平成11年8月5日岡山市学校給食運営審議会全体会議の概要
<1> 日時・場所

  日 時:平成11年8月5日(木)  10:00〜12:10
  場 所:まきび会館 3階 「橘」

<2> 会議の概要

1 市長あいさつ
 お忙しい中,多数の方々にご参集いただき御礼申し上げます。
 審議会をこの時期にお願いしたのは,来年度予算に反映できればということで,12月までにその方向性の一部でも出していただきたいからです。
 6月議会で 1食 710円のコストは高すぎるのではないか。背景に人件費の問題がある。また,年間約 180日の給食日数であり,市民病院等の1日3食出すところもある。これらと比較しても,合理化の可能性があると思われる。学校給食で年間40億円の持ち出しだが,それが縮減できたら,他の学校運営,学校施設整備等,教育の高度化に活用する。合理化,経営的な観点からの議論によって給食の質は落とすべきでないが,経営は時代に合わせてよい面を出していこう,との3点で議論した。これが審議会設置の背景です。市民から高い関心が寄せられている。給食の現状を話すたびに,何とかしてもらわないと困るとの議論があり,また,岡山市の学校給食を守ろうという観点の方々が民間委託反対との論点で,署名運動を展開されている。今後,いろんな面で考え方のぶつかり合いが出てくるものと考えられる。
 岡山市の発展のため,純粋に市民のために何がよいかという原点を守りながら,議論を展開していただくようお願いします。

2 会長・副会長選任
  会 長: 目瀬守男委員
  副会長: 青山英康委員  鳥越良光委員

3 諮 問(教育長から会長へ)
 健康教育の観点からの学校給食の在り方に関すること
 安全管理・衛生管理面からの学校給食の在り方に関すること
 学校給食業務の効率的運営に関すること
 その他学校給食の運営・改善の上で必要な事項に関すること


4 教育長あいさつ
 学校給食は,法に基づき,学校教育の一環として実施され,子どもたちの心身の発達に大きく貢献してきたが,半世紀を経た中で情勢は大きく変化した。
「飽食の時代」と言われ,学校給食の役割は終わったとの指摘もある。
社会環境の変化の中で子どもたちの生活環境も多様化し,偏った食習慣に起因する生活習慣病や心の病など,新たな課題も生じており,学校給食の今日的意義も大きく変わってきているのではないか。今日的な背景の中で学校給食の果たす役割を見直す必要がある。
 議会でも指摘されたが,学校施設の老朽化に伴う問題に加え,教育予算約 250億円のうち,学校給食にかかっている公的負担が6分の1の40億円となっており,別に保護者負担が30数億円かかっている。新しい社会に対応するために,情報教育の充実,公民館,博物館等の新しい需要が出てきている。こうした実状を見極めたうえで,食の問題,施設の問題,衛生管理,効率的運営がどこまで可能か,総合的に検討をお願いします。

5 質疑内容
 岡山市の学校給食の現状について,事務局から,学校給食の実施根拠及び目的等岡山市学校給食の歴史,岡山市の学校給食の実施状況,学校栄養職員・給食調理員の配置基準,勤務状況,給与等支給額,平成9年度の学校給食の運営に要した経費について,資料に基づき説明。質疑応答の概要は以下のとおり。

委 員: 牛乳、パンは業者から購入している。炊飯は学校でするのか。

事務局:
主食は,県給食会が委託業者を決める。米飯はパン業者へ委託し,炊飯,搬入する。小・中学校では炊かない。夜間の定時制高校1校で炊いている。

委 員:
学校栄養職員の配置状況だが,国の標準では,単独校は 600人以上の学校に1人,599人以下の学校は4校に1人配置するとなっている。岡山市は基準どおりか。

事務局:
文部省の栄養職員の標準では,小学校40人,中学校17人,高校1人,共同調理場4人の計62人となり,人件費は県負担となるが,現実は小学校25人,中学校10人の計35人が県費負担職員で,残りは,市費負担の栄養士を配置している。また,岡山市では,基準を超えて,市費負担で全ての学校に栄養士を配置している。

委 員:
栄養士,調理員の勤務状況で,中学校では,勤務すべき日が 245日,給食実施日数 163日,給食を実施しない日82日とあるが,82日は休みか,出勤しているのか。

事務局:
82日のうちに,三季休業(春休み,夏休み,冬休み)や,中学校の場合は学期末考査などが入る。そのときの業務内容は,文化祭に参加とか研修会,また,給食調理場の隅々までの掃除等をやっている。一応,学校には全職員が来ている。

委 員:
学校の直営とセンター職員の身分,職制はどうなっているか。また,1食つくるのに8時間労働が必要か。労働密度はどうなっているのか。

事務局:
センター,単独校とも直営で,身分は正規職員とパート職員である。勤務は8時半から5時まで,下処理から始まり,12時ごろには給食ができる。午後は,返却された食器の洗浄消毒等をする。

委 員: 民間では標準作業量を設定するが,調理現場で仕事量の調査をしたことがあるか。

事務局: 実態については,部会で資料を準備して説明したい。

※要請書について
 事務局から、8月4日に「岡山市の学校給食をみんなで良くする会」から学校給食の民間委託に反対し,岡山市の学校給食をより豊かで安全なものにするための要請書(74,817筆の署名)が提出されたことを報告。

以 上

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