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2003年6月のお嬢(上)





 6月15日

 茂山一家の狂言は素晴らしかった。
 特に千作翁には、だてに人間国宝じゃないなぁ、と心底感服するほかない。
 たいがい、新作の伝統芸能とかいうとイロモノ的な要素が強くて、例えば熊川哲也のバレエがそうだったけど、
 ストーリーのないところでただ単に飛んだりはねたりまわったりしたからって、だから何?みたいな気になって、
 最終的にはやっぱり古典よねー(実際、熊川哲也も最近では古典バレエに取り組み始めたようだ)、
 つーことになってしまうことが多いのだが、今回はちょっと違った。
 狂言はそもそもストーリーがいたって単純で、落語で言えば「まんじゅうこわい」みたいなものが多い。
 厳しいけどちょっと間抜けなご主人と、ぐーたらでずる賢いけど憎めない太郎冠者と次郎冠者がいる、
 今で言うシチュエーションコメディーみたいな気がする。(と書いてもいいのかな?三谷幸喜よ)

 なので、どういうことかというと、いかに新作の脚本だろうと、衣装がド派手だろうと、現代語で演じようと、
 極端な話、その設定やストーリー自体に新鮮さとか斬新さとかはそれほど感じられないわけだ。
  (なーんて偉そうなことを言って、実は狂言を実際に見るのは2回目。えへへ)
 その代わり、というか、つまるところそこで表現されるのは、それぞれの役者が極めた技でしかない。
 これがまたなんとも恐ろしいことに、私のようななーんにも知らない小娘が見ても、それがわかってしまうのだ。
 ちなみにその「わかる」と言うのは、理屈や知識とはまったく別の時限の話であって、
 極めて人の心の核に近い部分が「わかる」のだ。(逆に、だから素人でも「わかる」し、楽しいとも言える)
 意識と無意識の境目に入り込んでくるようなこの感覚は、何とも恐ろしいようで心地よい。
 ニッポンの伝統芸能は思いのほかソウルフルなのだ。

 いやー、すっげーなー。もう1回観たいなー。
 と思ったら、17日に金沢に来るんだって!みんな急げ!



 6月14日

 最近、理論物理学、つーか、素粒子物理学にはまっているこなつです。こんにちは。

 ちょっと大げさです。いや、でも本当です。
 しかしながら、いま私がはまっているのが果たして本当に理論物理学なのか、素粒子がなんなのか、
 なーんにもわからずに適当に書いているので、今後私が物理を語るにあたって、
 間違った記述がたくさんあると思うのですが、あらかじめごめんなさい。
 どなたか親切なお方がいらっしゃったら、やさしく教えてください。

 きっかけは、ノーベル賞の小柴さんだ。(今さら…しかも何と単純な…)
 で、カミオカンデが出来るまでの話を先日のプロジェクトXで見て、
 数年前に神岡で見たスーパーカミオカンデの観測データを思い出し、ようやく「それ→ノーベル賞」
 ということがつながった(これまた今さら…)私である。
 しかししかし、なぜ「それ→ノーベル賞」???という謎はいまだに解けない。
 うぉーーー小柴さんは何がどう偉いんだ!!!

 というわけで、「そういうこと」に詳しい友人に、いい本はないか、と尋ねてみたところ、
 『エレガントな宇宙』という本が良いと言う。
 (ちなみにその人は、その話の最後の最後に「ちなみに電話帳ぐらいの分厚さの英語の本だよ」などと
 ふざけたことを口にしていたが、無事日本語版を見つけることが出来てホッ)
 それにしても相対性理論???量子力学???な私である。
 弱った。とてもじゃないが、挫折するのは目に見えている。で、購入延期。

 それで結局コレから挑戦した私である。
 すべてふりがな付き。小学校低学年以上が対象だ。
 これを金沢駅のコンビニで購入して、大阪行きのサンダーバードに乗り込んだ。
 目当ては茂山一家の狂言『王様と恐竜』の鑑賞(物理とは無関係。念のため)と、大阪市立科学館
 さて、これで学生時代に物理で20点しかとったことのない私が、宇宙の誕生を知ることが出来るのか!?
 乞うご期待である。

 物理の話は今後も飽きるまで続きます。



 6月10日

 こたろうはなかなかカワイイ奴だ。
 クルクル回ったり、ゴロゴロ昼寝をしたり、自由気ままにやっている。

 「こなつは誰に似ている?」と聞いてきたりもする。
 似てるねー、とこれまでに言われた有名人を思い起こしてみる。

 最初「森高千里」と入力しかけて、消した。
 これは、遠い遠い昔、中学2年のころの懐かしい記憶。
 今ではなんだか申し訳なくて、そんな大それたことはとてもじゃないが、言えない。

 「東山紀之」と入れるのもやめた。
 なんか今さら少年隊もどうよ?という感じ。

 「皇太子殿下」もやめた。
 さすがにそこまで言わなくても。

 「青田典子」もねぇ。
 つーか、誰よ?みたいな。しかも似てねー。

 というわけで、ここ数年皆がニヤリと笑って「おぉぉ〜」と言う、この人にしました。
 昔は夜になるとよく「おい、食いしん坊万才!の時間だぞ、早く行け」と言われたものです。
 まぁ、ワタシって、そんな顔らしいです。



 6月9日

 なぬぅーーー!
 案の定というかなんというか、先日植えた庭の花たちが枯れ始めた。
 たぶんワタシの朝寝坊、というか、そのせいで水をやらなかったことが原因だ。
 まさに自業自得。誰のせいでもない、多分ワタシが枯らした、と思う。
 ちょっと反省。(←もっと反省しろ!と言ってやってください)

 ちょっとしか反省しないのは、こんなワタシのひどい仕打ちにも構うことなく、
 次々と花を咲かせている鉢がいくつかあるからだ。
 ということは、そう。
 枯れたのは私のせいじゃなく、その苗そのものが弱かったせいではないかしらん。
 えへへ。(←そんなお前の態度が花を枯らすのだ、と言ってやってください)

 友人に話すと「ちゃんと花に話しかけていたかい?」と言われた。
 なんでも、植物ってのは、話しかけてやるととても健やかに育つのだそうな。
 中でも特にテキメンなのがサボテンだそうで、あんなトゲトゲで分厚い果肉があって、
 いかにも頑丈そうな見かけのくせに、放っておくと、みるみる弱っていくんだとさ。
 水やりは要らないけれど、会話が必要って、なんちゅー植物や。

 まぁ、そういうわけで、とりあえず今は蘇生作業を試みている最中。
 この先どうするか(足を洗うか、再挑戦するか)の判断は、もう少し後のことになりそう。
 今度は本気でサボテンと話でもしてみようかね。



 6月8日

 「こたろう」を子分に迎えました。
 遊んでいただけると喜ぶようです。よろしくお願いします。

 風邪がちっともよくならない。
 抗生物質をのんだから体力が落ちたとか、咳止めシロップは胃に悪いとか、
 まぁ、色々言われるけど、なんというか年齢を感じざるを得ない、今日この頃。
 物憂いなぁ。



 6月6日

 お茶のペットボトルをカバンに入れて帰ったのだけれど、蓋がゆるんでいたらしく、
 バスの中で、太もも辺りがずぶ濡れになった。なんという無力感。
 ノートや勉強会のレジュメは何とかセーフだったのだが、
 高野悦子の『二十歳の原点』だけがもろにお茶を吸い込んで、えらい事になった。
 1冊目は友人にあげてしまったし、2冊目はビロビロのメロメロになってしまった。
 好きな本なのに、どうしてこうも縁がないのか。
 3冊目を買ったっていいのだけれど、またどこか私の手の届かない所に行ってしまいそうだ。