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●今回の3月定例市議会に提案されている議案及び条例において、後期高齢者医療制度発足に伴うものに、反対する立場から討論をおこないます。 これらの議案と条例は、国の政策である 後期高齢者医療制度の発足にともなう自治体側としての準備のためのものであり、甲府市としては、この新しい医療制度の発足に向けての対応は当然だとも思います。 ●しかし、この後期高齢者医療制度は極めて問題です。 その内容が具体的に明らかになるにつれて医療関係者はもとより、全国から切実な反対の声や批判が高まってきています。自治体の議会でも制度の見直しをもとめる意見書や請願が相次いでいます。甲府市議会でも満場一致で 改善を求める意見書が今回採択されています。国会でも政党の立場を超えて廃止の動きが強まっています。 ●政府は、当面、反対の声をそらそうと凍結を試みていますが、凍結では、冷蔵庫にしまっておいて、様子を見て都合のいい時に食べることと同じであり、ごまかしにすぎません。 75歳以上の高齢者の負担がいきなり重くなります ●まず問題なのは、後期高齢者医療制度の発足により、75歳以上の高齢者の負担がいきなり重くなることです。 @甲府市の被保険者数は、2万4千400人ですが、年間で一人当たり 平均7万1154円の負担にもなります。 Aいままで子どもさんや家族と暮らしていて、保険料の心配をしなくてすんでいた高齢者も75歳以上を理由に、これからは個人として年間平均7万円を超える保険料が年金から新に天引きされます。 B甲府市の場合、介護保険もいれると一人平均 月9730円の負担にもなります Cしかもこの保険料は、2年ごとに見直しがされます。 今後、高齢者数が増えれば保険料は見直しで増額します。また、今後、医療費が増えれば保険料は見直しで増額します。したがって今後の保険料負担は、さらに重くなることは確実です Dまた、一年間滞納すると 保険証が取り上げられ、診療所や病院での支払いは全額自己負担とされます。これもいままでなかった乱暴なやり方です C重くなる保険料負担は、75歳以上の高齢者に限りません。現役の勤労者世代や75歳未満の年金世代にとっても、負担を重くします。各医療保険の保険料は、これからは3本立てとなります。いままでの「医療費分」と「介護保険分」さらにこれからは後期高齢者医療制度を支援するための「支援金分」が新たにとられます。 ●私の家庭には、今年92歳になる母がいます。今回の新医療制度発足にともなって今までの国保保険料が増額します。そして母の後期高齢者医療制度による新たな保険料負担がはじまります。我が家では、合計して年間約10万円の負担増となります。 これは、我が家だけではありません。甲府市ではこれまで保険料の負担がなかった方 3,630人に新たな重い負担がはじまり、我が家と同じような状況となるのです。 75歳以上からは根拠のない治療や検査の制限が ●さらに、今後の医療内容についても極めて問題があります。病院・診療所においても患者さんの75歳以上という年齢によって診療報酬に格差がつけられるからです。 つまり、患者さんの75歳以上という年齢によって「いずれ死を迎えるから」「治療が長引くから」と、治療や検査が制限され必要な医療が保険で受けられなくなる危険性があるのです。 これは、医学的にも科学的にまったく根拠のない高齢者差別ともいえます。 これでは保険証を取り上げられた高齢者ばかりでなく、75歳以上の年齢の方は、結局のところ「病院にくるな」「自宅で死ね」というのと同じこととなってしまいます。 国の狙いは医療のコストを下げたいだけ ●個々の高齢者を家族の保険から引き離し、個々に重い保険料を押しつけ、払えなければ保険証を取り上げます。このことを政府は「持続可能な国民皆保険制度」といいます。 75歳という年齢で「保健医療の差別」おこない、「在宅死」に押し込めることを政府は「高齢者の暮らしに配慮した治療」といいます。 これらは、単に医療のコストを下げるための方便ではありませんか! 自治体におけるさまざまな困難さと、そのしわ寄せも高齢者に ●自治体においても、後期高齢者医療制度をはじめとする新たな医療制度はいくつもの困難さを招いています。 様々な自治体の業務量の増大と財政支出の増大がはじまっています。保険料の徴収・保険証の取り上げなどの苦しいことの矢面はすべて市町村自治体です とくに国の後期高齢者医療制度をはじめとする今回の高齢者医療制度の大きな後退は、それまでおこなわれてきた自治体独自の高齢者への医療費助成制度の維持を、財政上、極めて困難にしました。残念ながら甲府市もそうですが、全国の自治体で、今、独自の高齢者医療の助成制度が後退しています。 ここでも、そのしわ寄せは、高齢者の家庭ではありませんか。 高齢者を大切にしない社会には健全な未来はない ●3万人を超える自殺大国である、ストレス社会の日本は、これまで働き盛りの人を自殺に追い込んできました。今、75歳以上の高齢者の自殺も増えてきました。この後期高齢者医療制度が、このままの状態で具体化すれば、今後必ず、75歳以上の高齢者の自殺を増やすことは確実です。 ●これまで社会を 担ってこられた高齢者を 尊敬しない政治は悪政となります。高齢者を大切にしない社会は、人の心を大切にしない社会となり、社会の健全な発展と未来を奪うものとなります。 ●後期高齢者医療制度は、凍結や部分的な是正ではなく、廃止が当然です。 私たちは、新年度より本格化する現代版の「姥捨て山」を許したくはありません。 ●したがいまして、市民生活を守り、高齢者の命と健康を守るために、後期高齢者医療制度の発足に伴う各議案と条例に、同意できません。 以上です。 |
2008年3月甲府市議会定例議会 |
・甲府市の消費者モニター調査でも、昨年4月から今年の1月までにガソリンは120%、灯油は137%も値上げされています。 ![]() ●2月には連合の「物価の生活における影響」調査が発表されました。 昨年の物価上昇で、 ●商品の表示偽装や便乗値上げを未然に防止するためにも、消費者にも価格・目方・品質のチェックを呼びかけることも必要です。 ![]() ●甲府市でも ここ数年間で生活が苦しい家庭は今までになくおおくなってきています。 水道料金、国保保険料、市税、医療費、保育料、学校給食費などの支払いに困難な家庭もすくなくありません。 普通の市民は、低所得化の中で税金や公共料金や保険料の高負担にあえいでいます。 その上さらに物価の高騰では、今まで頑張って、がんばって、生活のヤリクリを続けてきた家庭でも限界に来てしまいます。 ●この状況のなかで自治体が、国の指導に従って、さまざまな生活関連予算を削減し、公共料金と保険料の負担を重くし、その取立てを厳しく、差し押さえもビシビシやれと言うのでは悪政となってしまいます。 むしろ、この時期にこそ、相談を充実させ分納や実情に応じての減免の適応などが必要です。 ●市民の暮らしを守るのが自治体です。そして、市民の生活状態に絶えず『感度』をたかめ反応することが、小回りのきく身近な行政である自治体の役割です。 ●もし、灯油が高騰しているのなら、富士吉田市のような灯油代の援助はありがたいことです。また、商品コストに転嫁できない中小経営やハウス栽培などの農家に援助することも、たとえ金額がささやかであっても市民は行政の暖かさを感じるはずです。 ●しかし、甲府市は、なにか「感度」がズレている事業もいくつかあります 例えば、 @ 歳末援護見舞金事業です これは生活困窮家庭への歳末の5000円から6000円の見舞金ですが、それまで1万円の金額が削られ、しかも対象数も、ここにきてかなり絞られてきています。 A 老人介護慰労金支給事業もそうです 在宅介護の労をねぎらう家庭に1万5000円の慰労金を支給していますが、この支給対象数もへっています。 B 義務教育の就学援助制度はとくに心配です。 ![]() これらの事業では、いずれも必要以上に認定の基準を厳しくして、「対象数をしぼりたい」「しぼって甲府市からの財政支出を削減したい」という行政当局の思いがあるのではないでしょうか? 質問します 物価高騰という中で、甲府市は、どのようにして市民生活を守り、とくに低所得・生活困窮家庭への援助を考えておられますか? 総論としてうかがいます。 具体的には、特に私は公教育として重要な就学援助制度の対象数の減少について、どのようにお考えなのかお聞きします。 第3に、甲府市のさまざまな市民負担の抑制についてです ●物価高騰を抑制するには、お膝元の甲府市の保険料、手数料、使用料、市税そしてさまざまな公共料金を値上げしないことです。 ガソリン税の増税である「暫定税率が廃止されれば物価指数はかなり抑えられる」ともいわれています。 これは私の意見ですが、甲府市の医療制度の改正や都市計画税の引き上げも、例え昨年、決めてあっても、この物価高騰の時期には行政として凍結をも検討すべき課題と思います。 ![]() ・生活系のゴミの有料化 ・下水道料金の値上げ ・国保保険料の引き上げ ・介護保険料の引き上げ など、いずれも値上げはやめるべきであり、内部で決定していてもその提案は先送りすべきです。 ・また、経営が良好な水道料金の値下げなど、この時期にこそ必要と考えますがいかがでしょうか? |