高機動ウイング-3 wings-3

 

動きの取り出し

 ゼンマイゾイドの歩行以外のギミックの取り出し口として、ゼンマイの捲き軸を利用するのはゾイドの特徴の一つです。今回も、ここから動きを取り出すことにします。

 もう一つのゾイドの特徴として、一般的なプラモデルよりも各パーツの肉厚が厚いことが言えます。特にギミックにかかわるパーツは、それぞれおよそ1.5mm程の厚さがあります。これは、おそらく安全性を考慮して、必要な強度を確保するための結果であると思います。でも、この特徴がギミックの追加改造を容易にしてくれています。右の図のように、パワーユニット(ゼンマイ)と歩行ギミックパーツの間に出来るこの1.5mmの厚さの中に、ギミック部品を仕込むことが出来れば、ゾイド本体に大きな改造を加えずとも、つまるところ既存のギミックに影響させることなく新たな動きを追加することが可能となります。

 1.2mmと0.3mmのプラ板を張り合わせ、1.5mm厚を確保します。実際には接着剤の分だけ厚みが増すことを考慮しておきます。このプラ板を直径12mmの円形に切り出します。円形に切りだした後に、接着剤の厚みの分サンドペーパーで薄くします。

 切り出したの中心をずらした位置に穴を開け、ゼンマイの捲き軸に接着します。これが動きを取り出すカムになります。カムは、接着する前に、何度もフレームパーツとの仮組みを繰り返し、大きさを調整します。その大きさはフレームにぶつからないながらも、出来るだけ大きな円にします。

 カムの接着位置は、ゼンマイがほどけたときにどの位置にくるかを考慮して固定します。ゼンマイがほどけたときは、保管状態、ということになります。完成後にギミック部品がどのような位置にあるときに保管すべきかを考慮しておきながら、カムの取り付け位置を考える必要があります。

 今回は、画像のような位置に固定しました。パワーユニットを水平においたときに、気持ち後ろ側に傾いた位置を固定位置にしました。

 

 フレームパーツを加工します。

 加工するフレームパーツは、左側のみです。フレームパーツの実際にパワーユニットを支える部分で、画像の緑色の範囲の部分を削り取りました。削り取った部分は、取り付けたカムの動きを外部に導くための別のギミック部品の通り道になります。

 ここまで加工した部分を仮組みしてみます。

 もちろんこの状態で、稼動に問題はありません。取り付けたカムはどこにもぶつかることなく回転します。また、フレームパーツの一部を削り取ったとはいえ、パワーユニットを支えるのには支障ありません。

 いきなりギミックパーツを作るわけには行かないので、今回は、まず試作品を作ってみました。

 1.2mmのプラ板を幅およそ4mmにして、適度な長さに切ります。その上で、3mmのプラ棒をネジで固定しました。一部幅3mmになるようにけずります。これで、とりあえず試作品の完成です。

これを、フレームパーツにもともとから空いている穴に差し込みます。この時、穴とパワーユニットでは段差があるので、ここではプラスチック製のワッシャーを2枚重ねることで、段差を埋めました。そして、裏側から、内径3mmのポリジョイントを輪切りにして留めました。要は、足をゴムキャップで留めるのと同じ要領です。ギミック部品を抜けないようにするわけです。

 これでテストを行い、実際のギミック部品をどんな形にすべきかを検討します。 

 

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