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□骨折からのリハビリ□

 以前,骨折をした話を書きました。スキーで肩関節についている上腕骨大結節部というところを折った不様な話です。最近,そのときのリハビリ運動のやり方を教えて欲しいというメールをいただきました。同じように上腕骨大結節部を骨折したのに,リハビリに理解ある医者が周りにおらず,腕が挙がらずに困っているという内容でした。

 たまたま私は慶應大学病院の整形外科・肩関節外来で小川先生という良い医者に巡り会えたのは幸運で,いまやなんとも不自由なく生活しています。後で知ったところでは小川先生は肩関節学会の会長とのこと,いわば第一人者だったんですね。

 メールをもらった方には次のようにリハビリ運動を伝えました。あくまでも骨折直後ではなく,1ヶ月以上経っているという状況と,私自身は医者ではなく,2年くらい前のあやふやな記憶だと言うことに注意してください。


 慶應大学病院への通院頻度は当初3ヶ月は2週間毎でしたが,その後治療終了の6ヶ月までは月一回でした。それほど多い通院回数だったとは思いません。むしろ少ないくらいでしょう。「リハビリはPT(理学療法士)とやらなければならないものではなく,自分でやるものだ」というのが担当医の名言です。自分でペースを作れない,さぼってしまう人が通院してやるのだと。レントゲン撮影も2ヶ月おき都合4回だったと記憶しています。

(1)手の指がむくんだりしているときの体操
そんなときは,力を込めたグーを10秒,指先に力を込めたパーを10秒と繰り返します。3分もやらないうちに血行が良くなって,むくみがとれます。

(2)腕が挙がるようになるために,第1段階。
体側から真横に両腕を挙げていって,痛い角度から更に上に挙げて10カウント保持します。そして,体側から前方に両腕を挙げていって,痛い角度から更に上に挙げて10カウント保持します。背中に後ろ手にまわした腕を上方に持ち上げて10カウント保持します。これを10セット,日中は1時間毎に,だんだんと角度の限界も挙げていきます。

(3)腕が挙がるようになるために,第2段階。
バックポケットと言って,ズボンの後ろポケットのどちらにも手を入れることができるようになったくらいが目安の第2段階です。壁に向かって30cmほどの間隔で立ちます。片腕ずつ挙げて壁を押さえ,身体全体を壁に倒し込みながら腕が伸びるように負荷をかけてやります。10セット1時間毎。

(4)腕が挙がるようになるために,第3段階。
いよいよ最終段階で,見た目は何とか両腕を真上近くまで挙げられるようになってきたくらいが目安の第3段階です。実際には庇っていたりするものです。ぶらさがれる高さのバーや鴨居に片腕ずつ手を掛けて,しゃがみながら腕が伸びるようにぶらさがります。10セット1時間毎。

(2)〜(4)は勢いをつけたり反動をつけたりはしません。じわじわと自分で負荷を高めていきます。自分の骨を自分の力で折れるほど負荷はかけられないそうです。

 骨がとりあえず固まるまで受傷から約6ヶ月です。上記のリハビリ運動のメニューをそれまでに片づける必要があります。リハビリが遅れたときは,変形した関節を手術するしかないと担当医から脅かされました。そうなれば時間も費用もかなりかかることを覚悟しなければなりません。


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