御手洗mitarai
(広島県呉市・重伝建)

潮待ちの港として繁栄した、「離島の花街」
(旧バージョン)

御手洗は、瀬戸内海に浮かぶ大崎下島の東端に位置する港町。天然の良港として、江戸時代には潮待ちの港となり、西廻り航路の北前船や、参勤交代の諸大名の船が立ち寄ることにより、物資の集積地として著しい繁栄を遂げた。

建物が現存している若胡子屋(タイトル写真右側)を始め、この町にはお茶屋がいくつもあり、花街としても全国有数の規模であったという。若胡子屋は100人もの遊女を抱えていたと言うから驚く。諸大名やオランダ商人が豪遊したとか、惨殺された遊女の伝説とか(「女郎鉄漿事件」、紀行文参照)、花街にまつわる様々な歴史が残されている。

江戸時代に造られた「千砂子波止」と呼ばれる防波堤が今も残り、かつての港の様子を想像することが出来る。広島と愛媛の間に位置する大崎下島だが、「しまなみ海道」のルートからは少し西に外れており、今のところ船でしか行くことが出来ない。いずれは本州との橋が架かる予定だが、「離島」であるうちに行ってみるのも良いと思う。

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