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□北海道ドライブ2

 自宅を出発したのは夜7時を過ぎていました。東京外環道の大泉ICを目指します。東北道川口料金所を過ぎれば一路,八戸道八戸ICを目指してまっしぐらに走ります。首都圏内はそれなりに交通量もありましたが,東北地方に入ればだんだんと交通量が減ってきます。

 眠そうになってきた子どもらに寝る前のトイレをさせるためにサービスエリアに入ってしばしの休憩をとりましたが,結局,八戸ICに到達するまでにとった休憩はこれ1回だけでした。交通量が減ってくれば,追い越しの車線変更や速度調整が必要なくなってくるため,クルーズコントロールを作動させてアクセルペダルから足を離すことができます。これができるかできないかでとても疲労感が違います。以前,東京−名古屋間を前車のBMWで往復したときには右足だけが疲れました。今回は一気に走りきって,フェリーターミナルで休もうと考えたわけです。

 東北道から分岐した八戸道に入ってからは,燃料計と走行可能距離を示すインフォーメーションディスプレイに釘付けでした。何しろ片道約600Kmを無給油で走ってきたため,燃料計はとっくに0を指して点滅していますし,走行可能距離は数十キロになっていたからです。クルーズコントロールの設定速度を燃費の良い80Km/hくらいに落とし,ガソリンスタンドの位置をカーナビで確認したりしました。日常の使用では,満タン給油から400Kmを走れることはほとんどありません。それが600Kmですから驚異的な走行距離ということになります。

 八戸道のパーキングエリアにはガソリンスタンドはありません。八戸ICまでは何とかたどりつけそうな見込みだったので,IC周辺のガソリンスタンドをチェックしてみました。しかし,深夜に営業しているガソリンスタンドがあるのかどうか,とても心許ない思いをしました。ICから最も近いガソリンスタンドは予想通り営業しておらず,カーナビに表示される近隣のガソリンスタンドに片っ端から寄ってみることにしました。3,4件目でようやく営業しているガソリンスタンドを見つけて給油することができました。

 八戸港フェリーターミナルに到着して乗船手続きをしました。ちなみにここには書けない平均速度であったために,指定されていた出航2時間前よりもかなり早く着きました。実際の乗船は出航30分前からということなので,ローソンに朝食・飲物等の買い出しに行きました。午前3時台というのに子どもらは既に元気に起きています。相方が店内に入っている間,私はクルマにこびりついた虫の死骸を掃除していました。夜の高速道路では,様々な虫がヘッドライトの光に誘われて飛び込んできます。クルマの前面はフロントガラスを含めてひどい汚れようとなっていたのです。

 フェリーターミナルに戻り,駐車場で乗船が始まるのを待ちます。エンジンを止めてしまうとエアコンが効きません。蒸し暑さを感じる天気に加えて,船舶燃料の灯油くさい臭いが窓を開ければ入ってきます。時々エンジンをかけて冷風を出したらまた止めて,といったことを繰り返してしのいでいました。八戸港では同乗者とドライバーは別に乗船します。私だけがクルマに残り,相方と子どもらは先に旅客口から乗船します。夏の北海道演習に出かけるとおぼしき自衛隊車両の列に待たされていると,フェリーの船窓から手を振るのが見えます。先に乗船したために乗船待機している私に気づいたようです。見える距離ながら携帯電話をかけてみると,子どもらが「これはお船じゃなくてお部屋だ」と不満たらたらだと言うではありませんか。せっかくの一等船室も子どもらには船に思えないということでした。

(続く)


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