まりの麻雀日記


第11話「まり家のお正月」

恐怖のお正月がやってくる。それは毎年繰り広げられる「親戚」という名の 雀鬼達の集団が私のサイフをめがけて襲ってくる。ああ、恐ろしい。 奴らの金銭感覚はどうかしている。年端も行かない女子供相手にビシバシと金を巻き上げて、 ついでにおせちも食べて酒まで飲んで帰っていくのよ。ひどいと思いません? 1番の悪人は、なにを隠そう我が家の父上です。 去年の正月は、大晦日から元旦にかけて差し馬で12半荘打ち、 イトコの高校生のユカちゃんからバイト代では到底払い切れない金額を巻き上げていた。

「ま、お年玉も返してもらったことだし、残りはリボ払いでいいぞ」 と言われてユカちゃんは涙目になっていた。

アイツは絶対お母さんと通しサインでズルしていると見た。 それじゃなかったら、あんなタンキ待ちのリーチとか毎回アガれるわけないもん。 ユカちゃん、ごめんね。こんな親で。

でも、あんたの親もひどいよ。私から狙って国士アガることないじゃん。 しかも、お正月から役満振り込むなんて縁起が悪いったらありゃしない。 今年は一体どんな戦いが繰り広げられるのでしょーか?今からビビって、夜も眠れません。 結果は来年。生きていたらお会いしましょう。それでは、良いお年を。