巨大ミカドウミウシのダンス

 

 

上昇中のミカドウミウシ

02-6-21
カスミポイント水深30m辺り

   
水温が27、28℃に上がり始めた6月後半、北リーフの崖下には24、5℃の冷たい(冷たくはないが浅場と比較して)潮があり、極端な温度差ではっきりしたサーモクラインが出来ていた。

少し流れのある崖下水深35mあたりの岩陰に、40cmはありそうな大きなミカドウミウシを見つけ写真を撮ろうとファインダーごしにねらっていたら、いきなりムクッと頭を持ち上げた。一瞬の間をおき水面に向け垂直に泳ぎ始めた。巨大なため動きはのろそうに見えるが、スピードはけっこう速くどんどん上昇していく。群青色の海に大きなミカドが泳ぐ姿は美しい。慌てて追いかけながら写真を写しているうちにあっという間に10mも浮上してしまった。それでも泳ぎを止めずさらに上昇するので、仕方なく手をかざして「もう止まってよ!}とウミウシの行く手を遮ったら、想いが通じたかのようにいきなり動きが止まった。
平たくなってUFOのように水平にプカンと浮かんだままじっと動かない。そのまま流されながら少しづつ沈み始めた。

   

 
全然動かないので崖に戻りながら見送っていると、ゲストの田中氏はデジカメで撮影しながらしばらくウミウシに付き合っていた。後で聞くと「大きなウミウシカクレエビがいたので撮影していた」のだった。
   


ゲスト田中氏撮影の大きなウミウシカクレエビ、こんなに白いものは珍しい。傍の白っぽい何かを食べているようだが、ウミウシの糞だろうか?

 

ウミウシやウミシダが少し浮かんで流れを利用しながら場所移動することは知られているが、ウミウシのページでも述べたように実際に巨大なウミウシが泳ぐ姿を初めて目にし、その迫力や美しさ、また思った以上のスピードに感動した。
 

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