産地訪問記 19994.4.
滋賀県高島郡安曇川町




 今回は、桜の満開の時期に3件のお店の方々と一緒に 滋賀県の北東部に位置する高島郡安曇川町のお米の生産者である奥谷義行さんの田んぼと畑を訪問しました。


 京都市内より桜の咲き乱れる加茂街道、大原、途中を経て北へ,花折峠から、朽木の街を抜け東へ、琵琶湖を目指します。山道を下りてくると田園地帯が広がり、安曇川町に入り、正午前に奥谷さんのお宅に到着しました。
 さすがに広大な敷地で、旧家のたたずまいそのもののお宅です。
 自宅の裏には自宅以上の大きさの倉庫があり、その裏にはビニールハウスが並び、この時期には苗代が作られ小さなお米が成長をはじめていました。倉庫横には、エアコンなどフル装備で一台が五百万円はするという すべての時期に大活躍の最新のトラクターが2台ありました。

奥谷さん宅での昼食会奥谷さん宅での昼食の写真

 昼食として 若ご夫婦が主になってバーベキューを作ってもてなしをしていただき、天気も良く、みんな食欲がすごくありました。参加者は『菜の花』の伊藤さんご夫妻と小山さん、『水車の夢』の長田さんご夫妻、『にんじんくらぶ』の徳本と廣野の姉弟、そして子供たちです。安曇川地方のことや、地区の農業の実情を話してもらいました。そして奥谷さん本人の趣味である骨董品、ミツバチ、機械いじりとどんどん話は続きます。

奥谷義行さん奥谷さんの写真

 昼食後はお米の話です。
この時期は、特別に自家調整した土とできるだけ原種に近い種籾を集めて苗代作りが始まっています。種子消毒には木酢液の500倍希釈液を主に使っておられます。
 倉庫の中には、お米収穫後に使う乾燥機がで3台もありました。最新鋭の機械には『グルメ乾燥』というボタンがあり、38度の温度で丸3日間の時間がかかり、通常の60度で1日の場合より、食味は上がりますが、3倍の経費がかかるそうです。
 また、脱穀機,籾抜き機、石より機、精米機、低音貯蔵庫など数々の機械が並んでいました。

奥谷さんの苗代奥谷さんの苗代の写真

 発芽より3日目でハウスへ それから3日目
 苗代は、倉庫内の銀のシートの付いた発芽機で芽を出させ、ビニールハウスに移動します。さらに白いシートをかぶせて温度を保ち成長を促します。さらに一週間 温度を保つと苗は鮮やかな緑色に変わっていきます。

奥谷さんの田植え前の田んぼ奥谷さんの田んぼの写真

 田で無農薬栽培の説明。
 現在は除草剤1回のみの無農薬コシヒカリを出荷しておられます。正直に無農薬米を造るには30反ほどが限界で残りは一般栽培米なので地区の農協に買い取ってもらうそうです。
れんげの栽培された田んぼは、ちょっと前までは、れんげの花が咲き乱れ、趣味で飼っているミツバチがその蜜を集めていたそうです。
 続いて、参加者の方々より質問が始まりました。
れんげの咲いた後の田んぼは、除草剤が要らないので完全無農薬栽培ができるそうですが、田にチッソ分が増えてしまい 食味が幾分か落ちるので、出荷にはまだ年月が必要とのことでした。
 れんげ畑の奥にある黒っぽくなっている田が現在取り扱っているお米を栽培する田んぼです。安曇川の澄んだ水が水源です。
やはり一般の栽培田に比べると土自体がまったく違い、黒っぽくなっていました。もう少しすれば、田植えが始まります。

 この地区の氏神さんである山田神社の少し離れた高台にある開拓された畑では、低農薬栽培のリンゴも取れます。昨年は木酢液の防虫が失敗で、リンゴの収穫はまったくなかったそうです。
 また、すぐ横には無農薬栽培されたキウイがあり、無農薬でもうまく出来るそうです。11月頃の枝の選定作業はかなり苦労するとのことで、リースを作りたい方は是非とも切りに来て欲しいそうです。
 この高台の地区では、一般作物はすべてサルやイノシシやクマによりすべて食べられてしまいます。無計画な植林により山では動物の食料がなくなってしまったからだそうです。



 お米生産者の奥谷さんから現在の農村の事だけではなく、かなりの山間部も所有する安曇川町の林業関係の事までもの現況や問題なども聞く事が出来ました。
 今回は時期的にお米の実ったところが見られなかったのが残念でしたが、山も湖もある農産物の生産地を見て私自身も子供たちにも良い勉強になりました。



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