久保田塾・塾長のつぶやきスペシャル

私立中学入試問題は語る。

私立中学に限らないと思うが、入試の対策には過去問をやるのが一番と言われる。
私もそう思う。
なぜなら、入試問題には、その学校のメッセージがしっかりと込められているからだ。
そのメッセージを意識して解くのと、何も感じずに解くのとでは
結果にも自ずと差が生まれる。

いや、むしろ、そのメッセージからこそ、この中学が自分に合うのか合わないのか
そうした意味さえはっきりと読み取れるのだ。

前置きが長くなった。
算数にすらはっきりとしたメッセージがあることを示したい。

2004年の入試問題を解いていて、
2つの名門校の入試問題から
あまりにも対照的なはっきりとしたメッセージを読み取り
その違いに目を見張った。
(その感想は2004年2月6日の「つぶやき」に述べた。)

次の2問だ。

2004年・桜蔭中[3番]
あるお菓子屋さんでは1個120円のお菓子を売っています。6個入りは箱代が80円、
9個入りは箱代が100円です。このとき次の問いに答えなさい。
(1)6個入りと9個入りの菓子箱はそれぞれ何円ですか。
(2)6個入りと9個入りの菓子箱とばら売りを何個かずつ買ったところ全部で8780円になりました。
6個入り、9個入りの菓子箱とばら売りを、それぞれ何個ずつ買いましたか。
考えられるすべての場合を答えなさい。
ただし、ばら売りは20個以下とします。

2004年・女子学院中[5番]
(1)222の約数を全部書くと、(                 )です。
(2)花子さんは、1個37円の商品Aと1個80円の商品Bと1個62円の商品Cを何個かずつ買いました。
値段の合計は22200円で、商品Bと商品Cの個数の比は3:4でした。
花子さんは、商品Aを(   )個、商品Bを(   )個、商品Cを(   )個買いました。

さあ、皆さんはこの2つの問題からそれぞれどんなメッセージを感じ取りましたか。
一見似ている。
でも先ほど私は
「あまりにも対照的な」メッセージをはっきりと読み取ったと書いた。
それぞれの問題は、一体どんなメッセージを送っているのだろう。

問題のメッセージを読む。