第四番 千両山 永泉寺(廃寺) 〜案内図はこちら

(現在 三療山 薬王寺 金沢区寺前2−23−52)


    たづねのる やつのとぼその えいせんじ
              めぐみはふかく てらすつきかげ

 安永四年(1775)の記録によると、札所第四番は
   「谷津、永泉寺 りうけん寺也」  となっています。
「りうけん寺」とあるのは現在の龍華寺が、昔龍源寺又は立源寺と呼ばれ
ており、その末寺であるということを示しているといわれています。
『新編武蔵風土記稿』の寺前村の項には
  「栄泉院 除地、小名そふしにあり、千両山と号す、本尊観音、立像二
    尺五寸、仮小屋に安す」とあります。(巻之七十五 久良岐郡之三 金
   澤領)
 本尊の観音像については、もと谷津にあった永泉寺が廃れたため、寺前
にあった栄泉院(寺)に仮小屋を造って一応安置しておいたものが、小屋
が朽ちたので栄泉院の廃寺とともに、龍華寺の末寺の薬王寺に移されたも
のと考えられています。
 薬王寺は寺前町域の東福院、報恩寺、宝光院ほか四ヶ寺と谷津町域の永
泉院(寺)、霊泉院、長泉寺などを合併、現在の本尊は薬師如来ですが、
寺宝として残っている聖観音立像が永泉院の本尊であった可能性がありま
す。(異説あり)

 京浜急行金沢文庫駅から能見堂へのハイキングコースへ向かう途中に
「右能見堂、保土ヶ谷道」と刻まれた道標があり、右に折れてしばらく行
くと民家の横に三基の石碑が祀られています。中央の石碑の下には永泉
院の文字が見え永泉院はこの近くにあったもの考えられます。



中央の石碑の右下に永泉院の文字が刻まれている

薬 王 寺


聖観音立像(薬王寺蔵)
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