(神戸市北区) |
有馬温泉は、日本でも最も古い歴史を持つ温泉の一つで、日本書紀の中にすでにその名が見られる。奈良時代には行基によって温泉寺が建立され、そこから温泉場としての発展が始まった。それ以来、洪水や地震などの天災に遭いながらも、その都度再興しながら、有馬は現代に至るまで名湯としての地位を保ってきた。 「湯本坂」の狭い通りに沿って、有馬名物「炭酸煎餅」の店などの建物が並ぶ、古い町並みが続く。この通りを拡幅するという計画もあったようだが、この風情を守ろうとする地元の運動もあって、計画は撤回されたとのことだ。 夕暮れの有馬温泉。電球の暖かみのある灯りが点る、いかにも温泉場らしい味わいのある風景が素晴らしい。旅館で温泉に入ってから、浴衣姿で町歩きなどをすれば、さぞかし風情が感じられることだろうと思う。