マーラーの交響曲でよく聴いているのは5番です。
聴いたCDは、
シノーポリ /フィルハーモニー管弦楽団
バーンスタイン /ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ワルター /ニューヨーク・フィルハーモニック
ハイティンク /ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ショルティ /シカゴ交響楽団
ノイマン /チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
スヴェトラーノフ /ロシア国立交響楽団
レヴァイン /フィルハーモニー管弦楽団
テンシュテット /ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
井上道義 /ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
インバル /フランクフルト・ラジオ交響楽団
ガッティ /ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
コンドラシン /ソビエト国立交響楽団
ブーレーズ /ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
佐渡裕 /シュトゥットガルト放送交響楽団
ドホナーニ /クリーヴランド管弦楽団
アバド /シカゴ交響楽団
ベルティーニ /ケルン交響楽団
メータ /ニューヨーク・フィルハーモニック
バルシャイ /ユンゲ・ドイチェ・フィルハーモニー
シェルヘン /ウィーン国立歌劇場管弦楽団
カラヤン /ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
クーベリック /バイエルン放送交響楽団
マゼール /ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
アバド /ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
小林研一郎 /日本フィルハーモニー交響楽団
ルイージ /ライプツィッヒ放送交響楽団
尾高忠明 /東京フィルハーモニー交響楽団
ですが、それぞれに個性豊かで大事にしているものが聞こえてきます。
テレビドラマで「それが答えだ!」を見てからこの曲に興味を持ち、半年くらい熱中して聴きました。一番気に入っているCDはシノーポリが指揮しているもので、全楽章とも好きです。
マーラーブームをおこした最初の国は日本だそうで、この曲も確かに日本人好みのメロディと叙情性を持っていると思います。
マーラーは、無限なるものを音楽によって表そうと思ったらしいですが、私が聴いて思うにはそれよりももっと「瞬間的な美」、断面を切り取ったような刹那的な世界が見えるのです。何かを失いつつあるときに思い巡らす走馬灯のように切れ切れとしてはいるが大切なものを、出来る限り空間に浮かべて想い出に浸っているような感じです。
この曲を聴いてマーラーを思うのは、普通の人の何倍も喜びや悲しみを感じて生きた人だったのだろうな、ということです。それがどれほどだったのか。感情の高まりがオーケストラの能力をも超えるほどの迫力で表現され、心を揺さぶる音形が次々と波のようにやって来ます。
心を奪われるのは、音楽から直接的に、自然に対する感情が聞こえてくるところ。「風が木々を揺さぶっている」という風景ではなく、揺さぶる風に意思の激しさを感じさせます。
日本でのマーラーブームの背景にはオーディオ装置の進歩があると思います。CDの登場で、この70分以上も長さを持つ曲が1枚に収まっています。
それと、マーラーの音楽は、多彩な音色、音程の広さ、ダイナミックスの大きさで際立っていると思いますが、それがオーディオの性能チェックに利用されたような気がします。
私のよく聴くスピーカーは、
ヤマハスピーカーNS-1classics
JBL モニタースピーカーJ 316PRO
タンノイ スターリングですが、
マーラーを聴いていいと思うのはタンノイスターリングです。音場の表面積の広さと深度がよく感じられ、オーケストラのアンサンブルの妙味が聞こえてきます。アンプはマランツのPM-90、CDプレーヤーはDENONのDCD1650GXで鳴らしています。
オーディオマニア、クラシック音楽マニアに自分の持っているオーディオ性能をフルに生かしきる音楽の素材として、マーラーの交響曲がぴたっりしていたのではないでしょうか。
前にサントリーホールで演奏された、西本智実指揮ラトビア交響楽団を聴いたときこの曲の、音による遠近法を感じました。
マーラーは指揮者として音の渦の中心にいて、圧倒的な音空間の魅力を味わっていたことでしょう。
「自分の創造している、音による世界を、可能な限り広げたい」、この想いが作品の魅力を高めたのだと思います。
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