シャーリー の 探 求
2000.5.5 更新
舞台と人物シャーリー (Shirley Holmes) は 12 才の少女ながら、かの
名探偵、シャーロックホームズ (Sherlock Holmes) からその科学的な人間と社会の探求精神を受け継い
でいる。犬のワトソン (Watson) はどうもぐうたらなイヌなのだが(失礼)、時に役にたっている。第 3 話のコ
モドドラゴン事件 (The Case of the Liberated Beasts) ではとっかかりに重要な役割を果たした(^^;)。現在
の大切な相棒は、ボー (Bo Sawchuck) である。文字通り (?) ボーイなのだが、彼女をあらゆる面でサポート
している。活躍の舞台はカナダのレディントン (Reddington, in Ottawa?) にあるサセックスアカデミー
(Sussex Academy) という私立の学校である。ここをとりまく世界が彼女の追及、いや探求の場なのである。
ワトソンを”ぐうたら”などと書いたが、おばあちゃんのペギー (Peggy) が諭しているように、イヌもまた意思
を持つ動物であり、ヒトにこうしろ、ああしろ、と命令されて従おうとは心からは思っていないはずである。
自分が言われたらいやだ、と思うことを、イヌだから (餌を与えて飼って「やって」いるのだから) 従うのは
当然なのだ、また、そうするのは賢いイヌなのだ、というのはあまりに身勝手なのである。「犬格」を認めて
共に歩くのだ、という基本的な姿勢を持つのが大切なのだ。
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写真などは下記のページにたくさんあります。
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・放映元のカナダのテレビ
エイリアン誘拐事件(第 5 話) The Case of the Alien Abductions
青緑色の宇宙人(エイリアン alien)に誘拐され操られる、という事件が続発した。首筋の後ろ(左右関係なく
一箇所)に赤いあざができていた。エイリアンの存在(というよりこの土地への_定期的な_飛来)を信
じる友人バートから雑誌を借りて”よくある類の”想像図を見てシャーリーはその裏にある企みを見抜いたの
である。シャーロックの甥か姪 (シャーロックの兄の結婚は「聖典」には記述がないが、他に兄弟姉妹がいた
か) の娘の娘の彼女にはシャーロックの人間に対する観察眼が備わっているからである。いい加減そうな大学
生 (Student,Reddington University(!)) よりも”役に立った”のは学校の歴史の教師であった。怪しげな
カウンセラーの存在を知り、爆薬 (どうも硝酸火薬に類するものらしい......NH4OH が出てきた
=シャーリーの「分析」による) を会議の場に花の飾りに隠して持ち込ませようとしたのを裏をかいて催眠術
にかかったふりをして防いだのである。
暗示や思い込みや見知らぬもの、未知のものへの恐怖や畏怖の心を利用して人の心を操り従わせようとする、
そんな悪意や野心を持った者たちはいつの世もどこにでもいる。たわいのないことで終わるならそれもご愛嬌
で生活を潤してくれるものだが、最近でも、この日本でさえ、それによってとんでもなく酷い、人間や生き物
たちを物以下にしか思わない事件が起きているくらい現実には忌まわしい状況に陥ることが多いのである。科
学を信じているはずのバートでさえ、想像上の姿を漁っているのはどうしてだろうか。シャーリーはさすがに
科学的な認識を追及して可能性を探り、事実を見極めた。ともすれば陥りがちな怪しい不安に苛まれることな
く過ごし生きていくには私たちはもっと自分の目で物事をよく観察してありそうもないことに惑わされるよう
な弱さを克服していかなければならないと思う。
背景
米国版の第 1 話と第 2 話の原著の表紙の一部。作者は、Judie Angell。
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Toshiyuki Takagi
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