ブラームス・裏話


  
ブラ3秘話・・・・・なんでブラ3になったのか?


  牛山氏により紹介されたブラ3選曲総会のことですが、万年当て馬の候補となっていたのは、確か「展覧会の絵」です。これは未だに実現していませんよね。それからブラ4が急にブラ3に差し替えられたことに関しては、当時のPL会議では、ブラームスの3、4両者が候補として検討されていたのですが、私は最初から、もしブラームスを取り上げるのなら、是非3番にしたいという気持ちがあり、それを当初より主張していました。理由は、金大フィルでまだ1度も取り上げられていない唯一のブラームスであったこと、4番は名曲中の名曲であり、いずれまた候補に挙がることがあると思われるけれど、地味な3番をやろうなどと考える酔狂なやつはおそらく今後現れることもないだろうと思ったこと、そして、個人的にこの曲が大好きであったことです。
 しかし、当時の若い弦楽器のPLたちはやはり4番に対する思い入れが大変強かったため、最終的に私が折れて総会には4番があがったといういきさつがあったのです。したがって、3番を取り上げることができ、コンマスとして演奏できたことは大きな喜びであったし、大変充実していたヴァイオリンセクションの実力を十分発揮できた演奏と今でも自負しています。そして予想通り2回目のブラ3は未だ実現していませんね・・・。

 なお、以下は蛇足で、半分はフィクションと思ってください。その前年、43回定期でマーラーの巨人を演奏し終えた後、私と堤さんが酒を飲みながら本因寺で交わした会話です。

以下:堤、:山口

:「 山口、ところで来年なにやる?」
:「団員の中では、惑星をやりたいなんて声もありますよ。それから幻想の人気が管、弦とも結構高いようです。」
:「「惑星か、あんなの振るのはそんなに難しくないんだよな・・。幻想か、幻想・・・。そうか、幻想!うん、いいねいいね。」(相当乗り気)
:「僕は個人的には火の鳥、ブラ3なんてかっこよくないですか?ブラ3を前半にして。」
:「そうだなあ。確かにかっこいいけど火の鳥は何年版だ?」
:「2管の1919年版じゃ短いし、1910年版の全曲はしんどいし、ちょっと長めの45年版か、4管の11年版組曲なんてのもありますけど・・ 」
:「うーん」
:「それじゃ我が祖国とブラ3なんてのはどうですか?我が祖国は前半として第1部だけにするとか・・」
:「我が祖国全曲とブラ3だったらいいぞ!」
:「そりゃ無茶でしょう・・。でも第一部でも曲順を変えてヴルタヴァを最後にしたらオープニングサブメインとしてけっこうすわりがいいんじゃないですか?」
:「まあ、それぐらいだったらいいかな。」

 半分(以上)ホントの会話です。

  確かにブラ3を後半に演奏するプログラムが据わりの悪いのはその通りだと思います。アンコール選曲総会では当時としては異例でしたが、総会に提出したのは火の鳥ただ1曲でした。しめやかなブラ3の後、明るく演奏会を盛り上げるのはこれしかないと思ったからです。


      第44回定演 コンサートマスター   山口泰志氏







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