ゴジュラス・ロングウォーカー |
超巨大巡航型陸上戦闘機械獣 |
Gojulas LongWalker |
共和国 |
型式番号 |
RBOZ-003-E2 |
シリーズ |
B/O |
タイプ |
<恐竜型> |
発売 |
- |
全長 |
26.0m |
定価 |
- |
全高 |
21m |
オペレーション |
バッテリー |
全幅 |
20m |
ライト点灯 |
有 |
重量 |
268t |
使用電池 |
単2×2 |
最大速度 |
65km/h |
部品点数 |
- |
乗員 |
3名 |
ゴムキャップ |
- |
搭載ビークル |
有 |
主成形色 |
- |
主要目的 |
格闘戦 |
キャッチフレーズ |
格闘戦の得意なスーパーヒーローに、長期間の作戦能力を付加した改造メカ。 |
ギミック |
首を左右に振り、口を開閉、両腕を上下にしながら前進する。更に、背中のキャノン砲とクレーンを上下に動かし、カタパルトを旋回させます。 |
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その他 |
- |
装備
装備名 |
搭載数 |
特徴 |
パノーバー20ミリ |
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対空ビーム砲 |
4 |
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マクサー30ミリビーム砲 |
4 |
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76ミリ連射砲 |
4 |
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中距離キャノン砲 |
1 |
背中の右側に装備 |
クレーン |
1 |
背中の左側に装備 |
カタパルト |
1 |
右腰部に装備 |
特徴
単独での行動、局地戦での肉弾戦を得意とし、与圧式のコックピットを備え、厳しい環境下での作戦行動も可能であるゴジュラスに、長期間の作戦能力を与えた改造機である。
共和国軍は、装甲の貧弱な機体を多数装備し、混成戦隊の旗艦には、ビガザウロやマンモスを用いて、戦闘の指揮統制を行っていた。しかし、同じ中央大陸の帝国が厚い装甲を持つゾイドを開発しているという情報が入ったことから、もし、隣接する帝国軍との戦闘があった場合、作戦指揮能力には問題はないものの、ビガザウロの戦闘力や防御力の面で、厚い装甲をまとった帝国ゾイドとの戦闘には能力不足となる事が懸念された。このため、旗艦能力を持つ次期大型ゾイドの開発が始められることとなった。 もともとRBOZ-003は、旗艦能力を持つ4足ゾイドとして開発がはじめられていた。しかし、帝国軍との全面戦争が回避できない状況にありつつある暗雲立ちこめる時代に設計が開始されたことから、格闘戦能力が重視される傾向にあり、ある程度進んだ開発の途中から肉食獣のゾイドコアを用いることに変更されたことで、ゴジュラスとして完成したのである。 完成したゴジュラスは、旗艦能力を考慮して通信能力の向上を図った大型アンテナを複数装備していた。同時に、格闘戦能力は高く単独行動能力には長けるものの部隊を率いての作戦指揮能力に欠ける傾向にあった。このため共和国軍は、ゴジュラス就役後も、ビガザウロやマンモスに旗艦任務を担わせていた。共和国軍は、ゴジュラスの作戦指揮能力の欠如を教訓に、すぐに次の旗艦能力を持つゾイドであるRBOZ-004の開発に着手し、ビガザウロ、マンモスで実績のあった4足獣で複数の搭乗員が乗り組むことが出来る機体を選定している。 共和国軍がゴジュラスを就役させ、RBOZ-004の開発に着手した頃、ついに、第一次中央大陸戦争が開戦してしまった。緒戦で共和国軍は、厚い装甲をまとった帝国ゾイドに辛酸をなめさせられることになる。唯一のすくいは、開発の間にあったゴジュラスが配備された戦線だけがかろうじて維持できたことであった。しかし、ゴジュラスの配備されなかった戦線では、帝国ゾイドに押し込まれていた。 こうした第一次中央大陸戦争開戦時の、戦訓をふまえ、当時の共和国軍は、旗艦能力として、ビガザウロやマンモスより防御・攻撃能力は高いのはもちろん、他のゾイドへの補給を考えた大容量の燃料タンクの装備、作戦指揮能力の一貫としての戦隊間の連絡や偵察を兼ねたビークルの装備、自己防衛のためのキャノン砲の装備が条件とされた。残念ながら既に開発の始まっていたRBOZ-004には、全ての条件を付加することが出来ず、キャノン砲の装備だけが加えられた。こうして完成したのが、装甲を持ち、胴体側面にキャノン砲を装備した、ゴルドスであった。しかし、ゴルドスは、戦訓をふまえた上での共和国軍が求める旗艦能力にはほど遠いものがあったため、早々と後方支援や第二戦線への配備が決定されると同時に更にアンテナの数が増えて通信能力だけが強化され、当初の目的から遠ざかった目的を満たす形で完成を見ることとなった。なお、ゴルドスは、当初RBOZ-003として開発が進められていたが、途中からRBOZ-003に肉食獣型のゾイドコアを用いることに変更された事で、いったんは放棄された計画を復活させて開発した機体である。そのため、両者は同じメインフレームに大型のアンテナを背中に装備するという、外見は全く異なりながらも、似通った装備特徴を持っている。 RBOZ-004の開発を急ぎすぎた共和国軍は、戦訓をふまえた次期旗艦ゾイドRBOZ-005の開発を始めねばならなかった。しかし、RBOZ-005の完成まで戦線を維持できる確証は無かった。そこで、既に実績のあったゴジュラスに、再度当初の旗艦能力を持たせようと改造に着手することになった。こうしてゴジュラスに、大型燃料タンクの装備、ビークルの搭載(カタパルトを含む)、キャノン砲の装備が行われることになった。 完成した旗艦能力を持つゴジュラス(RBOZ-003-E)は、両肩に専用のキャノン砲を装備し、背中に燃料タンクとカタパルトを背負うような形で完成した。装備面では、要求通りの旗艦能力を持つゾイドが完成することになった。しかし、実際に配備したところ、運用面での不都合が発生した。両肩にキャノン砲を2門増設したゴジュラスは、もともとの肉食獣のゾイドコアと相乗効果により、主体的に戦闘を行う特性を示したのである。当時の共和国軍は、旗艦は主体的に戦闘を行うのではなく、部隊を率いながらも一歩下がったところで部隊全体を指揮 改造されたゴジュラスは、旗艦能力は示さなかったものの、大型の燃料タンクを装備したことで、長期間の単独行動能力が示された。そこで、共和国軍は、長期間の単独作戦能力をより向上させるため、自己に修復能力を与えるために左肩のキャノン砲をクレーンに換装し、RBOZ-003-E2として、偵察や戦略巡航を目的に運用することとなった。 当初のゴジュラスと比較すると、装備が増えたことで、機動力が落ちたことは否めないが、必要に応じて強制排除することで、元のゴジュラス並の機動力を示す事は可能である。 |
掲載バトルストーリー
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最初に断っておきますが、製作手順をわかりやすくするために、紹介してきた作業の手順と実際のアイディアの発想の順番は必ずしも一致していません。しかし、背中のバッテリーケースにあるキャノン砲用のマウントを生かしながらゴジュラスMk-1を作ろうとしたのは間違いありません。
ウルトラザウルスは、数多くのビークルを装備していることから、空母というイメージがつきまといます。では、戦艦はゴジュラスであろうか? と考えたときに、どうもゴジュラスは、戦艦よりも巡洋艦や戦闘機のイメージがしていました。ゴジュラスをもっと戦艦らしくするにはどうしたらよいであろうか? と言うことをふまえながら、装備を考え始めました。
第二次大戦中の戦艦は、まだステルスやイージス能力などの考慮のない、ゴチャゴチャしたイメージがありました。当時の戦艦は、特にブリッジ周辺には、煙突やマストや通信アンテナ、レーダー、高射砲、対空機関砲、探照灯など、これらが、ゴチャゴチャ感を与えていたわけです。また、多くの戦艦が、偵察と着弾観測を目的とした水上機を装備していたため、カタパルトと着水した水上機回収のためのクレーンを装備していました。そこで、ビークルを装備した上でのカタパルトとクレーンを装備し戦艦のイメージを作り上げます。また、これら装備にゴチャゴチャ感を演出するために、あえてトラス構造を選びました。
かつて、戦艦大和に引かれていた私にとって、カタパルトと聞いて思い浮かべるのは、現用アメリカ空母のスチーム式カタパルトやロボットアニメの足を固定するカタパルトではなく、呉式二号射出機であったこともあり、それに近い形状の装備を行いました。ゴチャゴチャ感を目指したと言っても、ディティールアップ系の作業は行っていないので、ゴジュラスそのものの持つ、構造むき出しの作りが、演出しています。
今回の改造で、最初に問題になったのは、背びれの改造に使用する部品でした。やってきたとおり、必要個所をくり抜いて、差し替えるという方法を採ったわけですが、この素材が問題となったのです。上下にあたる部分には、スプリングを用いましたが、この部分は、すんなりと行きました。しかし、格子状になっている部分の部品をどうするかがなかなか決まりませんでした。
当初は、アルミの打ち抜かれた板から、適当な形のモノを選び、必要な大きさに切って使用することを想定していました。しかし、何カ所からDIY店を回ったのですが、どれも打ち抜いた穴が大きすぎる板しか見つけることが出来ませんでしたので、使用をあきらめました。次に考えたのが、プラスチックのざるです。最近は100円ショップでも売っているざるを買ってきて、格子状の部分を切り抜いて使おうとしたのです。しかし、プラスチックのざるは、素材が問題でした。これらは、ポリプロピレンで作られています。ポリプロピレンは、接着剤が効きません。つまり、仮にざるから形を切り出したとしても、接着することが出来ません。仮に、接着の変わりのビス止めなどの方法を用いて部品として完成させても、塗装が載らないのです。結局、プラスチックのざるは、材質がなんであるか店で確認し、ポリプロピレンであることがわ
かったときに、使用するのを辞めました。適度な大きさの穴であり、接着剤が効いて、塗装が出来る素材。そんなことを色々考えてやっと思いついたのが、やってきた寄せ木細工のような方法です。本音、もう少し穴が大きいか、格子部分が細い方がより理想的であったと思っているのですが、これ以上素材を探すことだけに時間を使っていては、いつまでたっても完成しなくなってしまうので、別の機会に方法を考えようと思います。
クレーンは、やってきたように、腕と連動して、上下に動くようにしましたが、当初は、プレイバリューを考えて、クレーンを捲きとる手動のドラムを取り付けようと思っていました。ゾイドというおもちゃを作るにあたって、手で触って遊ぶ部分を入れて、動く遊べるおもちゃ、という演出をしようとしていたのです。しかし、ある程度作業が進んできて、キャノン砲の動きが確実に腕から取り出せると言うことがわかってくると、そこは、動くことがゾイドの最大の特徴であると思っている人間が考えることは、やっぱりクレーンも連動させよう、という事でした。本当の所は、キャノン砲の上下ギミックが出来る自信がなかったので、キャノン砲の上下で苦労するだろうから、クレーンを更に上下させる苦労はしたくない、と思っていたため、当初のクレーンの上下は避けていたという面もあります。
本来クレーンであれば、オペレータは真下が見えるようでないといけないのですが、ガラス張りのコクピットを作る自信がなかったので、共和国軍標準コクピットをそのまま流用して終わらせてしまいました。
今回の塗装は、共和国軍の標準的砂漠迷彩であると想定して行ってみました。よって、マーキングによって、個別の部隊を示すことにしました。
まず、キャノン砲の側面に剣のマーキングをして、機体番号を入れました。共和国ゾイドにとって、キャノン砲は最も広い平面の一つなので、ここには必ずマーキングされる、と想定しました。個人的には、以前のゴジュラスの際にずいぶんと楽しんでマーキングしたので、その影響をそのままもってきています。
ゴジュラスの足の装甲部分も共和国ゾイドでは、少ない平面の一つです。そこで、共和国では、習慣的に、ここに何かしらのマーキングをしていると想定しました。機体特有のマークであれば「ソックスアート」、部隊で統一したマークであれば「ソックスマーク」、機体番号であれば「ソックスナンバー」と呼ばれて、何かしらが描かれる、と想定しました。そこで今回は、「ソックスマーク」として、キャノン砲と同じ剣のマークをそろえて、そこにライオンのようなマークを重ねたモノを選びました。いずれも、航空機モデルのデカールから選んで持ってきています。
実際の動きについて説明します。
まず右側。右腕が下がるとキャノン砲が下がり、右腕が持ち上がると、キャノン砲も上がります。あまり大きな動きではありませんが、上下していることはわかります。
次に左側。
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左腕が上がったときに、クレーは水平になります。 |
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左腕が下がったときにクレーンは持ち上がります。 クレーンが下がったときと上がったときの、クレーン先端とフックまでのチェーンの長さを見て下さい。チェーンの長さそのものは変わっていませんが、チェーンのはり方の関係で、フックが上下しているような印象を与えるようにしたつもりです。また、首の向こう側のキャノン砲の動きにも注目して下さい。これでわかるとおり、クレーンが持ち上がるとキャノン砲も持ち上がり、クレーンが下がるとキャノン砲も下がります。 |
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右足が下がったときにカタパルトは後ろを向きます。 |
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右足が前に出たときカタパルトは前を向きます。 |
今回は、キャノン砲、クレーン、カタパルト、燃料タンクと、4つの装備を追加し、うち3つに動きを追加することが出来ました。追加した装備に動きを追加する、という私にとってはとても理想的なゾイドの改造が出来たと思っています。足まわりはいじっていませんので、元のゴジュラスの通り歩きます。
右腕からキャノン砲の動き、左腕からクレーンの動き、右足からカタパルトの動きを取り出しているので、左足から何かしらの動きを取り出すことが出来れば、まだ、動きを追加することは可能だと思います。しかし、今回のように、設定としてクレーンを取り付けると、その下はクリアーにしておくべきなので、アイディアが思いつかなかったこともありますが、装備することは考えませんでした。
B/Oゾイドの大きなパワーを利用すれば、まだ何かしらの動きを追加する余地は残っているという事になります。ただ、今回のような動きの取り出し方をすると、追加したギミックは、いずれも腕と足の動きにあわせた動きになってしまうので、動きの複雑さという面では、面白味に欠けることは否定できません。速さの違う部分から、動きを取り出して、そこで何かしらの装備を動かすことが出来れば、また違った複雑な動きをする見ていて楽しいゴジュラスが出来ることになるでしょう。
動きは単純になってしまうが、動く箇所を増やすことを楽しむか、動きが単純になってしまうことを避けてより複雑なギミックを考えて、追加する動きの数を減らすか、そんな取捨選択を考えながらギミック改造するのも、動くおもちゃであるゾイドだから出来るの楽しみ方だと思います。そんな楽しみ方がより普及していくと良いのですが。