装甲巨神Zナイト・ストーリー story

 

2998年 火星惑星国家キルナは、

ブルースターヘの振興を開始した。

 1991年。21世紀に向かって、カウントダウンを開始した地球人類。しかし、50億人が住むこの地球の命運を知る者は、まだ一人もいなかった。ただ、静かに進むアルプス氷河の溶解、エルニーニョ現象、異常なまでの温暖化、そして300年の眠りから目覚める火山たち。ひとつひとつが独立しておきている現象に見えるが、やがて、すべてが一本の糸で結ばれるときがくるのであった。

 

 惑星国家キルナ2600年。人類は“ブルースター”をすて、火星に惑星国家キルナを創建した。ただし、この国家に住めるのは独裁者と金持ちなど“選ばれし者”、そう特権階級のみであった。地球は、すでに大気が汚染され人類の住める星ではなくなっていたのだ。しかも、彗星衝突の危機にさらされていたのである。見すてられた人々は、7つのユニオンをつくり自らの星を守り続けることを誓った。彗星衝突の時は容赦なく迫っていた。

 

 ブルースターの復活と宇宙嵐。思わぬことが起こった。彗星はたしかにブルースターに衝突したが破壊をもたらすかわりに、汚染しきっていた、ブルースターの大気を吹き飛ばし、太古の清らかな姿に戻してくれたのだ。さらに、2997年、宇宙嵐が生んだ太陽風は全ての汚染源を大気圏外へ運び去ってしまった。ブルースターは完全に復活した。

 だが、この太陽風は、火星の惑星国家にとっては神風にならなかった。火星に接近した太陽風は巨大なエネルギーのかたまりと化しキルナに襲いかかった。先進の技術で造りあげた都市国家は無残に押しつぶされ、生存のための人工大気を、宇宙の彼方へ吹きやったのだ。もはや、キルナは死の国家となった。

 

 独裁者ギスカール大統領。もとよりキルナの“選ばれし者”たちは、ブルースターの復活を知っていた。だが、その星は身勝手に見捨ててきた星である。キルナのギスカール大統領は、ブルースターヘの帰還を決意するが、それは共存を望むものではなかった。キルナ宇宙艦隊が編成された。司令官は将軍ゼルダンである。ゼルダンに下された命は、火星とブルースターの中間に位置するアトランティス軌道ステーションの占拠であった。かつての火星移住計画の拠点を、今度は、ブルースター征服の拠点にしようというのだ。

 

装甲巨神マリンカイザーを奪還せよ!!

キルナ宇宙軍バトルアーマー

VS装甲巨神Zナイト

 キルナ宇宙軍のゼルダン将軍は、ブルースター征服作戦のためにバトルアーマーの精鋭部隊を編成した。

 ダーク特殊攻撃隊、レギオン地上戦闘部隊、ドムル勇撃隊である。その攻撃目標は、ノーザランド、ブリードキングダム、ヤマトであった。

 キルナ宇宙軍バトルアーマー部隊によるブルースター侵攻作戦が始まった。ゼルダンは、自らダーク特殊部隊を率いてブリードキングダムに向かった。その目的は、装甲巨神マリンカイザーの奪取であった。金属生命体により無限のパワーと永遠の生命をもつ装甲巨神を手にいれることこそ、ブルースター征服の近道であったのだ。

 

 ゼルダンの作戦目標は、あと2つある。ひとつは、ブルースターの軍事拠点、ノーザランドのノーザナイツ地下基地である。ドムル勇撃隊が、その任務にあたりすでに作戦を敢行、地下基地に迫りつつあった。もうひとつは、レギオン地上戦闘部隊によるヤマトの制圧であった。一方、ブルースター連邦軍のオーディン指令は、ノーザランドに眠る装甲巨神Zナイトを目覚めさせ、セカンドと呼ばれる特殊能力をもつ一人の兵士に、装甲巨神マリンカイザーの奪還作戦を指令した。Zナイトはブリードキングダムに向け発進した。そのコックピットには、その兵士、ランス中尉の姿がみえた。

※Z-KNIGHT取扱説明書より転載

 

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