グレックス

格闘戦型戦闘機械獣

Grex

ガイロス帝国

型式番号

EZ-024(※1)

シリーズ

B/O

タイプ

<ティラノサウルス型>

発売

-

全長

23.0m

定価

-

全高

11.7m

オペレーション

バッテリー

全幅

-

ライト点灯

有(発光ダイオード)

重量

98.9t

使用電池

単4×2

最大速度

270km/h

部品点数

-

乗員

1名

ゴムキャップ

G(グレー)34個

搭載ビークル

主成形色

ブラック、ライトグリーン、ダークグリーン、グレー

主要目的

格闘戦

キャッチフレーズ

-

ギミック

口を開閉して両腕を降りながら前進します。同時に尻尾を左右に振って、背中のライフルを左右交互に上下に動かします。

その他

-

※1:わざとジェノザウラーと異なる型式番号を与えています。理由は「特徴」を参照。

装備

装備名

搭載数

特徴

レーザーセンサー

1

頭部に装備

レーザーガン

1

頭部に装備

対ゾイド連装ビーム砲

1

口腔内に装備

ハイパーキラーファング

1

口腔内に装備

ハイパーキラークロー

2

両腕に装備

ハイパーストライククロー

2

両足に装備

加重力テイル

1

尻尾

ロングレンジパルスレーザーライフル・ロングレンジジェネレーター装備

2

ロングレンジジェネレーターを装備したロングレンジパルスレーザーライフル。背中に装備。

ホバーユニット

2

両足ふくらはぎ部に装備

散水装置

2

ホバーユニットに装備

プレッシャーブースター

4

加重力テイルに装備

特徴

 西方大陸での勝利の報告が続く中、ガイロス帝国軍はセイバータイガーに変わる次期格闘戦型ゾイドの開発計画をはじめていた。次期格闘戦型ゾイドには、共和国軍の格闘戦型ゾイド・シールドライガーを意識したことは言うまでもない。

 まず考えられたのは、シールドライガーに対していかにして優位に立つかであった。これを考慮して、シールドライガーを見おろす位置に武装とセンサーを装備することが望ましいという結論に達した。その結果、クラスは同じながらもバランスよく高い位置に武器とセンサーの装備が可能な、2足歩行恐竜型ゾイドが母体として用いられることが決定した。

 もともと暗黒大陸には、2足歩行恐竜型ゾイドとしてデッドボーダーが存在していた。当初はこの機体からの発展型が考えられたが、デッドボーダーはディオハリコンの確実な補給が出来なければその真価を発揮できないのは明らかであったため、ディオハリコンの存在しない西方大陸での戦闘には不向きと判断された。こうして、旧ゼネバス帝国の2足歩行恐竜型ゾイド・デスザウラーを小型化することから開発は始まった。

 グレックスは、デスザウラーの設計を開発母体としたことから、自然と頭部にセンサーと武装を装備することが出来た。しかし、小型化のため、コクピットは腹部に移され、同時に格闘戦能力の強化から、荷電粒子砲の装備はされなかった。代わりに、足下のような近距離に迫られたときに、攻撃可能なエネルギー兵器オプションを確保するため、口腔内には対ゾイド連装ビーム砲が装備された。加重力テイルは格闘戦に際しては有効であるとの判断から、小型化して採用された。

 開発の進むグレックスであったが、ガイロス帝国オリジナル2足歩行恐竜型ゾイド・デッドボーダーで成功した技術は捨てきれず、背中にはディオハリコン反応炉から発生するエネルギーを必要としなければならないGカノンに代わる、非ディオハリコン反応炉で機能するロングレンジパルスレーザーライフルが2門装備され、格闘戦だけではない汎用性が確保された。

 グレックスにはディオハリコン反応炉は使用される予定はなかったが、試作の段階では、グレックスに搭載可能な高い格闘戦能力を引き出す非ディオハリコン反応炉の開発が間に合わす、当初はガイロス帝国軍技術陣の使い慣れたディオハリコン反応炉を用いて、各種の装備の試験が行われはじめた。この結果、グレックスの試作機にはディオハリコンゾイドの特性である黄緑色の発光が見られるようになった。

 こうした装備のみの試験評価がされる中、西方大陸で古代遺跡からオーガノイドシステムが発見されたことから、グレックスは、早速ディオハリコン反応炉からオーガノイドシステムを内蔵した通常タイプのエネルギー反応炉に換装された。その上で、あらゆる面の試験評価が行われ、軍首脳部が十分納得できる結果を出し、すぐに量産体制が組まれることとなった。ちなみにこのエネルギー反応炉の途中換装の結果、量産型グレックスには、ディオハリコン反応炉搭載時に発光していた部分が発光しないものの黄緑色の斑になるという現象を起こしている。これは、量産機の生命体コアを試作機から培養するという方法を採ったために起こる残留遺伝現象である。

 

 オーガノイドシステムを搭載したグレックスは量産体制に入ったが、オーガノイドシステム全容が更に明らかになるにつれ、その秘めた能力は、当初の予想以上のモノであることが明るみになっていった。このため、グレックスに大きな変更を加えることなく、設計母体となったもともとのデスザウラーに装備されていた荷電粒子砲を装備しても格闘戦能力を損なわないことが判明した。早速、荷電粒子砲を搭載したグレックスMk-2が開発され、試験評価を行った結果、格闘戦型ゾイドではなく次期決戦ゾイドとなるほどの能力があることが証明された。そのあまりの能力の違いから、グレックスMk-2は、異なる型式番号のEZ-026が与えられジェノザウラーと改名されることとなる。

掲載バトルストーリー

-


 と言うわけでジェノザウラーを弱くする改造は、ジェノザウラーの前身機を作るという事になってしまいました。

 まず改造にあたり仮組みをして、どこにギミック追加しようか考えました。背中のロングレンジパルスレーザーライフルの上下ギミックは、パッケージのジェノザウラーの側面写真を見ているときに思いつきました。あんな所にハードポイントがあるんであれば、そこを通して足からレーザーライフルまで動力を伝えられると思ったのでこれは問題なく行きました。

 もう1カ所ギミックを加えようと更に観察を続けましたが、問題が起きました。そこで、私のゾイド観とジェノザウラーがぶつかり合ったのです。まず、私の考えるゾイド観とは、そのゾイドの最も特徴となるギミックがそのゾイドの最も特徴的な装備である、というモノです。すると、ジェノザウラーが荷電粒子砲を特徴とするのであれば、あの発射体勢への変形は、手動ではなくギミック連動で自動的に出来なければならないのです。ところが、商品としてのジェノザウラーは、この変形がギミック連動ではないので、これを出来るように改造しようとするのが、私の改造方針からしてごく自然なことな訳です。

 変形ギミックを作る上で考えた条件は、口の開閉ギミックを残しながらの変形ギミック、でした。自動変形なので、口の開閉ギミックのスピードを単純に変形ギミックに置き換えるわけには行きませんし、口の開閉ギミックを奪ってしまっては、またゾイドらしさとぶつかりあってしまうのです。そこで、色々ギアを組み合わせたりしたのですが、結局良い方法にたどりつかづあきらめることにしました。その結果として、ギミックの追加装備できた背中のレーザーライフルをメイン装備とする事にしたため、口腔内の集束荷電粒子砲を切り取ることにしたのです。

 荷電粒子砲を切り取ったら、ジェノザウラーの特徴は何だろうか? 色々考えている内に、ジェノザウラーの開発経緯は? ジェノザウラーが空を飛べるならその出力は? 操縦方法は? 荷電粒子砲は連射できそうにないがどうやって撃つ体勢にもっていくのか? 更にいくつもの疑問が出てきたわけです。それだけたくさんの疑問があるといっぺんに答えが出るわけでもなく、とりあえず方針の決まった部分だけ手を付けることにしました。要は、前述の特徴は、改造しながらの後付けという事ですね。

 しかし、作業の中で全く方針がないとやりづらいので、以下のように比率を想定して手を付けました。

名称

レイブン仕様のジェノザウラー

ジェノザウラー量産型

グレックス

セイバータイガー(比較用)

装備の特徴

集束荷電粒子砲装備

アンカーを装備

飛行用ノズルを装備

集束荷電粒子砲装備

アンカーを装備

飛行用ノズル無し

口腔内連装ビーム砲装備

ホバー機能装備

加重力テイル装備

ノーマル装備

格闘戦能力

7

5

4

3

武装能力

7

6

3

2

機動力

7

3

5

2

生産コスト

7

6

4

2

ランニングコスト

6

5

3

3

これはあくまでも、今回の改造に当たって想定した大まかな比率であって、必ずしもオフィシャル設定と一致はしていません。荷電粒子砲を切り取ったことで、どこの能力が伸びて、どこが落ちたのか、ある程度は決めておかないと、作業に行き詰まる可能性があります。

 荷電粒子砲を切り取ったので、口の装備は全く何もしない方がよいのではないか、とも思いましたが、せっかくの変形ギミックがもったいないので、連装ビーム砲を装備することにしました。単にプラ棒とプラパイプをつなげただけですが、後端にスプリングをつなげることでそれっぽさは演出できたと思います。

 

 足は、とにかく飛行用と想定されているノズルは切り取りたいと思っていました。ここで発生した問題は、ノズルのカバーとなっている装甲の切り込み、スリットでした。このスリットは、アンカーを折りたたんだときに、ふくらはぎ部分にぶつからないようになっているのです。ロケットエンジンノズルとともにアンカーの装備もやめたので、ふくらはぎ部のスリットが不要になったので、ふさがざるを得ないのです。ところが、この装甲パーツが、結構簡単にぐらぐら動くことから、足の動きに合わせて開閉できるかも知れないと思ったことと、スリットを装甲としてふさぐよりも何かの装備をする方が私の腕では簡単であろう、ということから、ホバー機能を持たせることにしました。後は既に述べてきたとおり。アレで機能するか?というよりも、空気のためのノズルである、というイメージを重視しました。

 そして、既存のジェノザウラーのモールドは、補助ホバーノズルと想定して、赤の塗装を落として他のノズル同じ色で塗装しました。補助ホバーノズルは、足を伸ばしたときはほぼ真下を向き、足を縮めたときは斜め後ろを向いていることになります。つまり、機能として、ホバー移動時にスピードを上げたければ足を曲げて、スピードを落としたければ、足を伸ばせばいいと言う設定にもつながるわけです。

 これに伴い、他の既存のモールドはエアインテークとして想定したカラーリングを施してあります。

 荷電粒子砲を切り取ることで不要となるのは、尻尾の排熱機構。そこで、尻尾の必要性をアピールする必要から、塗装で加重力テイルを意識させ、なおかつアーマー部分にはプレッシャーブースターを装備してあります。本当はもっと大きなノズルを上下に一つずつ取り付けて、もっと目立つブースターにしたかったのですが、ちょうど良い大きさのモノがなかったのと、上手く尻尾内に収納できそうになかったので、4つのノズルを装備する方法を採りました。

 

 今回にギミックのメインとなるのは、背中のレーザーライフルです。構造的には、現行ゾイドで言えばゴルドスと同じ、足の動きに連動させてあるため、左右交互に動くと言うことになります。私個人としては、既にデッドボーダーで似たようなことはやっているので、すんなりと受け入れられました。動きそのものはそれほど大きな動きではないのですが、左右交互に動くことで、対比的にそれなりの範囲動いて見えるので悪くなかったと思っています。

 レーザーライフル後端のロングレンジジェネレーターは、それほど積極的に装備を考えていたのではありません。既に述べているとおり、確かにデザイン画の段階では、何かしらの装備がついているのですが、商品ではなくなってしまっていました。装備した理由は、ギミックです。ロングレンジライフルは、ハードポイント部分から前側だけにしかのびていないのです。天秤の原理を考えればわかるのですが、前側だけにしか重さがないと、その前側を持ち上げるにはかなり力が掛かるわけです。そこで、後ろ側に少し重りをつければ、前側を持ち上げようとしても、ギミック部品に負担がかからないので、より少ない力でレーザーライフルを動かせるであろうと思い、何かしらの装備をした方がよいと考えた結果です。

 ジェノザウラーの改造では、頭頂部の発光を防ぐ、というのはお約束になれば良いなと思います。このおかげで、目の光りの不気味さが増したと思うので、おすすめしたいです。

 今回唯一やり残したことは、コクピット内部の装飾です。単に色を塗り分けただけで終わらせてしまったのが残念です。もう少し、腕と発想力があれば、内部の装飾と更なる塗り分けをしたかったです。

 

 ジェノザウラーは思ったよりゾイドらしいゾイドであった、というのが終わっての感想です。本音はもっと悪い印象を受けると思っていました。いかんせん、ソフト面が少々弱いです。弱いとは、「強すぎる設定であるが故に、魅力に欠ける」という意味です。その意味で、説得力のあるバリエーションを作りづらいとは思っています。

 誰しも自分の改造したゾイドが一番強いモノであって欲しいと思うのは不思議なことではありません。まして、メインターゲットとなる小学生ならなおさらです。その意味では、あまりに強すぎる設定にしてしまうと、改造という遊びを誘引するのに、テコ入れが難しくなるように思います。どうやらジェノザウラーはジェノブレイカーとしてバージョンアップされるようですが、イメージとして、ユーザーの間での改造が行われないため、メーカーが改造例を出した、という気もしなくはないです。ジェノブレイカーが出ること自体は否定しませんが、もう少しジェノザウラーを大事に見ていてほしかったです。 

 

戻るback