強度の高い運動やマラソンなどのあとには風邪を始めとする感染症を起こしやすいことが知られています(「疲労と休養」Vol.6参照)。
トライアスリートは、冬場だけでなくトレーニングの後にうがい手洗いをおすすめしますが、食事面から免疫力をアップさせることはできないものでしょうか。
免疫機能をアップさせる食品というのは、ちまたでいろいろ言われていますが、タンパク質の不足はいけないということは確か。また血液中のグルタミン(これもアミノ酸)は、白血球の活動に重要な役割を果たしているそうで、オーバートレーニングの選手では、血中グルタミン濃度が低くなっています。
長時間の運動を行った後の持久的な競技種目の選手に、グルタミンを投与すると、グルタミンを摂らなかった選手より感染症にかかりにくかったという研究報告があります。
ところで、先進国では栄養過剰のために肥満や糖尿病患者が増えていますが、こうした人たちは皮膚感染などの感染症にかかりやすいことが知られています。研究の結果、普段運動をしていない人にとっては20〜40%程度の食事制限をしたときが最も免疫能が高くなることがわかりました。ただし、この「腹八分目」の食事制限はあくまでも免疫能を維持する方法です。免疫能を積極的にアップするには、20〜40%程度タンパク質を増やした食事を摂りながら、毎日適度な運動と十分な休養を十分とるのが効果的です。また、合わせてビタミンAやCの摂取も心がけましょう。
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