ゾイド・ディメトロドン

電子戦用中型機械獣

ZOIDS-Dimetrodon

帝国側

型式番号

EPZ-004-d

シリーズ

B/O

タイプ

<恐竜型>

発売

-

全長

22..3m

定価

-

全高

12.6m

オペレーション

バッテリー

全幅

8.42m

ライト点灯

重量

162.4t

使用電池

単3×1

最大速度

131km/h

部品点数

-

乗員

1名

ゴムキャップ

E 10個

搭載ビークル

主成形色

-

主要目的

電子戦

キャッチフレーズ

奇怪なアクション。恐怖の新大物メカ。

ギミック

恐怖の大物メカ。尾を左右に振りながら前進し、口を開閉、3つのレーダーを回転。背びれを交互にくねらせながら動く姿は新型大型戦闘メカと呼ぶにぴったり。

その他

-

装備

装備名

搭載数

特徴

全方位レーダー

1

背びれ部分

長距離警戒レーダー

1

全方位レーダーの前方に装備

中距離警戒レーダー

1

全方位レーダーの後方右側に装備

短距離警戒レーダー

1

全方位レーダーの後方左側に装備

特徴

体内に膨大な電子装置を収めた帝国の中型ゾイド。巨大な背ビレの部分は全方位レーダーのアンテナとなっており、一瞬にして敵をキャッチすることができる。ゾイド・ディメトロドンの搭載する電子システムは敵の電波を受信後、自動的に分析し、電波妨害を行うことができる。強行偵察や電子戦を得意とする。

 当初装備されていた戦闘火器を廃し、代わりに探査範囲に応じた複数の警戒レーダーを搭載し、アビオニクスを一新したタイプは、混成戦隊を防衛するイージス機能を有する。ただし、ゾイド・ディメトロドン本体に迎撃能力は持たないため、他の攻撃型ゾイドにデータリンクし、危険度に応じた対応を自動的に指示することで、イージス機能を発揮する。通常は、2機の攻撃型ゾイドとデータリンクしてイージス機能を形成する。最大5機の攻撃型ゾイドにデータリンクさせることができる。ゾイド・ディメトロドンとデータリンクするには攻撃型ゾイド側にも専用の装備が必要となる。イージス機能を有するゾイド・ディメトロドンは、戦隊では「頼れる皿回し」と呼ばれ、高い能力を発揮している。しかし、その能力を維持するためには、ゾイド・ディメトロドン本体と、リンクするゾイドと両方への装備の追加が必要となり、改修コストならびにランニングコストの点から、配備数は限られている。

掲載バトルストーリー

-


 ゾイド・ディメトロドン。1987年当時、店頭のビデオであの奇怪な背びれの動きを見て、すごいものが出たな、と思ったことを思い出します。このビデオは、今は、ゾイド20周年の際に発売されたゾイドコアBOXのDVDで見ることができます。数年ぶりに見たときには、過去の思い入れが強すぎたせいで、あれ? とも思ってしまいましたが、やはり正面から見たときの、あの波打つ背びれの動きは、本当にゾイドらしいゾイドだなと思わせてもらえます。

 

 1990年代中ば、ちょうどゾイドが生産中止になっていた期間、私は自分を「大いなる時代遅れ」と言いながら、ゾイドを集めていました。しかし、当時ゾイド・ディメトロドンは、なかなか手に入りませんでした。大型ゾイドの方が手に入りやすかったです。ゾイド・ディメトロドンは、値段が手頃な割に、動きがおもしろいので、早くから店頭から消えてしまったんでしょう。そんな事もあったので、ゾイド・ディメトロドンの再販は、ゾイド復活時からずっと望んでいました。しかし、実際に店頭にもどっで来るのには数年を要しましたね。通し番号も065ですし。

 

 ずっと再販を待っていたゾイド・ディメトロドンではありましたが、改造ネタを考えていたわけではありませんでした。改造にあたってゾイド・ディメトロドンの背びれはいじりたくないので、それをふまえて何ができるか、を考え始めました。たしか、ゾイド・ディメトロドンの再販が始まったころは、既にブロックスが発売されており、模型誌の改造例には、ゾイド・ディメトロドンにブロックスのジョイントを取り付け、ブロックスのパーツを装備しているものがいくつかあったように覚えています。当然、ゾイドは動くおもちゃであると考えている私には、ブロックスのパーツをゾイド・ディメトロドンに用いるという選択肢はあり得ないので、よい改造ネタを思いつく参考にはなりませんでした。それから何年かが過ぎてからやっと、方針がまとまったと言うわけです。

 今回の改造は、設定的には、商品のゾイド・ディメトロドンの域を大きく逸脱したものではなく、よりそれぽい装備、つまりより電子戦用をアピールできるかのような装備の追加、となりました。以前から漠然と、ゾイド・ディメトロドンを改造するのであれば、背びれの動きを再現するパーツ、これをプロペラシャフトの様に使って、後ろ側に動力を伝えてなにかを動かしたい、考えていました。すると、後ろ側で再現できる動きとなると、必然的に力と大きさの限界にぶつかります。背びれを動かすことで、それなりに負担を強いられているので、後ろ側で動かせるとなると、ある程度以下の小ささで表現し、動きを転換したとしても負担にならない程度、で考えて、思いつく範囲は何かを回す事でした。すると、左右1カ所ずつ、2カ所で回転を表現するとなると、思いついたのは二つのパラボラアンテナだった訳です。それに合わせた設定を考えると、非戦闘タイプのゾイドとなり、より設定を強調するためには、3つぐらいは回さないと、と思いたち、今回の改造方針が固まったのです。今から考えますと、結構狭い範囲で物事考えているなと思いますが、この辺がデザイン的な改造が苦手な私の限界なのかもしれません。それに、実在の兵器では、電子戦にパラボラアンテナを使うのか?と聞かれると必ずしも設定通り、というわけではないのですが、いわゆる攻撃型のゾイドとは違う事が露骨にわかりやすい、事をめざしてパラボラアンテナの追加装備とする事にしました。そして、装備するからには、今までのゾイドにない動きを考慮して、3つのパラボラアンテナを装備し、それでいてすべて同じ方向に回転し、かつ回転するスピードはすべて異なる、という表現とすることにしました。そして、探知範囲の異なるレーダーという設定が後づけてついてきたのです。私の改造方針として、設定と追加する動きを可能な限り合わせたいので、今回はこのようなまとめ方になりました。

 実際の動きはといいますと、パラボラアンテナの回転と言うことで、既存のゾイド・ディメトロドンの動きと連動しているわけではありませんので、言葉では表現しにくいです。回転の方向は、真上から見たとき3つとも時計回りになっています。速さは、長距離レーダー部がおよそ8秒で1回転、中距離レーダー部がおよそ4秒で1回転、短距離レーダー部がおよそ2.7秒で1回転します。本当は、長距離レーダー部が、4秒で1回転、中距離レーダー部が2秒で1回転、短距離レーダー部が1秒で1回転するくらいの速さで回れば良いなと想定していました。ギアを組み合わせて回転を早くするほどの技術も部品のスペースもなかったので、最も簡単に回転を取り出しやすい方法を採用しました。

で、実際の動きは→ 

 設定的に、考えますと、探知範囲が広いほど、レーダー画面上では対象物の動きは小さくなり、探知範囲が狭いほど、レーダー画面上での対象物の動きは大きくなります。そこで、長距離レーダーの回転が遅く短距離レーダーの回転が速くなります。その意味では、「設定」と「動き」を連動させる、という改造のテーマは表現できたと思っています。

 しかし、設定と実物を考えると、背びれという大きなアンテナが有るのに、あんな位置に回転するレーダーがついていても、実際には干渉しあっちゃって機能しないでしょうが、おもちゃ的な嘘と理解しています。そう、ゾイドはあくまでも動くおもちゃです。動きを見ていて飽きないおもちゃです。白いギアが見えてしまっているのもご愛敬。もし、商品としてのゾイド・ディメトロドンにこうしたギミックが搭載されていたら、少しでも目立たなくするように黒い成形色のギアを採用したことでしょう。

 既にお気づきと思いますが、ゾイド・ディメトロドンにあるはずの、帝国軍共通の武器パーツのランナー部品はとりつけていません。電子戦用ゾイド、ということで、非武装を意識しました。万が一、前線に出る場合は、他のゾイドの護衛がつく、と想定しました。それに伴って、使用しないハードポイントは切り落としました。しかし、使用しないながらも、残したハードポイントもあります。ゾイドのハードポイントは、場所によっては、うまく周辺のディティールに親和しているものもあるため、残しておくのもそのゾイドらしさ、今回で有ればゾイド・ディメトロドンらしさを表現しているので、あえて残しているものもあります。

 ゾイド・ディメトロドンは、B/Oゾイドとしては安価なゾイドのため、フレームパーツと装甲パーツが別れていません。そのため、成形色のみで完成させる商品としてのゾイドでは、設定を表現し切れていない部分があります。今回の作業では、塗り分けることでその問題点を解決してみたつもりです。ディティールアップした上での塗装ですから、手間ではありましたが、やったかいのあった結果になったと思っています。

 旧シリーズの時からも奇怪な動きを代表するディメトロドン。やっと完成させることができました。やっぱりゾイドの魅力を感じさせてくれる改造を楽しむことができ、とても良かったです。 

 

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