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□カンボジア-ベトナム-タイ(1)

 7月下旬,カンボジア・ベトナム・タイを訪問する機会がありました。ユニベール財団から研究助成を受けている「アジアの社会保障−インドシナにおける社会保障制度形成過程の分析」に関係している取材旅行でした。ベトナム国内でのフライトに悩まされた件はEssay:ベトナム航空として先述しています。

 訪問する都市を,プノンペン,ホーチミンシティ,フエ,ハノイと決めたものの,これをうまく周遊するための順番に頭を悩ませました。ANAのマイレージプログラムに入っていますから,利用する航空会社は全日空かタイ航空です。全日空は成田-ホーチミンシティ直行便を持っていますが,毎日就航しているわけではありません。しかもホーチミンシティに到着して同日乗り継ぎでプノンペンに行くことができませんので,ベトナムに入国することになります。ベトナムとカンボジアは日本人でもビザ取得が必要になりますし,シングルビザではなくマルチビザを取得しようとすると費用も時間も余計にかかってきます。そのため,タイ航空でバンコク経由のプノンペン,そこからベトナム航空でホーチミンシティ,フエ,ハノイ,そして再びタイ航空でバンコク経由成田という経路を考えました。

 カンボジア,ベトナムのビザは自分自身で大使館まで取りに行きました。ベトナム大使館は代々木上原駅から歩いた住宅街の中にありました。改築のために一時移転しているそうで,住宅を改造したような場所にありました。2週間以内のシングルビザは即日発行でした。。カンボジア大使館は青山一丁目から歩いたこれまた住宅街にあって,カナダ大使館の裏手くらいにあります。所要3日間と聞いていましたが,翌日にはできるとのことで早くできました。できれば即日発行がありがたいなとも思いましたけれども。

 2001年3月に続いて2回目となるプノンペン訪問でしたが,公園などの整備が進んだような印象を受けました。ペニンシュラと呼ばれるトンレサップ河とメコン河の合流地点は照明やブロック舗装の工事が進められていました。ただ河岸に居住している人々は明らかにカンボジアで多数を占めるクメール人ではありません。後で聞いたところではイスラム教徒の少数民族だそうです。こういった公共工事が外国の援助無しには実行できないのは事実で,どの産業を核に経済復興を実現するのか模索する過程にあります。

 プノンペンでは,カンボジアーナというホテルに泊まりました。一流ホテルの一つですが,$100も出せば泊まれます。プノンペンでは唯一日本人スタッフもいるホテルです。チェックインして部屋まで荷物を運んでくれたボーイが「観光客はプノンペンにほとんど来ないし,プノンペンを訪れる日本人の多くがJICA関係者だ。」と言っていました。私自身JICA派遣専門家に登録していますし,今回の訪問目的もJICA専門家に会うことだったので,あながち間違いとは思いません。

 確かにバンコクやホーチミンシティから,カンボジア観光の目玉アンコール遺跡のあるシェムリアップには直行便が出ていますので,わざわざ首都プノンペンに立ち寄るような理由は無いのかもしれません。フランス植民地時代を思い起こさせるようなコロニアルで退廃的なホテルなどはプノンペンではいくつも見ることができます。

 カンボジアには自動車産業は無いにもかかわらず,中古車の輸入しか認められていません。これは外貨流出に対する制限だそうです。町中の乗用車のほとんどがトヨタ・カムリなのはおかしなくらいです。プノンペンに住むカンボジア人の夢は中古のカムリを所有することだそうです。ただ,舗装路が都市の一部に限られていることもあって,トヨタのランドクルーザーもよく見かけます。中古車だけのはずが,ぴかぴかのベンツやランクルを見かけることもあります。物量作戦で短期間に成果を挙げなければならない国際NGOが,現地で使用するという名目で何台ものランクルを通関させることが少なくないそうです。それが誰によって使われてるかは想像にお任せします。


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