ーファミリー版ーよこはまの歴史

    ーファミリー版ー よこはまの歴史 P2

  参考文献;横浜市「図説・横浜の歴史」 横浜市市民局「横浜市史」 横浜市教育委員会「平成十六年版・横浜の歴史」 学習研究社「図説・世界の歴史」 山川出版社「世界史研究」 あかね書房「世界の歴史」 ほか 関連サイト;かねさはの歴史(日本のあけぼの〜旧石器時代)

…(T)旧石器時代…

 人類のはじまりは今から400万年ほど前の猿人といわれます。
 猿人は長い間に進化を遂げ、5〜6万年前には現在の人間と同種のホモ・サピエンスが出現しました。
 横浜の地にも2万年以上も前に最初の人間が住んでいたことが分かっています。氷河時代の終わり頃
に現れた彼らは厳しい自然と闘いながら新しい時代を切り開いていきました。 


世 界  で は世界史略年表へ)

よ こ は ま  で は

略年表

 地球上に人類の祖先(猿人)が誕生したのは
今から400万年ほど前のことです。
 その後人類は原人、旧人へと進化して6〜5万
年前にやっと現在の私たちとほぼ同じ骨格の
新人が現れました。
 この長い間、人類は採集と狩猟、漁労による
生活を行なってきました。まだ文字はなく祈
りや占いなどに使われた絵画や彫刻のほかに
は記録もなく、当時の様子が分からないこの
時期を先史時代とも言います。
<猿人の出現> 今から400万年ほど前にはじめての人類とい われる猿人が現れました。 アウストラロピテクスと呼ばれる猿人は立っ て歩くことが出来、手を使って簡単な石器を 作り狩猟や木の実、草の根を食べて生活して いましたが脳の容積は未だ500〜700ccで現代 人の半分以下でした。 <原人の出現> 170万年前、アフリカにホモ=エレクトォスと 呼ばれる原人が現れました。 原人の脳容積は猿人の倍で1000cc近くもあ り現代人の3分2程度に発達して身長も現代人 により近くなりました。 原人たちは火の使用法を知り握斧などの進 歩した打製石器を使い、簡単な言葉も喋って いたようです。 <旧 人> 20万年前になると原人より一歩進んだ旧人 が現れました。脳の容積は現代人(1300〜1600 cc)に近くなり剥片石器という鋭い刃物のよ うな石器を作り動物の皮をはがすのに使って いました。 ドイツで発見されたネアンデルタール人が 代表的な旧人です。 <新人(現生人類)の登場> 最初の新人(ホモ=サピエンス)は6〜5万年前 のやはりアフリカに現れました。 石器も一段と進歩し、精巧な骨角器も作られ 狩りなどに使われました。 やがて新人たちはアフリカからヨーロッパ に渡り南フランスからはクロマニヨン人、中 国からは周口店洞人の骨が発見されています (人類誕生の地はこちら)
ラスコーの洞窟画(山川出版社・世界史研究) フランスのドルドーニュ地方で発見されたクロ マニヨン人のもの
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<氷河の時代>
 今から250万年〜1万年前は地質学上更新世
と呼ばれる氷河の時代で地球上に氷河が発達
した寒い時期と氷河が少ない暖かい時期とが
交互に繰り返された時代で火山の噴火や地殻
変動によって日本列島が形づくられた時代で
もありました。
 この頃の関東平野は現在より海が内陸へ大
きく入り込んでおり古東京湾と呼ばれていま
すが、その後の火山活動により海はだんだん
と遠ざかり、広い平野部がつくり出されその
後また海水が入り込んでくる時代を迎えます
10万年前の関東平野
<最初の横浜人> 旭区の矢指谷遺跡では関東ローム層の中の 立川ローム層にある旧姶良火山の火山灰(約 2万2千〜2万1千年前の噴火による)の中から ナイフ形の石器などが発掘されましたが、こ れが市内で最も古い時代の遺跡の一つであ り、これによって横浜での人々の存在が2万 年をさかのぼることが明らかになりました。 このほか横浜では立川ローム層(3万〜1万2 千年前の間に富士山の火山灰がつもったも の)に残された旧石器時代の遺跡が25箇所 ほど知られています。 <人々の暮らし> 立川ローム層の時代はまた氷河時代の最終 段階で海面は低下し、横浜付近でも前面の東 京湾は完全に陸地となり、その中ほどを流れ る「古東京川」が観音崎を過ぎたあたりで海 面に注いでいました。 人々は厳しい自然と闘いながらナウマン象 やオオツノジカなどの獲物を追い求め移動 しながらの生活をしていました。旧石器時 代はまだ土器のない時代で人々は焼け石を 使って肉類などを加熱調理したと思われま す。当時の遺跡の中からはコブシ大くらい の小石が直径1メートルほどの範囲に残さ れた「礫群」が発見されています。
港北区権田原遺跡の礫群(図説・横浜の歴史)
この時代の研究は石器を中心として行なわ れていますが横浜でも矢指谷遺跡のほか都 築区の三の丸遺跡・二の丸遺跡・花見山遺跡 などからナイフ形の石器や石の槍などの石 器や剥片が発見され、人々は道具を改良しな がら新しい時代を切り開いていった様子が 窺がわれます。
ナイフ形石器と槍先形尖頭器 (港北ニュータウン内)


3万年前
 横浜付近が
陸地となり立
川ロームの堆
積がはじまる

 市内に初
めて人間が
現れる
 (矢指谷)

2万年前
 各種の剥片
石器が発達す
る (ニの丸)