二月




節分。立春の前夜が節分で、新しい春を迎え るための清めの儀式をさします。ですから、邪気の 象徴である鬼を追い出す儀式で、そのとき豆をまく のは“魔を減ぼす”という意味があるそうです。
豆をまくのは、年男か一家の主人が五つ紋付、羽 織袴の正装でその役にあたります。豆は年の数だけ 食べますが、神社・仏閣でまかれた豆は“福豆”で すから持ち帰って神棚にお供えします。
@黒羽二重五つ紋付にお召の袴です。男の正装で すから、半衿は白、足袋も白、羽織ひもも白です。
きものと羽織/100.000円(竺仙)衿/78.000円(矢代仁) A二月の季語をきものにあらわした雪輪模様の紬 です。20代〜50代までお召しいただけるきものです。
帯は紬地にピカソの絵を織り出した袋名古屋帯です。
きもの/110.000円(北村) 撮影/石屋光 髪型と着つけ/松原志津枝 モデル/ 島 産子 撮影協力/三井ホーム(萩窪すまいの森)帯 =渡文
【きもの小事典】羽織
 華やかな振り袖や訪間着@中では、ミセスの控えめな 羽織姿は、おちついたしっとりとした味わいがあって目 立つものです、ただ羽織は、歴史の持つゆえんでしょう か、正式な改まった席ではお召しになれません。
 羽織の五つ紋は男性の礼装です。そもそもは武士が戦 争のときに着た、家紋をつけた陣羽織から発達しました。 服装によって階層が表現されていた江戸時代には、茶人 と医者が着るものでした。
明治時代こなって一般化され、 黒五つ紋付羽織袴が男性の正装になり、洋服でいえばモ ーニングの格に値します。このように羽織は男性の着る もので当初女性は着なかったのですが、江戸時代の末、 深川の芸者衆から流行が始まり、明治に入って一般化さ れ、粋筋が好んで着たのですが、年配のかたの紋付以外 は、人前では着ない習慣が残っており、近年になって絵 羽や小紋、絞り、アンサンブルなどがおしやれ着や防寒 用として着られるようになりました。
 羽織の着こなしは、入園や入学などの略礼装として用 いる黒紋付や黒絵羽以外は、きものとの調和で決まりま す。羽織の色はきものの色調より濃いめの色が引き立っ て見えます。またその反対に、冬は白っぽい羽織が引き 立ちます。羽織ひもは、帯と帯締めの上に重なるもので すから、調和がむずかしいのですが、羽織の地色に合わ せたものがいちばん無難でしょう。


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