沓脱石・飛石材料

沓脱石 : 

沓脱石は、実用的には室内から庭への出入りをしやすくするために据えられる踏段の石であり、その役割は出入りをしやすくするためだけでなく、軒内を美的に構成するという重要な役割がある。
 沓脱石は室内と庭との最も近い接点であり、室内から庭を眺めるときに最初に目にする石で、その石を通して庭を見ることになるので沓脱石は庭の前景とも言える。それゆえ庭に奥行きを与え軒内を美的に構成する重要な役石の一つです。

沓脱石の選び方 : 

建物や庭にとって重要な役割を担っている沓脱石の選び方を下記に記しますのでご参考に。
1 一石で用の足りるものから選ぶ。
2 石の踏面になるところが広くて平らなこと。
3 石質が硬くて、肉厚があり根張りがあるもの。
4 石の色調に品格があること。
5 大きさは、あまり大きすぎても小さすぎても好ましくない。建物と庭の大きさやその形式とバランスのとれる大きさを選ぶ。

6 正円形・三角形・真四角の石は避けた方がよい。
7 硬質の加工切石は、使う場所によっては自然石より効果がある。

京都で産出され古くから使われている沓脱石・飛石

鞍馬石・丹波鞍馬石  京都では鞍馬から産出する鞍馬石と丹波地方より産出する丹波鞍馬石とに大別される。鞍馬から産出する鞍馬石を本鞍馬(本鞍)という、丹波鞍馬石(丹鞍)・山梨県産の甲州鞍馬石(新鞍)に対してこれが本場ものである。
本鞍馬石は京都市の鞍馬より産し、地表下にあるものを掘り出して採取する。今日では良質のものの産量が減じたが、昔の庭ではこれを使うことを誇りとしていた。石質は黒雲母花崗岩で特に酸化鉄の存在により玉葱状剥離が現れ、鉄錆色が全面を覆っているのが上物とされる。製品としては、殆ど加工されていない、天然の形で沓脱石・飛石等に用い、時に水鉢として穴を穿った自然型手水鉢もある。現在は産出も少なく、殆ど丹波鞍馬石・甲州鞍馬石で代用されている。
 丹波鞍馬石は、本鞍馬石と同じく、鉄錆色であるがサビ色の冴味が劣る。製品としては石の周囲を加工した物が殆どであり、自然のままの状態のものは石積用(野面積)として利用されている。関西地方では需要も多く本鞍馬石の代用として利用されているが、近年、良質の物が減少している。


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