1992(平成4)年11月27日 公衆衛生審議会伝染病予防部会予防接種委員会
『MMRワクチン接種後の無菌性髄膜炎発生等の副反応モニタリング結果及びMMRワクチンの今後の取り扱いについて』

<抜粋>
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2.MMRワクチンの取り扱いについて

 統一株MMRワクチンは接種希望が少ないため、平成4年10月以降使用されていない。また、自社株MMRワ
クチンは統一株MMRワクチンと比較して無菌性髄膜炎の発生頻度が低い傾向があるため、今後は麻しんの
定期接種時にMMRワクチンの接種希望があった場合には自社株MMRワクチンを使用すること
とする。

(下線、太字は引用者による)

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予防接種委員会委員
平成4年4月8日開催の委員会資料にある名簿によれば
 委員長:平山宗宏(日本総合愛育研究所所長)
 委員:大谷明(国立予防衛生研究所名誉所員) 木村三生夫(東海大学医学部教授) 野崎貞彦(日本
     大学医学部教授) 南谷幹夫(東京都三鷹保健所長) 村瀬敏郎(日本医師会副会長)
 参考人:植田浩司(九州大学医学部教授) 神谷斎(国立三重病院長)

(親部会)公衆衛生審議会伝染病予防部会委員
平成3年12月10日開催の部会資料にある名簿によれば
 部会長:石丸隆治(ヒューマンサイエンス振興財団専務理事)
 委員:上原すず子(千葉大学教育学部教授) 大谷明(略) 織田敏次(日本赤十字社医療センター院長)
     栗村敬(大阪大学微生物病研究所感染症病理学部教授) 柴義康(大阪厚生年金会館長) 前川
     喜平(東京慈恵会医科大学教授) 松浦十四郎(社会保険診療報酬支払基金常任顧問) 南谷幹
     夫(略) 村瀬敏郎(略) 山口剛(東京都立駒込病院感染症部長) 山崎修道(国立予防衛生研究
     所副所長) 山本光興((国分寺市医師会予防接種センター所長) (予防接種委員会委員長)平山
     宗宏(略)
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問題点

  1. 「使用されていない」とあるが実際は使用されていた。
  2. この意見がとりまとめられた後、厚生省が都道府県に通知した形跡がない。


参照:MMRワクチンを問い直す−「お上の」予防接種は安全なのか?−栗原)

 ところで、92年12月9日NHKニュースモーニングワイドが「厚生省 MMRワクチンの『統一株』使用中止へ」と報道した。(91年10月自社株導入以後について)「しかし、『統一株』ワクチンについてはその後もおよそ千人に一人の割合で副作用が起きたことなどから製造が打ち切られ、最近は『統一株』ワクチンが全く使われなくなっています。このため厚生省の予防接種委員会は、これ以上使用を認める意味がなくなったとして、『統一株』ワクチンの使用を中止する方針を決めたものです。厚生省ではこれを受けて近く公衆衛生審議会に『統一株』ワクチンの使用中止を諮ることにしています。」(注)という内容だった。
                               (注)NIFTY-Serve NHKテレビニュース原稿ファイル
 以上のことから、次の3点の問題がみえてくる。

 予防接種委員会が使用中止を決めた時期には、モニタリング(前述)情報によると統一株の使用量はごくわずかになっている時期であり、この決定はあまりに遅すぎる決定で、在庫処分を待って為された決定といわれても反論できないものである。

 個々の接種医レベルで考えて、91年10月以後も統一株を使い続ける医師は、常識的な市民の目からして特に異状である。はしか単独の接種に切り替えることが自然な判断だというべきである。しかし打ち続けたということは、国が放置した故の「在庫処分だ」としかいいようがない。


<原文書の画像>