ゴジュラス・ゴールキーパー

首都防衛用重砲型

Gojulas GoalKeeper

共和国

型式番号

RBOZ-003-R-Kx

シリーズ

B/O

タイプ

<恐竜型>

発売

-

全長

34.2m

定価

-

全高

21m

オペレーション

バッテリー

全幅

20m

ライト点灯

重量

306t

使用電池

単2×2

単3×2

単5×2

最大速度

45km/h

部品点数

-

乗員

1名

ゴムキャップ

B

搭載ビークル

主成形色

ホワイト・ブラック・ジャーマングレー・ブラックグレー・ニュートラルグレー・ブルー・レッド

主要目的

格闘戦

キャッチフレーズ

首都を守る対デスザウラー用の決戦メカ

ギミック

首を左右に振り、口を開閉、両腕を上下にしながら前進する。さらに、ガトリング砲を回転させます。

その他

-

装備

装備名

搭載数

特徴

大口径ガトリングキャノン砲

2

長距離キャノン砲に用いる弾丸を連射させるために開発されたガトリング砲方式の兵器。ただし、構造強度と保有段数の関係から、実戦では4点バーストで使用されるように設計されている。

長距離キャノン砲

4

両腕に2門ずつ装備。

特徴

 第2次中央大陸戦争にデスザウラーが投入されたことにより、共和国軍は、戦線を少しずつ後退させていた。このため、共和国軍は、来るべき決戦に備え、対デスザウラー用決戦兵器として、ゴジュラスの改造を決定した。

 この時期は、未だデスザウラーの能力は共和国軍の知るところではなく、デスザウラーの最大兵器が何らかのエネルギー兵器であることは判明していたが、荷電粒子砲であることは判明していなかった。後に対デスザウラー用ゾイドとしてデビューするマッドサンダーは、構造露出のあるウルトラザウルスに代わる、厚い装甲を持った次期作戦指揮機として、机上論議が始まろうとしていた時期でもある。

 ゴジュラ・スゴールキーパーは、当時共和国軍最大威力を誇る兵器である長距離キャノン砲に使用される弾丸を、少しでもたくさん発射することを目的としていた。開発はゴジュラスMk-2量産型をベースに始まった。まず、全ての構造部品を装甲と同じ材質の鋼材に変更し強度確保、全ての小火器を排して、長距離キャノン砲弾を撃ち出す兵器のみに限定している。

 背中のガトリングキャノン砲は、長距離キャノン砲弾を連射することを目的としている。ただし、構造の強度と保有弾数関係から、4点バーストとして機能するように設計されている。また、連射機能を優先していることから、有効射程距離もおよそ30%程短くなっている。

 この短くなった射程距離を補うために、両腕に左右2門ずつ合計4門の長距離キャノン砲を装備することになった。

 当初、ゴジュラス・ゴールキーパーは、36機が生産される予定であった。しかし、デスザウラーの最大兵器が荷電粒子砲であると判明したこと、共和国軍が最悪の場合の最終決戦を首都徹底抗戦から首都を放棄するトンネル作戦に変更する事を決定したため、ゴジュラス・ゴールキーパーの製造は9機で打ち切られた。

 

 ゴジュラス・ゴールキーパーは、デスザウラーを迎え撃つことを目的としていたため、わざと明るい目立つ塗装が施された。敵から目立つことで、攻撃を自分に集中させ、敵の側面から他の部隊に攻撃をしかけなどの作戦が立てられたからである。これに伴い、完成した9機は、それぞれ異なる目立つカラーリングがされている。このカラーリングのおかげで、第2次中央大陸戦争終了後の復興期には、各地の基地祭で人気を集める事となる。

 

 なお、本機は生産された9機のうちの8号機である。完成したゴジュラス・ゴールキーパーは、もともとカノントータスを配備していた首都防衛用の重砲隊に配備された。熾烈を極める最前線から、ゴジュラスに載り慣れたパイロットを引き上げることで、前線を維持できなくなることを避けるための措置である。

掲載バトルストーリー

-


 こうして、初めてやってみた、ゾイド改造の王道である武器追加系改造。ただし、本体は全くいじらずに、装備する武器を改造しただけです。過去の改造コンテスト出品作品を見てみますと、デスザウラーの手足をつけたジェノザウラーとか本体をいじった上で更に武器を追加すると言うことが行われていたのも目にしているので、それと比較すると、かなりこじんまりと無難にまとめた完成になっているのではないかと思います。つまるところ、インパクトに欠けると言うことです。目立ち度、という点では、他のギミック改造とあまり変わらないできかも知れません。

 

 そもそものアイディアは、長距離キャノン砲でガトリング砲を作ってみたい、というところから始まっています。それを思いついたきっかけが、田宮の遊星ギアセットが売っていることに気付いたときです。1996・7年ごろだったと思います。東急ハンズで見つけました。円筒形のギアボックスがそのまま砲塔にすることに耐えられるであろうと思ったからです。当時は、まだゾイド再販が全く決まっていない時代。手元に「共和国軍ニュー改造セット」がいくつかあったので、砲身の数の確保は出来るであろうと思っていましたが、さすがにそれだけの数のモノをつぶす勇気もなく、当初は、右肩のみのガトリング砲を装備したゴジュラスを作って、そこに設定を与えようと考えていました。そして、もう一つの問題が、私のゾイド観です。私にとってゾイドとは、一つのモーターからあらゆる動きを取り出すモノ、なので、ゾイドに、パワーユニットの他にもう一つモーターを搭載することにものすごい抵抗感があり、なかなか改造に踏み切れずにいました。

 そうこうしているうちに、ゾイド再販が決定し、ゴジュラスが発売され、長距離キャノン砲も「ゴジュラスキャノン」として発売されたことから、再度改造を考えはじめました。そして、最終的に改造する気になったのは、Yoshiさんの「アポの世界」の中にあるシュバルツ専用のアイアンコングの改造で、ビームガトリングキャノンにモーターを仕込んでいるのを見たときに、ゾイドにモーターを追加するのもアリなんだな、と感じたことと、トミー本体からもデススティンガーという、モーターを2個搭載したゾイドが発売されたことで、ゾイドにはモーター一つ、という概念にとらわれる必要はないと思うことが出来たからです。

 

 作業をはじめるにあたって、まず最初にしたのは、ゴジュラスの足の裏に、車輪を仕込むことでした。Z-Knightと同じように、かかとのあたりに車輪を入れようとしたわけです。ところが、ゴジュラスの場合は、尻尾にある補助輪が歩行に大きく影響しているため、脚と車輪と補助輪の3つの関係が上手くかみ合わないとバランスがとれないことがわかり、作るだけ作っておいて、使用はやめました。結局この部分は、トミーよりパーツを取り寄せて、無改造での使用にしました。

 次にはじめたのが、腕に持たせる長距離キャノン砲の連装化。まず、軸を削り取って、方眼紙に当てながら寸法をとって、図面にして、その上でプラ板を切り出していきます。片側だけであれば現物あわせでもかまわなかったでしょうが、左右に作るので、同じモノを作る必要があり、先に図面を引くことにしました。最終的には現物あわせで微調整した部分もありますが、こうした左右対称のモノを作るには、先に図面を引くべきだと思います。

 ガトリング砲の方は困難の連続。

 ガトリング砲と言うことで、当初は6砲身を考えましたが、あまりに太くなって見栄えがしないと思ったので、4砲身にしました。で、実際にどうやって4砲身を束ねるかでずいぶんと苦労しました。最終的にはエヴァグリーンの角パイプを用いましたが、プラ角棒とプラ板で支柱っぽく造るべきかとか、色々試しましたが、あまり見えない所だとわかったので無理した形にこだわらず、強度と組立易さのみを考えることにしました。

 束ねた砲身をどうやってモーターにつなげるかでまた問題が・・・・・。保管とある程度のメンテナンスを考えた場合、分解できることは最低限の条件となるため、分解しやすく確実に止まる方法、という事から、田宮のラダーチェーンセットのスプロケットを用いることにしました。止め方にしても、当初は、ポリキャップを複数組み合わせてホールド力の確保をいろいろ考えたのですが、結局パテを接着剤がわりに、強引に止める方法にしてしまいました。エポパテを使った関係で強度は得られたのですが、あまり賢い方法とは言えないと思います。

 遊星ギアボックスと砲身をつなぐ方法が決まったので、今度はここをどうやって隠すかが問題となりました。100円ショップでやっと見合う大きさの容器を見つけそれを用いました。

 遊星ギアの後端にあるモーターをどうやって隠すかも手こずりました。当初はフィルムケースのような円筒形のモノですっぽり覆ってしまおうと考えていたのですが、その後そこに装飾する自信がないことに気付いたので、余ったもとからのゾイドのパーツを使うことにしました。ところが、これがモーターの寸法とギリギリの大きさだったので、微調整に苦労しました。

 本体への装備。ゴジュラス側の方は既にマウントがあるので問題ないのですが、ガトリング砲側は、しっかりと強度を確保できる装備方法であり、その上で見栄えの悪くない方法が必要です。当初から、もとの長距離キャノン砲の支柱を2つずつ使うことは念頭にありました。しかし、取り付け方法は、行き当たりばったりだったのですが、思わぬ所で寸法が合ったことで、助かったと思っています。

 モーターへの電力の供給。ガトリング砲なので、使用弾数が多いので弾倉を持ち歩くイメージにはしたかったのですが、その弾倉とガトリング砲の間の弾帯をどうするかが問題となりました。これを可能にするために、断面が長方形になるパイプをプラスチック・金属問わず素材を探したのですが見つかりませんでした。そこで、エヴァグリーンの角パイプを張り合わせて、ほしい形にすることにしました。今度は、それをどうつなげるかでまた問題となり、板状に束ねられたコンピューター用のケーブルを芯にしようとまた探し回ったのですが、思うようなモノが見つからず、ラダーチェーンを組み合わせること気づいたのです。ラダーチェーンの使用は、実は弾帯に使おうとしたのが先のアイディアで、そのあまったスプロケット部品があったので、ガトリング砲の基部にラダーチェーンのスプロケットを使うことになった訳です。

 弾帯の確保が出来れば、今度は弾倉。当初はウェーブのタンクパーツを用いる計画でしたが、ここには単5電池のボックスが入らないのです。そこで、たまたま立ち寄った模型店でガンダムのパーツで使えそうなものを見つけたので、そのまま用いることにしました。やり方として安易だなとは思いますが、アイディア面でもう息切れしていて、それ以上の考え直す気が出なかったです。

 こうして、弾倉を電池ボックス、弾帯をケーブルにしての電力供給に成功しました。

 そんなこんなの、問題をクリアして、やっと形になったわけです。改造作業中、毎週のように模型店やその他で、新しい素材を探しながら作業を進めたので、ものすごい時間がかかっています。

 

 塗装はどうするかいろいろ考えました。首都防衛用の機体、ということで、あえて敵から目立って、自分に攻撃を集中されるような機体にしては? と思い立ち、それならオーソドックスにゴジュラスMk-2量産型に準じたカラーリングにしようと決めました。先に名前を「ゴジュラス・ゴールキーパー」にしたので、ゴールキーパーという名前からも、他のメンバーと違うユニフォームを着ているということも含め、わざと目立つ塗装にたどり着いたということもあります。 

 以前から、ゴジュラスの脚の装甲に明るい色を塗ってみたかったので、赤にすることを先に決めました。その上で目立たせようと反対の脚を青にして、そこに星をあしらうことにしました。せっかくだから、星条旗をモチーフにして、赤い部分はストライプにしようとも思いましたが、それではアメリカ軍の記念式典用のゴジュラスになってしまうと思ったので、赤にも青にも星をあしらうだけにしました。同じ考え方を長距離キャノン砲にも用いました。

 星マークは全てデカールです。手持ちの航空機用デカールやAFV用デカールをずいぶんと使いました。特に、航空機用デカールの場合、アメリカ軍の国籍マークから星部分だけの切り抜いて使っているものもあります。このため、実物では、星の色が必ずしも「白」ではない部分があります。一部画像でもばれているとは思いますが・・・・・・

 目立たせるという考えのもとで、両腕の長距離キャノン砲の砲身に派手なマーキングをすることにしました。

左側は、上がチェッカーと部隊章。下が鷹をモチーフにしたデザイン、それに部隊番号と機体番号、そして「ARMY」の文字。ゴジュラスですから陸軍の所属ですね。本当は、「ARMY」は黒字にしたかったのですが、手持ちには白と黄色しかなかったので、黒いデカールをシート状に貼ってから、更に「ARMY」と貼りました。

右側は、上がシャークマウスと部隊番号、機体番号、「ARMY」の文字。下がライトニング模様と部隊章。

あえて、4本とも同じマーキングにならないようにしました。もちろん、おのおの砲身の裏側にも対称になるように同じマーキングがしてあります。ただし、文字と部隊章については、外側だけで内側にはマーキングしていません。

 ゴジュラスMk-2量産型という白いボディーだったことから、アメリカ海軍のハイビジ塗装をイメージしてみました。実際使ったデカールも、手持ちのアメリカ海軍機のデカールがほとんどです。シャークマウスや部隊章、もちろん「ARMY」の文字は、海軍機以外からもってきています。

 ちなみに、これにあわせて、ガトリング砲の基部にも「ARMY」と入れました。

 こうして考えてみると、ゾイド、特に共和国軍ゾイドにとっては、マーキングしやすいような平面は少ないので、長距離キャノン砲は、円柱とはいえ、マーキングを楽しむには良い平面なのかも知れません。

 今回、ゴジュラスMk-2量産型の白いボディーを利用した派手なマーキングをやってみて、アメリカ海軍のハイビジ時代の機体の様な、ゴジュラス・マーキングコンテストなんてのもやってみたいなと思いました。現在は、ロービジ塗装が主体となり、ゾイドもロービジ塗装や迷彩塗装がされることが多いですし、リアルさを出そうとすると、森林迷彩、砂漠迷彩となることが多いようです。そこをあえて、ハイビジ。誰か続いてくれませんか? 一応設定上、ゴジュラス・ゴールキーパーは機体ごとに色が違う、って事にしたのは、それを狙ってのことなんですけど。

 派手なマーキングもさることながら、かなり細かいマーキングも根気よくやったつもりです。画像では、見えにくいですし、かといって、全て説明するわけには、行かないですが、見えないながらも何かが伝わればなと思います。画像からはわかりませんよね。こうなると、もうやったという自己満足の世界。でも、模型を作る楽しさって、そこですよね。パイロットのヘルメットへのデカーリングも一緒、自己満足です。

  

 

 そんなんで、塗装が始まってからデカールを貼って、トップコートを吹くまで、3ヶ月ほどかかっています。このため、前半と後半でデカールの貼り方が異なっています。異なっているといっても技法上の問題なので、画像ではわからないのですが、実物を見るとわかります。要は、後半の方が、シルバリング対策がよりしっかりされるようになったという事です。

 

 長距離キャノン砲で、ガトリング砲を作りたい、から始まった今回の改造ですが、これにあわせて、思い切って長距離キャノン砲以外の装備を省きました。腹部の連装砲も、尻尾の後ろ向き装備もありません。こうして、機体の使用目的を限定することで、ソフト面のリアリティーを狙ってみました。後で思ったのですが、必要のないハードポイントは切り取った方が、よりリアリティーがあったかも知れません。

 

 今回のゴジュラスは、改造をスタートさせてから実際の完成まで、半年近くかかってしまいました。さすがに、途中で飽きはじめてしまって、このまま完成させられるだろうか、ずいぶんとあせりました。無事完成出来て、本当に良かったと思っています。

 

 

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