禅寺に一日あそぶ砂の上(里圃)

       槻ケヤキの角のはてぬ貫穴(馬筧) 
                   ー俳諧撰集･続猿蓑ー  

 ケヤキは春の新芽､秋の黄葉などが愛でられ
てきましたが樹姿そのものも目をひきます｡
ケヤキは漢字で欅と書きますが､擧は挙の旧
字体で人が両手でものを差し上げた様子を示
しており､まっすぐに伸びた樹幹とそこから
傘状に伸びた枝からなるケヤキの樹姿をよく
表わしています｡

 成長が早く､ケヤキの大木は日本各地に見ら
れ真っ直ぐな材が得られることから寺社建築
によく用いられています｡