Microsoft Access97/2000(以下Access97/2000)は，個人向けデータベースソフトとして知られている．リレーショナルデータベースとしての基本的な機能を持った上に，データ問い合わせ，操作画面，印刷帳票のデザインが容易にできる使いやすいユーザインタフェースの機能を持っていることが大きな特徴となっている．

データベースソフトの主要機能としては，様々なデータを定型で蓄積し，リクエストに応じてデータセットを返してやることである．その意味では，ユーザインタフェースは外部プログラム等で実現されるべきものである．データベースソフトに付属するデータ問い合わせツールは検証用等の意味合いが一般には強い．しかしながら，Accessのユーザインタフェース機能は，ユーザアプリケーション開発の機能を担うに十分な性能を有している．

　Microsoft SQLサーバのクライアントとしての機能が強化されたAccess2000が現在入手可能なバージョンであるが，Access単体で使うのあればウィザードと呼ばれるユーザ開発支援機能が強化されているAccess2000と以前のバージョンであるAccess97とに大きな違いは無い．Access97は単体もしくはMicrosoft Office97 Professional/Developerに含まれるコンポーネントとして購入できた．Access2000については単体の他，Microsoft Office2000 Premium/Professional/Developerに含まれるコンポーネントとして購入できる．97にせよ2000にせよ，Microsoft OfficeのStandardバージョンではAccessは含まれない．通常，一般の家庭向けパソコンにバンドルして販売されているMicrosoft OfficeはこのStandardであることが多い．Access97で開発したユーザアプリケーションはAccess2000で開くと，読み取り専用の変更不可データとしてAccess97ファイルとして開くか，Access2000ファイルに変更するオプションを選択できる．