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2000年9月のお仕事日記 (今月から新しい順に並んでいます)


9月9日

面接を終えて、本社から大阪駅に向かおうとして、迷子になった。
聞いたとおりの道を歩いたはずなのに。おかしいな。
30分も歩いて見当違いの駅にたどり着き、電車で大阪駅に行って、金沢に帰った。
金沢には、インドネシアで会った友人に偶然会えた。一時帰国のついでだそうだ。
進む道を見つけたのかな。去年会ったときより、幾らかすっきりした顔をしていたように思う。
面接を終えたばかりの私に彼は「筆記試験に通っただけでもすごいじゃん」と、声をかけてくれた。
ああ、そうか。そう思えるというのが、彼と私の決定的な違いだな。
夜中まで待ったけれど、合格を知らせる電話はかからなかった。
「筆記試験に通っただけでもすごいじゃん」。
そう自分に言い聞かせたけれど、やっぱり涙がとめどなく落ちた。悔しかった。


9月8日 邪、とかいて、よこしま

昨日は「大東亜聖戦大碑をどーするか」的集まり、今日は「アムネスティ」の集まり。
普段は何げに顔を出す集まりも、明日が面接だと思うと、ついネタ探しになってしまう。
そんな自分がすごくイヤだ。もっと「素」にモノを見たい、と思う。
でも、それでは会社には受からないような気もするし。
とにかく、どうやったら面接に通るか、なんてことだけを思い悩んでいる自分が、とてもイヤだ。


9月7日 げぇ出る

ゆうべ、中高の同級生が北海道から帰省してきたので、「秋吉」で一杯やった。
その後、どういうわけか、我が家で飲むことになり、妹を交え、ワインでワイワイやった。
美味い御フランスのワインが無くなったので、妹がバリ島で買ってきたワインを開けた。
で、あまりの不味さに起きていられなくなり、茶の間で意識を失った。
あぁ、どうして、もう少し飲みたいな、というところで、止められないのでしょう。
どうして、どうして、酒飲みってこうなんでしょう。
この日、ひどいひどい二日酔いだったことは、言うまでもない。
ああ、どうして、どうして……。


9月6日 薬切れ

久々のお医者さん。薬が無くなったのだ。
「抗不安薬」というものを使っているのだが、薬が手元にあれば飲まずに済むのに、
薬が無くなると、途端に不安になってくる。不思議なモノだ。だから「抗不安薬」なのか。
医者はそこら辺を見抜いているようで「薬が切れたから来たんだね」と言っていた。
でもまぁ、また処方してくれたと言うことは、そういう通院患者もありなのだろう。
このまま薬を飲まずにやっていけたらいいのに、と切に願う。


9月5日 はて?

さぁ、みんなでやってみよう。
試験問題は近日中に公開されるだろう。まぁ、一度解いてみておくんなまし。
(え?どこ受けたんだって?)
問題はすべて5択。正誤を問うものがほとんどだ。
「ヤドカリは新しい住処を見つけたとき、頭から入ってサイズを測る」
「先日亡くなった成田きんさんは生前、重りを付けて足を上げ下ろしするトレーニングをしており、
それを『きんトレ』と呼んでいた」
「以下の選択肢からつんくプロデュースでないグループを選べ」などなど。
おいおい、どうでもいいけど「国民の3大義務」を即答できない社員に何人も会ったぞー。
まぁ、いいけどね。
論文のテーマは「17歳のころ」でした。ベタやなぁ。ベタすぎる。ベタすぎて準備無し。
そういえば一昨年のテーマは「世紀末」だったような。むむむ。
で、どーいうわけか、こんな試験に通ってしまった。いよいよわけがわからない。
9日にまた大阪に行くことになった。休みを取らなくては。
いや、その前にスーツを買わなくてはいけない。これは痛い。
交通費の2万円でも痛いというのに、何なんだ、就職活動って。


9月4日 骨休め

昨日、試験を終えてから、友人と合流し、有馬温泉に向かった。
芦屋だの何だのと、想像もつかないくらいの金持ちが住んでいる坂ばかりの街を
車で走っていたら、久々に軽く車に酔ってしまって、気持ち悪くなってきた。
鉄を含んだ温泉は、ちょっと錆臭く、上がり際に丁寧に洗い流したけれど、
お尻に錆が残っていた。
錆落としに行ったはずが、ますます錆び付いちゃったのか?悲しいぞ。うげっ。
いや、しかし、よく眠って、よく休むことが出来ました。よかったよかった。
そうそう、この日の昼飯の旨かったことったら、もう。「飲んだくれ」参照。


9月3日 頭の体操

試験当日である。
案の定、問題集を半分も終えられずに、この日を迎えた。
試験会場はさながら、エリート養成工場のよう。
この中から優秀な胚が選ばれ、エリートとして育ち、育てられる。
そんな奴になりたくない、と思いつつも、ここにいると言うことは、
やっぱりそうなりたいんだろう、と思う。皮肉だ。
一般教養と論文の試験の間に、男前の学生クンが1人声をかけてきた。
業界受験街道まっしぐら的風情を漂わせながら、秋試験を受けているって事は、
まだ決まってないのかな。
鼻っ柱の強そうな、ちょっと生意気そうな感じで、それが頭がキレそうな雰囲気を醸しだし、
二言三言交わしただけでは、イイ奴なのかどうなのか、わからなかった。
ついでに、試験もよくわからなかった。さっぱり、と言った方がいいのかも知れない。
それでも、必殺5分前学習(←試験官が片づけろ、と言うまで参考書を読みふける姑息な手)
が効いて、数問は救われた。
こういうの、土壇場のマナー、っていうのかな。いや、なんか違うな、たぶん。
論文の試験が終わって、席を立ったとき、すでに男前クンはいなかった。
いつ退室したのか、気付きもしなかったが、
どうやったら1000字の論文を90分足らずで書き終えて、途中退席できるのか、
私にはさっぱりわからなかった。
私は試験終了の声と同時に鉛筆をようやく置いた。997文字の論文だった。


9月2日 いざ大阪

試験会場は大阪である。
何がくやしいって、大企業が田舎モンに平等なチャンスを与えていないことだ。
今回の試験会場は全国5カ所。札幌・東京・大阪・名古屋・福岡である。
学生の時は、1時間かけて毎度福岡で受験していた。
そして、金沢に住む今は、往復1万3000円を使って大阪に行かねばならない。
あと、これは私の都合だが、到着してすぐに、4時間の試験に挑むのも酷だと思い、
前日入りして、安宿に泊まる。
就職試験を受けるのに、なんやかんやで、2万円の出費である。
それにしても、東北の受験生たちは一体どこで試験を受けているのだろう?
とても心配である。まったく余計なお世話だが。
で、首都圏の大学生たちは、というと、田舎モンが使うその2万円で予備校に通い、
作文の添削を受け、そして祝杯をあげるのだろう。悔しい限りである。
そんな奴らが、会社にもチラホラいる。
それなのに、あえて2万円を使って、その会社を受験しに行くなど、愚の骨頂か。
いやいや、まぁ、そういわずにやってみよう。
そう。2年前の私には言えなかった考え。少しは丸くなったかな。身も心も。
で、田舎モンの私は、せっかくだから、などと言って、グルメマップを買い、洋食屋を目指すのだ。


9月1日 受験勉強

某社の入社試験を控え、1週間ほど前から受験勉強なるものを始めていた。
昔からの悪い癖で、目標だけは高く、分不相応の課題を自らに課す性格だ。
今回もずっしり重い夢と同じくらいの参考書やら問題集を買い込んで、
勉強漬けになってやるぅ、などと意気込んでおったのだが、
どうも逃避傾向にある性格はそう簡単に克服できるものではなく、
結局1冊の問題集も終えることなく試験を迎えてしまいそうだ。
自慢じゃないが、生まれてこの方、1冊の問題集も終えたことが無い。
しかし、幸か不幸か物持ちだけは良いようで、未だに中学時代の問題集を
新品同様の形状を保ったまま持っていたりするのだ。
嗚呼、またこの先何の役にも立たない蔵書が増えるのか、と思うとイヤになる。
なんてこと言ってないで、勉強しろよ、ってか?ごもっとも。