幸い、心底善良な叔母さんがおりまして、残された桔梗さんの世話を事細か
この叔母さんというのは前に書いた「一叩き七匹」というお話の中で青年社長の心を射止めた太田知恵さん。彼女の名前の由来は、近所の駅前のカレー屋さんの店員さんの名前から。お客には評判が良く、彼女を見るために朝からカレーを食べに行く人も多い。
「大丈夫じゃ、富士のすそ野もいいが、長野もいいところじゃろう。
前に勤めていた研究所は富士のすそ野にあった。最近寝そべった巨大で醜悪な人形のオブジェが作られたので、そのセンスの悪さに怒ってしまいその地を離れたというのが真相らしい。
「はいはい、ぼくも会社を辞めてはかせの助手に専念することにしましたから。
長瀬君は蕨市にある情報産業の会社に勤めていた。この時26歳。まだ青年で通るようだ。
実はその日八月三十一日は桔梗さんのお誕生日だったのです。
八月三十一日はこれを書いた日。知り合いの誕生日。お誕生日おめでとう。もちろん女性。わたしが男性の誕生日を祝うわけがない。彼女、子供の頃は夏休みの宿題に追われていて誕生日どころじゃなかったそうだ。
大きな黒い塊、それは鉄のようにも見えて、靄のようにも見えるそんな塊
実は書く前にジャイアントピーチ(映画)を観てしまった。創作の中くらいは不幸に終止符を打ちたいもの。
「ぱっぱぱっぱぱっぱぱぁぱっぱっぱっぱぱっぱぱ、そらいけ、安眠製造装置、
進軍ラッパのメロディらしいが、ポンキッキーズのオープニングかも知れない。
『悪夢ばくばく君』じゃ。嫌な夢はみなばくばく喰っちゃうぞぉ」
いつもこんな調子で、なんでも「君」をつければ良いと思っているよう。だから長瀬君も「君」付きで呼ぶのかもしれない。
それにデザインなら、ぼくの彼女にやってもらえばもっと可愛いのに仕上がったのに
長瀬君の恋人は普段から「コスプレ」しているイっちゃった娘さん。お化粧もばっちりだが、お裁縫もばっちり。可愛いものを作るのも断然得意。でも彼女に作らせると丸Cマークの入ったぬいぐるみになってしまいそうで恐ろしいかもしれない。
博士と長瀬青年の声です。象だか犀だか牛だか虎だか、はたまた熊だかわか
らないような変なぬいぐるみが、ぱっぱか走り出し黒い塊に突進していきます。
ツートーンカラーで豚のような描写をされることの多いマレーバクではなくてここではオーソドックスな獏。
ちょっと見ただけでも手作りとわかる箱にリボンがかかっていました。
箱も手作りたったが、ぬいぐるみも手作りだったのだろう。不器用な縫い目ではあったが、丁寧に作られていた。
恐く悲しい夢
これ書いてニフティやめることにしていた。