそっくりなゾイドゾーンが発見された。

惑星ゾイドは地球によく似た大気を持ち、金属鉱脈の露出が多い星だ。そのため、金属イオン濃度の高い海に誕生した生命は、色々な進化を経て、爬虫類型、昆虫型の金属細胞を持つ生物となった。金属生命体「ゾイド」の出現である。また一方では、進化の途中で枝分かれし、独自の発展の末、知的生命体である「ゾイド星人」も誕生した。

後にゾイド星人は、共和国側、帝国側に二分され勢力争いが始まった。そして両陣営は、ゾイドを主要武器である戦闘獣へと改造していった。そして今、飛来した地球人の手により、ゾイドは更に改良され戦闘能力も強化されて、注目の「メカ生体・ゾイド」となっていったのである。

※1 おそらく単なる「改造」と「改良」のミスが原因と思われる。

 


 ビガザウロ登場からおよそ1年半後に登場した、ビガザウロ級の最終号機。

ビガザウロと同じ駆動系と全く同じパワーユニットを用いて、ステゴザウルスを表現したゾイド。パワーユニットをのぞき、キャノピー、ウエイトをた含め38もの部品がビガザウロと共通である。

 ビガザウロは、前肢と後肢の長さが同じであるため、実在する(実在した)生物に直接的なモチーフを探すことが出来ないため、「母船型」となっていた。対するゴルドスは、同じ駆動系を用いながら、「ステゴザウルス」を表現するために、足にプロテクターのようなパーツを取り付けることで、か細い足をデザイン的に、太く力強いモノにしようとする努力がされている。また、この類の四足歩行恐竜の大部分は後肢が前肢に比べて長いのは当然のことであり、それを表現するため、後肢の足の裏に、上げ底パーツがかまされている。

 胴体の左右には高速キャノン砲が取り付けられ、足のギミックパーツに連動して、左右交互に上下するようになっている。左右交互の動きは、明らかに足の動きに連動している。生物的連動は、どこと無くタイミングがずれていたり、少しずつ前の動きを追っかけているように見えることを考えると、ギミック的には限界あるとは言え、明らかなる足の動きへの連動は、いかにもメカメカしく見えてしまうのは、仕方のないことかも知れない。

 繰り返しているとおり、ビガザウロと同じ駆動系を用いているが、ビガザウロより太い首と、太い尻尾部品、そしてステゴザウルスの特徴である背びれのおかげで、ビガザウロよりも一回りほど大きなゾイドに仕上がっており、大きなおもちゃが動く、という魅力につながっている。もちろん、その大きな尻尾は、やはりビガザウロと同じように第5の足となるような構造になっており、先端部分には銃座に隠されたウエイトがしっかり取り付けられている。

 しかし、このためにとにかく重たいという印象は拭えない。単2電池2本を用い、バランスを取るために更にウエイトをもち、ビガザウロ以上にパーツの多い機体は、強度は増していないまま重量のみ増加しているというのは避けられない事実である。B/Oゾイドのいずれにも言えることかも知れないが、取扱には、かなり気を使う方のゾイドである。

 ゴルドスのコクピットは、注目しなければならないアイディアがこらされている。ビガザウロのために開発された、A-6イントルーダーをモチーフにしたキャノピーを、ビガザウロと前後逆に取り付けることで、あのゴルドスフェイスを表現しているのは、称賛に値する。この結果、ビガザウロとゴルドスの共通部品の点数を稼ぐことになり、開発と生産にかかるコストが節減されていることがうかがえると言える。その証拠は、ランナー部品点数49のビガザウロと、ランナー部品点数86のゴルドスの価格差がたった200円という結果に反映されていると言えるかも知れない。

 

 ここで、ゴルドスを例に、トミーのゾイドシリーズの長期戦略について考えてみたいと思う。

 ゴルドスは、何度も繰り返しているが、ビガザウロ級の駆動系を用いてステゴザウルスを表現しようとしたゾイドである。そして、そのために、後肢の足の裏に上げ底パーツを用いているのである。上げ底パーツを取り付けるために、足の裏には2本の取り付け軸がのびている。では、この足の裏の取り付け軸は、いつから着いていたのであろうか? ということである。この2本の取り付け軸がなければ、ゴルドスの上げ底パーツは取り付けることが出来ないので、ビガザウロと同じ駆動系を用いて、別のゾイドを表現することは出来なかったと言える。マンモスでは、前肢に上げ底パーツをかまして、ビガザウロと同じ駆動系(パワーユニットは異なる)を用いてマンモスを表現している。これがもし、当初ビガザウロが発売された1983/2時点で、後に何らかのゾイドの発売は既に計画されていて、それを見越して足の裏に、2本の取り付け軸を最初から取り付けられていたのであれば、いかにトミーがゾイドを長期的な戦略で考えていたかがうかがえるのではないかと思える。

 もう一つ注目しなければならないのは、背びれである。アンテナとなる背びれは、左右交互に前後するようにとりついている。各背びれ部品は、本体への取り付けのため、部品のほぼ中央に取り付け軸がのびている。このため、背中部品の穴の位置が交互にずれることで、左右交互にずれる背びれが表現されている。

 ところが、腰の真上の左側背びれ部品(No.61部品)は中心より後ろよりに、右側背びれ部品(No.62部品)は中心より前側に取り付け軸が着いている。結果、左右で交互になる背びれを表現するため、背中のとりつけ穴が前後に対して水平になっているのである。これが何を意味するかというと、この背びれの取り付け穴が、前後に対して水平になっていることで、後に発売される、共和国軍改造セットのゴルドス用アタッチメントを介した、長距離キャノン砲とエネルギータンクの取り付けが可能となると言うことである。もし、この取り付け穴が前後に対して水平でなかったとすると、ゴルドス用アタッチメントはもっと複雑な形になっていたかも知れず、スマートな強化型のゴルドスは表現できないことになる。また、それだけのスマートさを失うのであれば、ゴルドス用アタッチメント自体が作られなかったかも知れないのである。

 この共和国軍改造セットが登場するのは1987年である。1984年のゴルドス新発売時に、すでに、この改造セットのゴルドス用アタッチメントを想定してこのような背びれ取り付け穴が決められていたのであれば、やはり、この点からもトミーがゾイドを長期的戦略の上に、展開していたかがうかがえると思われる。

 なお、現時点(1999/11)では、これらがもともとから長期戦略をふまえての設計であったことは推測に域を脱していない。

 

 

マンモスを護衛に、偵察行動中?

共和国軍改造セットパッケージより転載