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紅梅や 見ぬ恋つくる玉すだれ 芭蕉〔其木枯〕
紅梅の中でもとくに紅が濃いものを緋紅性といい、紅千鳥、緋梅、鹿児島
紅、五節の舞、緋の句、玉光枝垂などがありますが、あでやかな色合いと
芳香の花びらが古くから愛でられ、古典文学にも数多く登場します。
和漢朗詠集 巻上96 "紅 梅”にも次のような漢詩文が記されています。
梅鶏舌含紅気兼江瓊花弄碧文帯 元 (元氏長慶集 佳句)
現代語訳 (早春の梅花と水辺の美しさをうたったもの)
梅の花は鶏舌香を口に含んだようなよい香りがし、その上鮮やかな紅の色
を帯びている。流れの水面は仙郷の花びらが浮かんでいるようにひらひらと
波立ち、碧玉のような緑のさざ波が立っている。
小学館 「新編古典文学集 19」
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バラ科サクラ属ウメ種 |
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