各委員会等報告


 総括質問


 市民生活守る自治体を目指して、いかに取り組んでいくか


市議会の予算特別委員会と決算特別委員会の冒頭には、各会派代表が持ち時間30分ずつで基本的な質問である「総括質問」を行います。ここでは、その総括の会議録を掲載しています。

 この間総括質問における山田厚の主な質問と見解

憲法の危機の情勢が社会生活全体に現れ、市民生活全体が貧困となり、今までになく苦しくなっているーそのことを自治体としての基本的認識をもち、行政姿勢の基本にすべき

三位一体小泉改革で引き続いて自治体財政はどのようなマイナス影響額が出ているのか

甲府市は自治体として国に対して、自治体財政の疲弊化をもたらしていることを、しっかり要望や是正を申し入れるべきだ

財政健全化法は、自治体としての機能を奪うことが出来る。甲府市の財政は実質公債費比率をみても油断や楽観は出来ない。大型事業はきわめて慎重に中長期計画に基づいて行うべき

地方債の金利の引き下げの努力を徹底すべきであり、特に高金利の政府関連資金については自治体間で足並みをそろえて要求すべきだ

この不況の中で、市民生活を守るために、公共料金の値上げ抑制、減免制度の改善、「相談窓口の一本化」の具体化をすべき

市職員のゆとりを確保することと健康管理と特に非正規職員の待遇改善を図るべき

 2010910日 甲府市議会

2009年度決算特別委員会会議録 総括質問

○佐藤委員長 次に、市民クラブ、山田 厚委員。

○山田委員 冒頭、市民生活の情勢認識と、それから生活困窮者などの甲府市の取り組みをお伺いします。

 今、国民と甲府市民の生活は厳しい状態になっています。最近の世論調査でも、いずれも生活の苦しさをあらわしていると思います。政府の2010年度の国民生活に関する世論調査では、生活が苦しいと感じている人は68.1%です。政府に対する要望の第1位は医療・年金などの社会保障の整備、70%でした。

 そこで、冒頭、昨年度と今年度、決算平成21年度ですけどね、判断できる傾向をお教えください。市民の平均所得の傾向、市民の雇用の状況、企業の倒産状況、甲府市における自殺者の傾向、個人住民税の滞納状況、上下水道の滞納の状況、さらには国保の滞納の傾向など、簡単に数字でお示ししていただければと思います。

 また、これらの傾向に対して、甲府市はどのような現状認識をお持ちか、そして、また、甲府市は、どのように生活困窮家庭への基本的な対応をなされてきたのかをお伺いします。

○佐藤委員長 武川部長。

○武川企画部長 平成21年度の市民生活についてお答えをいたします。

 総務省統計局の家計調査年報によりますと、平成21年度の甲府市勤労者世帯の1か月平均収入は42万7,144円で、対前年度比4万7,391円の減少、山梨労働局による甲府管内の有効求人倍率につきましては、0.45倍で対前年度比0.3ポイントの低下、東京商工リサーチ甲府支店による負債総額1,000万円以上の企業倒産件数は、前年度から10件減少の24件でありましたが、負債総額では25億3,400万円増加の89億5,000万円でありました。

 本市の保健衛生統計による甲府市の自殺者数につきましては、前年度から5人減少して43人でありました。

 また、税・料等の収納率につきましては、対前年度比で、個人市民税は0.08ポイント減の89.56%、国民健康保険料は1.9ポイント減の81.46%、水道料金は 0.17ポイント減の90.44%、下水道使用料は0.67ポイント減の87.59%とそれぞれ低下した結果となっております。

 以上です。

○佐藤委員長 宮島市長。

○宮島市長 市民生活を取り巻く社会経済情勢の現状認識についてお答えをします。

 平成21年度の我が国経済は、年度後半には輸出関連を中心とした企業の業績にやや回復傾向が見られたものの、失業率が高水準にあるなど、依然として厳しい状況でありました。

 本市におきましても、企業倒産件数は減少したものの、負債総額は増加する中で、有効求人倍率の低下や勤労者世帯の平均収入が減少するなど、雇用を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあり、個人市民税や国民健康保険料などの収納率の低下にも影響を及ぼしているものと認識をしています。

 以上です。

○佐藤委員長 武川部長。

○武川企画部長 生活困窮家庭への基本的な対応についてお答えをいたします。

 生活困窮者への対応につきましては、総合的な相談に応じる初期対応窓口の開設をはじめとした相談体制の強化を図るとともに、緊急時における法外一時金の支給や国の住宅手当緊急特別措置事業に基づき、一定要件を満たした離職者に対する住宅手当の支給、さらには甲府市社会福祉協議会及びハローワークが行う生活費などの貸し付け制度を積極的に活用するなど、自立につながる支援を進めてまいりました。

 また、税や料などの支払いが困難になった方につきましては、相談を行う中で、分割納付などきめ細かな対応を図ってまいりました。

 今後におきましても引き続き、庁内関係部局で連携し、一体となって市民の皆様のさまざまな不安の解消に向けた相談・支援など、丁寧な対応を図ってまいります。

 以上でございます。

○佐藤委員長 山田委員。

○山田委員 最初の数字を聞くと、いずれも大変な数字で、この中では幾つか史上最悪と言われる数字があると思います。そうして見ると、言葉じりをとらえているということじゃないですけれども、決算総括説明書の冒頭の文章ですね。「世界的な金融危機に伴う景気悪化から脱し、景気に持ち直しの動きが見られるようになりました。その後も着実に持ち直してきており、自立回復への基盤が整いつつあります」と、ここから先は失業とかいろいろ書いてあるんですけれども、行政ではこういう言葉はしようがないと思いますけれども、たしか去年は「底入れ」と書いてあったんですよね。平成20年の決算、私の記憶だと。底入れとは「もう最後」なんだけれども、平成20年は「もっと来ている」という。だけど、こういう文章にならざるを得ないんですけれども、平成21年、今お聞きした数字によると、厳しさは平成20年より平成21年のほうが増していると。だから、甲府市もいろいろな努力をしていただいているのかなと思います。

 特に、私どものお願いで始まった生活支援に対する庁内連絡会議、生活困窮者に対する初期対応窓口、これは随分評価されるべきだと思いますが、この活動を通じて何か見解を持たれたこととか、感じたことがあったら、一言でいいですけれども、お聞かせください。

○佐藤委員長 長田福祉部長。

○長田福祉部長 そうした支援の窓口、それから情報を1か所に集めて市民の皆様に丁寧に説明できるということで、場所としては生活福祉のほうに置いてありますけれども、そういった中で相談件数もふえていますし、それぞれの支援の窓口へつなげることができているというふうに感じております。

○佐藤委員長 山田委員。

○山田委員 市民生活が大変苦しいだけに、それは生活福祉の問題だけではないと思うんですよね。教育もあるし、障害者の関係もあるし、高齢者の問題もあるし、さまざまな問題がある。それを窓口一本にして、こういう初期対応窓口をつくっていただいたことというのは感謝したいと思います。

 それから、先ほどのお話の中にもありますが、市税は後退する、なおかつ不納欠損額も出ている。不納欠損額ということ自体は、調定された予定額が払っていただけないと、そういうことが認定せざるを得なかったという状況ですから、これ自体は大変な市民生活の厳しい現状をあらわしているのかなと、そういうふうに思います。

 今後ともぜひ甲府市として、きめ細かい丁寧な相談や減免、分納、これらの対応をしていただきたいと思います。

 続きまして、子供は宝、こういう話が出ていましたけれども、甲府市の子育て援助をどのように努力されてきたのかをお伺いします。

 甲府市長は、就任以来、「子供は宝」ということを何回も言い続けられています。このことは共感を持てる発言だと思います。とにかく今日の子育て家庭と子供をめぐる社会環境というものは大変厳しいものがあります。また、自治体は、少子化対策だけでなく、現状においては虐待や障害児さんや引きこもりさんなどの対策も必要とされてきています。

 そこで、子育て家庭への負担の現状と主な傾向をお聞きし、そして、それに対する甲府の基本的な認識と主な努力を伺いたいと思います。

○佐藤委員長 宮島市長。

○宮島市長 子供は地域社会全体の希望であり、明るい未来を開く力であると思っています。本当にすくすく成長して、担税能力のある大人に早くなってくれればいいな、そう思いますけどね。だけど、あんまり宝宝というと、そっちのほうばっかり期待していると思われてもまた困るですけどね。すべての子供たちが尊重され、その育ちがひとしく確実に保障される社会を全市を挙げて取り組んでいく必要があると思っています。

 本市におきましては、こうした基本的な考えのもと、子育て支援を新政策プラン「“わ”の都・こうふプロジェクトU(セカンドステージ)」の重点分野に位置づける中で、小学6年生までの医療費の無料化や妊婦一般健康診査費用の軽減の拡充、女子児童・生徒への子宮頸がんワクチン接種費用の無料化など、子供の命と健康を守る施策をはじめ、市立学校の耐震化や小学校の適正規模及び適正配置化、放課後児童クラブの拡充、さらには民間保育所施設整備助成など、子育て環境の整備に、また、ひとり親家庭への生活支援や就業支援、保育料保護者負担の軽減、病児・病後児保育を含む特別保育の実施など、子育て家庭の支援策にも取り組んでまいりました。

 今後も市民の宝である子供が笑顔で健やかにたくましく育つことができますよう、全力を傾注してまいる所存でございます。

 以上です。

○佐藤委員長 長田部長。

○長田福祉部長 今の子育て家庭への負担の中に福祉部の関係としての保育料がございますので、そのことを一言お答えを申し上げます。

 保育料の滞納状況と減免の実績等につきましては、保育料の滞納状況につきましては、近年の経済雇用情勢等を背景といたしまして、平成19年度以降、滞納額が増加傾向にあります。平成21年度末現在では167件、1,939万3,400円になっております。

 また、減免実績につきましては、平成20年度が3世帯、平成21年度が1世帯となっている現状でございます。

 以上でございます。

○佐藤委員長 山田委員。

○山田委員 細かいことをお聞きすると時間がなくなってしまいますので、「款」のほうでゆっくりお伺いしたいと思います。

 甲府市の制度的には減免制度とか、就学援助もそうですし、保育料もそうですし、高校授業料もあります。でも、認定率とか実施率が、調べてみたんですけれども、どうもこの厳しい情勢の中で反映していると思えないんですよね。先ほどのお話だと、平成20年は3件、平成21年はもっと厳しいはずなのに1件、この辺はどうなのかなと、その辺のところは後で詳しくお伺いしたいなと思います。

 それからもう1つ、市長の言われている言葉で、「子供は宝」なんだけれども、「子供は市民の宝」というふうに最初からおっしゃっていましたっけね。私は「甲府市の宝」というふうに聞いていたんだけれども、「市民」か?「甲府市」か?、その辺のくだらないことかもしれないけれども、ちょっとお伺いしたいと思います。

○佐藤委員長 宮島市長。

○宮島市長 私はね、「社会の宝」だと言っているわけで、それが市民でもだれでも同じこんですよ。だから、「社会の宝」というのは、御夫婦だけの宝じゃなくて、社会全体ではぐくみ育て、大事にしていくものなんだという、そういう意味を込めて言ってきたんですね。「社会の宝」。その宝が力強く成長していけれるような社会をつくれば、その宝を抱えている御夫婦も安心して生活ができるだろうという、そういうことなんですね。

○佐藤委員長 山田委員。

○山田委員 了解しました。「市民」というと、甲府市があって、市民があって、「おまんとうの宝だから頑張れ」というこんじゃないですね。社会全体としてはぐくみ育てる、この精神は児童福祉法にも書いてあって、そのことを市長は強調されたと、そういうふうに承りました。今後ともぜひそういう方向で努力していただきたいと。

 それから、高い評価がある小学生までの医療費助成、すこやか子育て医療費助成制度、これもぜひ今後とも継続、頑張っていただきたいと思います。

 続きまして、甲府市の財政健全度についてお伺いします。新庁舎の建設や新たな焼却施設の建設、上下水道施設や橋梁の更新など、大きな建設事業が今後とも控えています。社会保障を重視する甲府市として、健全な財政を行うためにも、慎重にして計画的な運営が求められています。

 そこで、今までの総括として、小泉改革の三位一体の制度改革の影響はどうだったのか、平成16年から始まった小泉改革の流れですが、平成21年度現在まで制度的には影響額があると思います。想定でその総額をお聞きしたいと思います。

 また、実質公債費比率など、甲府市は他市と比較しても結構苦しい状況がありますが、これをどのように改善へ向けての努力をされてきましたか。今後、また中長期的な財政計画を簡単にこの場でお示しください。

○佐藤委員長 武川部長。

○武川企画部長 2点の御質問にお答えをいたします。

 まず初めに、三位一体の改革による本市財政への影響額についてであります。

 平成16年度から平成18年度までの3年間の三位一体の改革による影響額に、平成19年度から平成21年度までの影響額を加えた総額につきましては、減額分が、地方交付税約28億2,000万円、臨時財政対策債約101億6,000万円、国庫補助負担金約45億1,000万円で、合計約174億9,000万円となりましたが、増収分は税源の移譲により約65億4,000万円であったため、差し引きいたしますと、約109億5,000万円の減額となったところであります。

 次に、健全化判断比率の改善要因と今後の推移についてであります。

 平成21年度決算における実質公債費比率につきましては、平成20年度決算と比較をいたしますと1.5ポイント改善し、15.2%となったところであります。

 また、将来負担比率につきましても、平成20年度決算と比較をいたしますと   17.2ポイント改善し、91.5%となったところであります。

 その主な要因といたしましては、市債の計画的な発行により、公債費の縮減を図ってきたことや、繰上償還等により、債務負担行為償還金を減少させてきたことなどであります。

 今後の実質公債費比率及び将来負担比率の推移につきましては、新庁舎建設や新ごみ処理施設の建設などの大型プロジェクトにより、公債費は増加するものの、市道改良等に係る債務負担行為償還金が大幅に減少していくことや、各比率を算定する際に償還金の一部が控除される合併特例債などの有利な市債の計画的な活用により、実質公債費比率は10%台前半、将来負担比率につきましては100%前後で推移するものと予測をしております。

 以上です。

○佐藤委員長 山田委員。

○山田委員 厳しい中でも、健全化判断比率を見ても、じわじわと改善されているという言い方でしょうかね。そういうことだと思います。必ずしも喜べる数字じゃないと思います。ただ、甲府規模の特例市とか類似都市から比べると、甲府の財政上の状況というのはまだまだ楽観できないと思いますね。いただいた資料を見ると、大体毎年ワースト1位から3位の辺をずっと行き来しているわけですけれども、この場合、毎年聞いていますけれども、実質公債費比率もことしもそういう数字なわけでしょうか。わかっていたらお知らせください。

○佐藤委員長 武川部長。

○武川企画部長 実質公債費比率の甲府市の順位ということですけれども、特例市につきましては41市、現在あるわけですけれども、41市に照会を出して、そのうち32市から回答をいただきました。その中で、甲府市の順位は32市中28位でございます。

 以上です。

○佐藤委員長 山田委員。

○山田委員 ですから、各自治体も奮闘していると。だから、甲府も奮闘していてもまだまだ厳しい状況、レッドカード、イエローカードはもらってないよと、そういうことだと受けとめます。

 今言った新たな事業や大型事業があるわけですから、これに対しては極めて慎重に対応するということはもちろんですが、外部的要因があるのかなと思うんです。というのは、1つは国の地域主権戦略大綱によると、100項目ぐらいが今後市町村に権限を移譲しなさいよ、移譲すべきですよと、こう来ている。そうすると、今までの傾向からいうと、お金もくれないで仕事だけふえるということになりはしないのか。それから、山梨県の行政改革大綱を見ると、平成19年から平成22年まで検討していって、それでもって県の単独事業、つまり、県単独補助金ですよね。これを平成23年度から具体的に切ってくると。段階的縮小ないし廃止と書いてあるわけですよね。これになったら随分大変なことだと思いますが、その辺のところをどのようにお考えでしょうか。

○佐藤委員長 武川部長。

○武川企画部長 今、御質問にありました国の地域主権の戦略大綱の中の権限移譲につきましても、各地方自治体のほうへ権限が移譲されるということでありますけれども、当然、権限のみというわけではなくて、私どもも市長会等を通じて、財源の部分もあわせて移譲していただきたいという要望はしてまいりますし、また、先ほどの県の補助金の削減についても、市長会等を通じて県のほうへ要望してまいりたいと考えております。

 以上です。

○佐藤委員長 山田委員。

○山田委員 この辺のところはぜひ市民のため、県民のために奮闘していただきたいと思うんですよ。そもそも国のほうも、長年の地方6団体の国税と地方の割合で5対5にしなさいとか、地方交付税を本当に復元してもらって増額してもらいたいという要望を全然まだやってないんですよね。その中で権限移譲というのは随分おかしいし、県の単独事業、県の補助金を廃止、縮減するというのは、平成19年から始まっているということだけど、市町村にちゃんとした問い合わせがないと思うんですよ。具体的にメニューも明らかでないし。そのくせと言っちゃ失礼だけど、行政改革大綱には「県民の意見の提出機会の拡充」なんて書いてあるんですけど、この辺のところをぜひ市町村から頑張って、風通しのいいものにしていただきたいと思います。

 最後に、市職員のこの間の不祥事問題についてお伺いします。公金の横領や恥ずかしい窃盗事件など、市職員の不祥事問題が相次いでいます。これらの事件は甲府市の行政に対する市民からの信頼を損なうものであり、このような状態を根本的に改めなければなりません。

 私は、これらの不祥事の背景要因として、市の職員の多忙化がこの間続いてきたことも一因であるのではないかと考えています。職場にゆとりがないと、心身の健康は維持されず、さまざまな依存症も引き起こされます。市の職場における多忙化と業務上の自己責任のストレスが強くなり、心身の健康が損なわれている傾向はありやしないか。その意味で、健康診断結果はもとより、成績主義人事管理のメリットだけじゃなくて、マイナスの影響もあるのではないか、あるのかな、そういうことですね。人手不足による過重な状態はあるのかないのか、総点検する必要があるのではないでしょうか。

 また、私は、今までの公務員職場の一罰百戒主義、今後とも起こさないように厳しく対応しますよということですが、そういう人事管理の今までのやり方でいいのかなと。現在の不祥事の傾向を防止することは、今後はかなり難しくなってきているんじゃないか。それよりもミスや不祥事を起こさない職場環境をどうつくり出すのか、競争より協力であり、自己責任でなく、相談し合う共助共援のゆとりある職場環境を目指していただきたいなと思います。つまり、厳罰処分の繰り返しより、不祥事を防止する職場環境の形成だと思いますが、いかがお考えでしょうか。

○佐藤委員長 幡野総務部長。

○幡野総務部長 2点の御質問にお答えをいたします。

 初めに、ゆとりのある職場づくりについてであります。

 職員定数の一層の適正化が求められている中で、働きやすい職場づくりや職員の健康管理は、公務能率を維持していく上で極めて重要な課題であると認識をしております。

 こうした中、本市では、毎年職場ごとに業務内容や事務量、また、業務執行上の課題の調査を行い、職員が健康のもとに勤務できるよう、業務の改善に努めているところであります。

 とりわけ平成17年度から取り組みを始めた新人事評価制度につきましては、組織目標が明確になり、より効率的、効果的な事務執行が行われるとともに、対話による職員間のコミュニケーションも図られ、上司と部下の信頼関係の構築やマネジメント力の向上にも一定の役割を果たしてきたものと考えております。また、組織目標が職員間で共有されることにより、目標達成に向けた相互支援も行われていますので、相談し、協力し合うことのできる、健康的で明るい職場づくりにも新人事評価制度の導入は効果的であると考えております。

 今後も、各職場の業務の実態を十分に把握するとともに、役割分担を明確にする中で、嘱託職員等の効果的な活用も行い、また、超過勤務の多い職場や年次休暇、夏季休暇等の取得状況、病気休職者等の状況も十分に検証しながら、職員がゆとりを持って業務に当たれる職場環境づくりに努めてまいります。

 次に、不祥事を防止する職場環境の形成についてであります。

 職員は十分にコミュニケーションのとれた職員相互に信頼し合える職場で、精神的にも身体的にもゆとりを持って業務に当たることが、職員の持てる能力を発揮し、正確な事務処理にもつながるものであると考えております。

 したがいまして、今後におきましても、管理職を中心に、人事評価制度の趣旨なども十分に踏まえながら、風通しのよい健全な職場環境の形成に努めてまいります。

 なお、不祥事が起きますと、市民の市政への信頼が著しく損なわれますので、職員に対しましては、公務員としての使命感を持ち、公私にわたって自覚を持って行動するよう、服務規律や綱紀の保持についてさらに徹底を図ってまいります。

 また、不祥事に伴う職員の処分につきましては、本市の分限・懲戒処分に関する基準をもとに、他都市の事例なども参考にしながら、服務規律や組織の秩序維持の視点に立って、適正に行っていると考えております。

 以上でございます。

○佐藤委員長 宮島市長。

○宮島市長 今、総務部長、一生懸命答えたけど、結局、地域社会の関係の希薄化が職員の間にも出ていて、そして、ただ単に、一方側は仕事をする、一方側は指示するというような関係に陥っているというこんかね。そういう関係が多いということかね。だから、本当に仕事を離れても、上司として、人間の先輩として相談をしたり、教えを請うたりということがなくなっていて、何というか、しっくりいってないんだよね。例えばみんなで出かけることがあるかいとか、仕事が終わった後、達成感を味わうようなときがあるかいというような話をしても、ほとんどないとか、飯食いに行かないかって誘えば、部下は1週間ぐらい前に言ってもらいたいというようなことを平気で言うと。やっぱり仕事を一生懸命やって終わったときに、上司が、さあ、きょうはちょっと冷たいもんでも飲むかと言うたときに、すぐほかのことで、もっと前もって言ってくれりゃ行くけど、きょうはだめだというような感じになっちゃう。どうもこういってないんだな。

 前、4億7,700万円が起きたときに、ある議員さんが、職員の皆さんはもう少しみんなでおせっかいをやきましょうという話をしておったけど、おせっかいではなくて、相手が今何をしているか、何を心配しているかというようなことをも相手の立場に立って考えてやれるような、そういう仲間同士にならないと、いい仕事はできんということを言いたかったんだろうなと、そんなふうに思っていますがね。まあ、折に触れていろいろな面で、仕事だけではなくて、1人の人間としておつき合いができるようなことになってほしいということは今後も訴え続けていくつもりでありますがね。1つに、厳罰主義にすれば、みんながそういうような不祥事は起こさないというようなことを考えているなんていうことはないですよ。事情をよく精査しながら、処罰のことは考えていると思いますけどね。もうちょっといろいろ話したいけど、やめます。

 以上です。

○佐藤委員長 山田委員に申し上げます。割り当て時間がほんの十数秒でございます。

○山田委員 人事院もこの前の4月に、酒酔い運転というのは一律免職にという雰囲気だったけど、今後はいろいろ、裁判の判例やなんか見ながら、停職、減給などということになりましたよね。公務員も生活水準は民間に合わせているというか、実質上民間ですから、そういう中で、働き度は民間の皆さんより頑張っているという側面も随分大きいわけだから、この辺のところは全国の流れにあわせて、反省するものは反省して、それを仕事に生かしていただくという体制をしていくべき必要があるんじゃないか。ましてや、部下の責任で課長が首を切られてどっか行っちゃったみたいなことじゃ大変残念なことですから、しっかり反省してもらって頑張るという、風通しのよくてお互い支え合う職場にぜひしていただきたいと思います。

 以上で終わります。

 2009914日 甲府市議会

2008年度決算特別委員会会議録 総括質問

○森沢委員長 次に、市民クラブ、山田 厚委員。

○山田委員 前も同じことを聞いているんですけれども、まず冒頭ですから。

 小泉改革以降、明らかに国民生活を国政は破壊してきたと思います。だから、今回のように国民から政権交代という厳しい審判を受けたのだと思います。市民生活の最前線に立っている自治体も同じようにこの悪影響を受けているはずですが、どのような悪影響があったか、総括してこの場では地方交付税、国庫補助金など、甲府市の削減影響額をお聞きしたいと思います。

 まず、平成20年度における小泉改革の三位一体の財政改革の影響は幾らぐらいあったのか。もちろん、補正予算で短期的な事業がいっぱい出て、制度的な意味では根本的な見直しもないものの、このようなものに幻惑されるわけですけれども、しかし、制度的な影響額というものは一体どうなのか、そこをお聞きしたいと思います。

 それから、いわゆる平成16年から続いた小泉改革ですね、この間までの総額、この間続いてきた影響額の総額は幾らなのかもお聞きします。

 それから、この事態に対して甲府市は、市民生活を守るために財政上どのような努力をされてきたのでしょうか。また、国に対してどのような意見、要望を自治体として行ってきたのでしょうか、初めにお聞きします。

○森沢委員長 武川企画部長。

○武川企画部長 それではまず初めに、三位一体の改革による平成20年度の影響額についてお答えをいたします。

 平成20年度単年度を改革前の平成15年度と比較いたしますと、減額分は、地方交付税が約5億9,000万円、臨時財政対策債が約22億円、国庫補助負担金が約9億  2,000万円で、合計約37億1,000万円となりましたが、増収分は税源の移譲により約14億9,000万円であったため、差し引きいたしますと約22億2,000万円の減額となったところであります。

 次に、三位一体の改革による本市財政への全体の影響額についてお答えいたします。

 平成16年度から平成18年度までの三位一体の改革による影響額に、平成19年度及び平成20年度の影響額を加えた総額につきましては、減額分が地方交付税約22億  3,000万円、臨時財政対策債が約87億9,000万円、国庫補助負担金が約35億9,000万円で、合計約146億1,000万円となりましたが、増収分は税源の移譲により約48億8,000万円であったため、差し引きいたしますと約97億     3,000万円の減額となったところであります。

 最後に、三位一体の改革による影響に係る財政上の努力についてお答えをいたします。

 三位一体の改革による影響により、本市は非常に厳しい財政運営を強いられたところであります。しかしながら、計画的な市債の発行に努めたことによる公債費の縮減や、行政改革大綱の推進による経費の削減、さらには財政調整基金の取り崩しなどにより財源を確保し、市民サービスの低下を招くことのないよう事業推進を図ったところであります。

 以上であります。

○森沢委員長 宮島市長。

○宮島市長 三位一体の改革による影響に対する国への要望について、山田議員の御質問にお答えをします。

 三位一体の改革は、税源移譲は実現したものの、削減対象となった国庫補助負担金は義務的経費が大半を占めたことや、削減額に対する税財源の移譲が十分担保されたものではなかったことから、真に地方の自主自立が拡大されたものとは言えず、さらに地方交付税が削減されるなど、地方自治体の財政は疲弊し、非常に厳しい財政運営を強いられることとなったところであります。

 このことから、今までも国に対し、地方が担う事務と責任に見合う税財源の配分を基本として、当面、税源移譲による国・地方の財源配分5対5の実現を図ることにより、地方の財政自主権を拡充するとともに、地方消費税の充実を含む、税源の偏在性が少なく安定的な税収を確保できる地方税の体系を構築することや、安全・安心な住民生活を保障するための地方交付税の有する財政調整と財源保障の両機能が十分発揮できるよう、地方交付税総額を復元・増額し、一般財源の充実を図ることなどを全国市長会を通じ要望してまいりました。さらに本年度は、私が議長を務めました第98回全国市長会関東支部総会におきまして、真の地方分権改革の実現のため、国から地方、都道府県から市町村への権限移譲に当たり、税源移譲等による適切かつ確実な財政措置を行うことなどについて議決し、全国市長会へ要望をしたところであります。

 今後におきましても、真の地方分権が実現でき、自主自立した健全な財政運営が行えますよう、あらゆる機会を通じて国に働きかけてまいります。

 以上です。

○森沢委員長 山田委員。

○山田委員 数字的にはかなり厳しい数字なわけですね。こういう100億円もの実質の自治体の財源の悪影響額というのは大変なことだなと思います。これがなかったら、いろいろな苦しい選択、例えば都市計画税の増税とか、社会保障の単独事業の削減などを甲府市は選択しなくて済んだんじゃないか、そういう感じがしています。

 こういう状態の中で、甲府市の財政の状況は、先ほどの御答弁をお聞きすると、比較的明るく報告されているんですけれども、新庁舎も建設しなければいけないからそうなるのかもしれませんが、でも何となく、やはりひずみはどうしても出てくるんじゃないかなというふうな感じがしてならないんです。例えば、実質公債比率も改善されていますけれども、その順位は、今、類似都市で言うと何番目ぐらいによくなってきたのかな、その辺を、毎年聞いていますもので、どうでしょうか。

○森沢委員長 武川企画部長。

○武川企画部長 実質公債比率の順位ということですけれども、特例市、先ほどもちょっと兵道議員さんのときにお答えいたしましたけれども、41市ございますけれども、回答を得た市が39市ございます。そのうち27位でございます。

(「それは財政力です。実質収支です」と呼ぶ者あり)

済みません、30市中28位でございます。

○森沢委員長 山田委員。

○山田委員 4年前がワーストワンで、その次の年がワーストワンで、たしか去年、下から四番目ぐらいになったという話を聞いて、ことしは六番か七番かと思うけど、なかなかよそも努力しているということで改善されてないということですが、実際、まだまだ一番最初に総務省が言った18%というのをクリアするというのは大変だと思うんですよね。数字上ではもうかなりとっくに18%超えているけど、総務省の計算式が変わって、都市計画税を都市計画に関する上下水道なんかに算入してもいいという計画になったですよね。そうすると、大どころの下水や何かの起債が随分緩和されて見えるということになってくるんじゃないか。ですから、まだまだ私たちは安心できないし、国による、またこの今の大きな不況の中で、財源は一応非常に厳しい状態だなというふうに思うんです。

 それで、よく市の方で示される平成27年までのいろいろな実質公債比率とか、それがいかに緩和されるかという数字をいつも見せていただくわけですけれども、私個人は、その平成27年度以降ももうちょっといった方がいいんじゃないか、どうなのかもお聞きしたいと思うんです。これはかなりいつも言っていることですけれども、例えば新庁舎とかごみの共同処理施設ですね、お話だと160億円以上は、まあこれは地方債に頼らざるを得ないというお話を前に聞いたと思います。それから、平成27年度までに市のおおよその建物の耐震計画を行うというふうになっています。これは学校施設はその前ですけれども、そのほかのいろいろなものがありますよね。それから北新の公営住宅とか、戦後間もなく頑張ってつくった橋とか。それから、人件費は削減され続けていますけれども、団塊世代の退職というものがこの間かなり多くなってくる。そうなってくると、心配なのは平成27年度以降だなという感じがしてならないんですよ。

 例えばこれは、一言言ってもらえばいいんですけれども、例えば政府関連資金をお借りする場合には、すぐ返済が始まるわけじゃないですよね。据置期間が短くても2年、長い場合は5年ぐらいあると。そうすると、新庁舎とかごみのお金が決まって、お金を借りて払い始めるとなると、お金を借りたときから2年ないし5年ぐらいいっちゃうわけですね。だから、平成27年に本当に反映されているかどうか。まあ反映されているとは思いますけれども、その辺のところも含めて、もうちょっと慎重にしないと。それから、できたら平成27年度以降の図も見せていただければありがたいなと思いますけれども、どうなんでしょうか。

○森沢委員長 武川企画部長。

○武川企画部長 実質公債費の推計ということですけれども、今現在、公表を毎年しております。それはことしが平成24年度まで市民の方にも公表するということで、あとは推計ですけれども、平成29年度までは大体、最終、平成29年度には10%台前半に落ち着くという推測をしている状況でございます。

 以上です。

○森沢委員長 山田委員。

○山田委員 時間がだんだんなくなったので、でも、実質公債比率の今の計算というのは、多分に、今後想定される上下水、特に下水道のシステムの管渠の更新とか、そういうものは想定されていないと思うんですよ。というのは、下水道の方でもその数字はまだはっきり聞いてないし、言われていないと思うから、その辺の連携はまだできていないと思うんですよね。ですから、本当にこれから大変になるときですから、その辺のところをぜひ判断に入れて、市民の皆さんには、平成27年ぐらいからは安全安全ということじゃなくて、しっかり頑張っていきますよという姿勢を示していただきたいと思います。

 次に移ります。

 やはり新聞とか大企業の報道が中心になるので、少しおかしいかなと思うんですけれども、最近、報道では、大企業の収支を見て景気の底入れという言葉があって、底入れという言葉がうんと入っているんですよね。大きな企業の収支でいうと改善がかなり見込まれたというけれども、実際は甲府の市民として暮らしてみたら全然そんな感じしないですよね。ちなみに、底入れを辞書で調べたら、それ以上は下がる見込みがないことです。だけど、この間、ずっと下がってきて、中小の方々や商店の方々、我々、公務員の方ですら厳しさがずっと来ていると。現実の市民生活は、この大不況と、さらにはこの間の国政の影響によって本当に苦しい状態が続いているかなと思うんです。

 それで、簡単に数字だけざざざざっと言ってもらいたいんですけど、甲府市の雇用の状況、これはもう言われていますね。主な数字だけで結構です。市民の平均所得の低下状況倒産の状況、甲府市民の自殺者数、それにおいて住民税の滞納状況、上下水道の滞納状況、国保の滞納状況、そして滞納によって保険証がない方々はどのように増加しているのか、その傾向を簡単にだけ数字でお答えください。そして甲府市は、このような市民生活の現状に対してどのような認識をされ、また、生活が困窮されている御家庭にはどのように対応されているのか、ここでは総括的に、簡明にお答えいただきたいと思います。

○森沢委員長 数野産業部長。

○数野産業部長 甲府市の雇用状況、企業倒産状況等についてお答えいたします。

 厳しい景気状況にありまして、ハローワーク甲府管内の本年7月の有効求人倍率は  0.39倍となっており、全国の0.42倍を0.03ポイント下回り、大変厳しい雇用環境が続いております。また、山梨県市町村民所得推計による甲府市民の平均的所得の推移につきましては、平成12年が1人当たり339万2,000円に対し、平成17年は299万7,000円で、5年間の推移で39万5,000円低下しております。

 なお、直近の賃金の動きとしまして、山梨県の毎月勤労統計調査による県内の事業所規模5人以上の本年6月の給与額は、前年同月に比べ4.9%減少し、24万4,000円余となっており、10人以上の事業所においても4.9%減少しております。

 次に、東京商工リサーチ甲府支店の調べによる負債総額1,000万円以上の市内の企業倒産状況は、平成20年度は34件となっており、平成21年度は7月末現在10件となっております。

 最後に、本市の保健衛生統計による甲府市民の自殺者数は、平成20年、48件となっております。

 以上でございます。

○森沢委員長 横森市民生活部長。

○横森市民生活部長 個人住民税等の滞納状況及び国民健康保険資格者証の交付についてお答えいたします。

 平成20年度の現年度分個人住民税の滞納者数は、納税義務者の約6.7%に当たる 6,219人となっており、平成19年度と比較して1.8ポイントの増となっております。また、収入未済額につきましては、現年度調定額110億2,428万594円に対し、平成19年度とほぼ同額の4億1,602万円余であります。

 次に、下水道使用料につきましては、現年度調定額31億2,301万1,648円に対し、収入未済額は1億441万5,007円であり、平成19年度と比較し     3,467万円余の増となっております。

 次に、国民健康保険料につきましては、現年度調定額62億1,259万9,540円に対し、収入未済額は10億3,384万円余であり、平成19年度と比較し     4,111万円余の増となっております。

 また、長期滞納により国民健康保険資格者証が交付された世帯は、平成21年度当初で552世帯でありまして、前年4月当初に比べまして109世帯の増加となっております。

 以上でございます。

○森沢委員長 宮島市長。

○宮島市長 私の方からは、苦しい市民生活の状況の認識と、その対応についてということでお答えします。

 昨今の世界的な経済不況により、景気後退の長期化と深刻化、雇用状況の悪化による日々の生活不安など、市民生活への影響は極めて憂慮すべき状況であると感じています。このような中、本市といたしましては、平成20年度より離職者に対する就労支援や雇用の創出に向けた対応を図るとともに、生活困窮世帯など低所得者に重点を置いたさまざまな施策を展開してまいりました。

 また、昨年末には、市内工業団地入居企業代表者を初め、市内大手企業支店長に対し、地域雇用の維持・確保につきまして特段の配慮をお願いするとともに、金融機関に対しましては、地域雇用の確保につなげるため、中小企業への円滑な融資が実行されますよう強く要請をさせていただいたところでございます。

 平成21年度におきましても、引き続き積極的な対応を図るため、ふるさと雇用再生特別交付金及び緊急雇用創出事業を活用した雇用機会の創出などに取り組むとともに、4月には甲府市生活支援等に関する庁内連絡会議を設置し、生活支援にかかわる庁内の連絡体制の強化を図り、生活困窮者に対する総合的な相談に応じられますよう初期対応窓口を開設いたしました。

 今後におきましても、市民の皆様が安定した雇用環境のもと、健康で安心な生活が送れますよう、関係機関等ともなお一層の連携を図りながら、社会経済情勢に即した施策展開を図ってまいる所存でございます。

○森沢委員長 山田委員。

○山田委員 本当に重苦しい数字が次々出て、とても底入れどころじゃないと。放っておけばさらに底が沈んでいくという感じがしてならないわけです。こういうときに甲府市としての配慮というものが本当に必要になってくると。これは後で款項目の方で質問いたしますけど、やはり減免とか猶予措置とかで、できる限り公共料金、受益者負担などを抑制し続けなければいけないと思います。また、差し押さえとかそれによる公売など、これは悪質な滞納者に対する対応だなというふうに私の方では理解していますけれども、結局、これをやったところで、そんなに市の財政影響がプラスになるということじゃないんですよね。その前にどういうふうに対応していくのか。特に、本当に払いたくても払えない御家庭に対してどう対応していくのかということを真剣に対応をお願いしたいというふうに思います。

 続きまして、今後の対応ですね、総括の中で。自民党をぶっつぶす、改革なくして成長なし、痛みの分かち合い、官から民などをスローガンにした小泉改革のあらしが吹き荒れ、国民に結果としては一方的な痛みだけを与えることになった、そういうふうに思うところです。これで、この路線というものは、やはり生活が第一を求める国民から実質的には戦後初めての政権交代ということになったわけですが、自治体も基本的な行政姿勢を、より市民生活を守る自治体らしく振り返り総括する必要があるのかなと思います。従来の是正すべき行政姿勢や、当然とされてきた慣習はなかったのでしょうか。改善すべき点はなかったのでしょうか。例えば、国の指導に従うだけのやみくもな官から民とか、職員の非正規化や、行き過ぎた受益者負担原則に基づく公共料金などなど、やはりその辺のところも甲府市はもう一回総括し、見直すことが必要ではなかったのかと思います。

 最後に改めてもう一度、国と自治体の関係は上下関係ではなく対等なんだ、もっとしっかり国に物を言う姿勢が必要になってくるかと思います。その辺のところを行政の姿勢として基本的なお答えをお願いいたします。

○森沢委員長 宮島市長。

○宮島市長 行政姿勢についてということでお答えをします。

 私は、市長就任以来、市政執行に当たりましては、一貫して、市政は市民のためにある、この言葉を市政運営全般にわたる基本理念とし、対話を重視した、「市民とともに考え、市民とともに歩む、開かれた明るい市政」による「“わ”の都・こうふ」の実現に努め、常に市民・生活者起点の市政運営を心がけてまいりました。

 市政運営に当たりましては、従来の職員による事業評価から、限られた経営資源の効率的かつ効果的な活用を図り、より質の高い市民サービスの提供を目指すことを目的に、外部評価委員会を設置し、さらに平成20年度からは、現行の制度や財源などを考慮せずに事業の具体的内容が真に市民のために行政が担うべき事業内容か否かを公開の場で市民とともに検証する事業仕分けを導入するなど、行政の透明性の確保にも努めてまいりました。今後も市政全般にわたる見直しを進める中で、伸ばすべきは伸ばし、正すべきは正すという姿勢は常に持ち続けてまいりたいと思っています。

 なお、先ほど、委員が税の収納のことについておっしゃいましたけれども、それはあらゆることに通用することでありまして、私どもは催促をする、そして向こうから受け答えがある、税とかいろいろな滞納とか、そういうようなことですよね、受け答えがある。で、こうしてください、ああしてくださいと言うているのに、約束を少しも守ってくれんですよ。ちゃんと訴えて話をしてくれれば、我々だって高利貸しじゃないんだから、まあ、高利貸しというか、昔から言われている、布団をはがして帰ってくるようなことはしんですよ。それなのに、そういう通行もしない、幾日に来いと言うから出かけて行く、そうするといないだとか。それを何回も何回も繰り返させられれば、こっちだってきちんとした法的対応になってしまうじゃないですかね。だから、市民の皆さんも相談をしたりお願いをしたり、お互いがお互いの心が通うような対応をなるべくしてもらいたいものだと思うことも中にはあります。

 以上です。

○森沢委員長 山田委員。

○山田委員 私が先ほど言いましたのは、本当に払いたくて払えない家庭と悪質な方がいると。それで結局、すごく手だてをしても、影響額が余りないんですよね。だから、その前の体制が本当に必要だということをお願いしたわけです。

 それで、今までの慣習とか今までの考え方というのは、もうそろそろ切りかえた方がいいというのは、私は二つあるんですよ。というのは、議会外の外部評価委員さんがお考えになる、それから事業仕分けの方々で事業仕分け制度をするといった場合に、やはりどこに基本があるかというと、私どもは市民生活だけど、外部評価委員さんとか事業仕分けの方というのは直線的に効率なりコストを見られるわけですよね。そうすると、どうも傾向として、国に対して物を言うとかそういうんじゃなくて、市の持ち味である単独事業がどうもやられてくるという感じがしてならない。これはちゃんともう一回私も検証してみたいと思います。

 それからもう一つは、職員の皆さんの人件費です。これはどうも昔から安ければ安いほどいい、正規はなるべく削減して非正規に、非正規の方もなるべく押し下げてというのが、あんまりあっちゃいけないし、あってはいけない、あんまりでもないですね、もっとも全然ない方がいい。ここのところをちゃんとしないと、本当のいい意味での住民サービスというのは獲得されないですよ。今、幹部の方々も一般職も特別職も給与の削減をされていますけれども、そんなことで盛り上がるような甲府市に対する情熱が出てくるとは思えないんですよね。もうちょっと温かく自分自身もしていかないと、次から次から信賞必罰といっても罰ばかり、次から次から罰ばっかりじゃ、テンションが下がるじゃないですか。必死に頑張る市の職員の先頭に立つ方々、それから末端の方々、非正規の方々をもっと温かく包むような考え方の転換をぜひしていただきたいと思います。これは要望で終わります。

 以上です。

 2009312日 甲府市議会

2009年度予算特別委員会会議録 総括質問

○中山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。

 総括質問を続行いたします。

 次に、市民クラブ 山田 厚委員。

○山田委員 冒頭、今の市民生活の苦しさと社会不安及び地方の困窮の情勢の認識について、お伺いいたします。
 この日本社会の困窮と社会不安、過重なストレスの最悪の典型は自殺です。昨年2008年の自殺者数がまた連続して3万人を超えました。ことし1月の自殺者は2,645人とのことで、前年の厚生労働省の統計より340人も増加しているとのことです。この傾向は新年度さらに強まることが予想されます。世界的な不況が始まりました。極端に外需依存型の日本経済は特に打撃が大きく、深刻な状態が始まっています。

 よくアメリカ発の世界的な不況と言われますが、アメリカ発の前に、小泉改革発によって全国的な貧困と格差社会がつくられ、フラフラの状態になったからこそ打撃が大きかったと言えます。小泉改革は、「改革なくして成長なし」「痛みの分かち合い」「官から民へ」「規制緩和」などなどをスローガンにして、その改革を行いました。この改革は、一部の富裕層や大企業には利益と減税を、そして、それ以外のすべての国民には苦痛のみを与えたのです。社会保障、公教育の予算が削減されました。労働分野では、派遣の本格化など、非正規雇用の常態化と賃下げでした。職場は競争と長時間労働による心身の健康破壊を進めてきました。このことのツケが、今、市民生活と雇用、そして自治体財政を直撃し、いつ終わるともわからない社会不安をもたらしています。

 まず質問します。このような生活苦、社会不安の情勢に対して、どのような基本的認識をお持ちでしょうか。国からの三位一体改革で強められた市財政の困難な現状をどのように認識されていますか

 新年度の地方交付税は地方に向けてふえたとされていますが、甲府市におけるその主な内容について伺います。また、その地方交付税の内容ですが、その中に、小泉改革以降、特に臨時財政対策債という借金で賄ってくださいというものがあります。これが増加し、新年度もかなりの金額、先ほどの資料では24億円もの金額とされています。その現状について、また見解について、お伺いします。

 また、自治体は国の下請機関ではありません。自治体として、国の施策に対しての意見、要望、そして苦情もしっかり主張すべきだと思います。例えば政府関連資金の支払利息は、改善が始まったとはいえ、規制も多く、いまだに高金利です。その繰上償還ももっともっと進めるためには強く要請することは当然です。

 また特に医療です。例えば、国民健康保険や自治体病院、後期高齢者医療への国の財政的な援助がない中で、締めつけだけがさまざまに強まっているようです。全国市長会、全国自治体病院協議会など、関係団体と連携して強く要請すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○中山委員長 宮島市長。

○宮島市長 山田委員の御質問にお答えします。

 私の方からは、現在の社会情勢についてであります。

 国際的な金融危機の影響を受けた我が国の主要産業の業績悪化が地方の関連中小企業や地場産業などにも大きな広がりを見せており、さらなる企業業績の悪化による景気後退の拡大と長期化が懸念される極めて深刻な状況にあると感じています。

 ことし1月の山梨県内における有効求人倍率は、0.59倍と3か月連続で過去最低を記録するとともに、昨年10月以降、全国平均を下回る状況が続いています。また、先ほどお話のありました自殺者の問題につきましても、その原因として、健康問題に続いて経済、生活問題を理由とするものが多く、その件数も増加傾向にあるという調査結果が示されるなど、景気の低迷による雇用の大幅な削減や収入の減少が市民生活に重大な影響を及ぼす社会問題となっています。

 こうした状況を踏まえ、行政機関が、国、地方を問わず、これまで以上に生活者の視点に立った行政運営を行うとともに、市民一人ひとりの参画と協働により、互いに支え合い、助け合える地域社会を今こそつくっていかなければならないと強く感じています。

○中山委員長 山本企画部長。

○山本企画部長 三点についてお答えをいたします。

 まず、三位一体改革に対する認識と平成21年度の地方交付税についてであります。

 三位一体の改革につきましては、国庫補助負担金の削減額に対する税財源の不完全な移譲が地方自治体財政の疲弊を招き、本来の目的である地方の権限と責任の拡大や地方財政の自立、自治体間の財政格差の是正には至らず終わってしまったものと認識をしています。

 三位一体の改革により本市は非常に厳しい財政運営を強いられることとなりましたが、公債費の縮減や事務事業の見直しなどの行財政改革の推進と基金の活用により財源を確保し、市民サービスの質の維持を図ってまいりました。また、国においては、平成21年度の地方財政対策として、生活防衛のための緊急対策を踏まえ、雇用創出等のため地方交付税を1兆円増額し、対前年度比で2.7%増の15兆8,000億円といたしたところでございます。このことを受けまして、本市といたしましても、普通交付税を対前年度比 1.08%増の65億7,000万円ほどとしたところでございます。

 次に、臨時財政対策債に対する見解と平成21年度の発行額についてでございますけれども、本市の平成21年度の臨時財政対策債の発行につきましては、国の地方財政対策を勘案する中で、対前年度比55.2%、額にして8億7,000万円ほどの増、24億 4,000万円ほどを計上したところでございます。

 なお、地方財政の通常収支不足の一部を除いた補てん措置につきましては、平成12年度までは、交付税特別会計の借り入れで賄い、その償還を国と地方で折半して負担することとしておりましたが、平成13年度以降は、その地方負担分を臨時財政対策債により補てんすることとしたものです。この措置は、国と地方の責任分担の明確化や財政の透明性の確保を目的としておりますが、地方債残高に大きな影響を及ぼすことから、本市といたしましては、発行に際しましては細心の注意を払ってまいりたいと考えております。

 次に、国に対する財政支援の要請についてでございますけども、三位一体の改革に加え、社会経済が急速に不安定化している状況の中で、本市においても、自主財源の確保に全力で取り組んでおりますが、今後も厳しい状況が続くと予測せざるを得ない状況です。このため、国の財政的な支援を受けられるものにつきましては、市長会や特例市市長会を通じた要請をはじめ、関係自治体や団体と連携し、支援を要請してまいりたいと考えております。

○山田委員 今、市長さんから基本的な認識をいただきました。どの方が考えても、大変な状況になっているということがよく理解できると思います。

 それで、質問の2以降ですけれども、たしか平成19年の決算額当時では、三位一体改革で本市がこうむったマイナスの影響額は約71億円というお話でした。細かい数字は後で聞くとしても、これだけの金額がマイナスの影響を受ける、大変なことじゃないかと思います。もっと全国市長会、関連団体に本当にこぶしを振り上げるぐらいの感じで要請を強くしていただきたいと思います

 また、今回の地方交付税ですが、やや伸びたというお話も聞いたところですが、しかし、どの内容を聞いても、ここ1年、2年、3年ぐらいの一過性に過ぎないような感じがしてならない。一過性そのものだなと、そういう感じがしているです。その中にあって、臨時財政対策債という金額で、現金がないから借金でやってくださいという24億円、これに対しては、私ども、随分心配をしているところなんですが、これは3年ぐらいで大体元利の償還がされると言われていましたが、実際のところ、累積で幾らぐらいの金額になっているんでしょうか。わかりましたら教えてください。

○山本企画部長 臨時財政対策債でございますけども、平成21年度を入れまして 169億円ほどとなります。

○山田委員 だから、随分不安な状況も強まっているし、本当にしっかり国が対応してくれるのかどうかも、これはまた心配なところです。それで、特に甲府の場合には、結構今までの先輩の皆さんからの借金がずっと続いているわけですが、実質公債費比率、これについて、類似都市団体と比較して現状では何番目になっているんでしょうか、お教えください。

○山本企画部長 実質公債費比率でございますけども、類似都市33団体の中で、高い方から見て9番目ということに……

(山田 厚君「下から9番目ですね」と呼ぶ)

下からということですね。9番目ということになります。

○山田委員 この実質公債費比率も、総務省の計算式ですよね、途中で変わって、都市計画税を計算式に充当できるということですから、実際の公債費比率は、一番最初の平成18年ごろ教えていただいた額で言うと、まだまだ結構厳しいと思います。ぜひ、この状況をしっかり見つめて対応していくことをお願いしたいと思います。

 続きまして質問します。

 次は、甲府市としてできる市民生活への支援をお願いしたいんです。甲府市において、市民の生活苦と貧困はますます広く深くなっています。そして、この状態はさらに強まるし、何年続くかもわかりません。一過性に終わるような支援対策ではなく、しっかり地に足がついたものでなければならないと思います。また、それは単なるスローガンではなく、具体的な対策だと思います。

 以下、質問します。

 甲府市は、市民の苦しい生活状況においてどのような対策を行っていますか。特に、生活保護及びボーダーラインと言われている生活困窮家庭に対してはどのように援助されていきますか。また、甲府市は、甲府市の市税、公共料金、保険料などの市民負担の抑制については、この時期だからこそ特に重要だと思います。特に、新年度は新たな値上げはしてはいけないんじゃないか、値上げはしないことが肝要だと思いますが、いかがでしょうか。

 また、各種の減免制度についてです。整備、その体制はどのように努力されていますか。ここは基本的な対応として総論的にお答えください。

 また、非正規切りをストップさせ、雇用対策を充実させなければならないことは言うまでもありません。勤労者の生活の改善と底上げには非正規労働者の待遇改善が問われています。そのためには、まず、おひざ元の臨時・嘱託職員の待遇改善です、甲府市の。何回も同じことを質問しているようですが、新年度ではどのように具体化されるのでしょうか。また、この時期については、本人の希望しない雇い止めはぜひとも避けるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 労働者のこれ以上の賃金の切り下げは望ましくないと思います。内需拡大に逆行するばかりか、生活をも破壊させます。この場合、甲府市の職員給与をどうするかです。正規職員の給与カットが山梨県も含めて行われていますが、甲府市の場合は、給与の引き上げはあっても、カットは絶対にすべきではないと考えますが、どうでしょうか。

 また同時に、現在も続いている管理者給与のカットについてです。果てしもなく続けるのではなく、その制限期間を明らかにすべきだと思います。特に課長職については早期にやめるべきだなと思います。いかがでしょうか。

○中山委員長 工藤福祉部長。

○工藤福祉部長 生活保護世帯及び生活困窮世帯への援助についてでございますが、昨年からの世界的な景気後退により、本県の雇用情勢も急激に悪化し、市民生活も厳しい状況にある中、本市の生活保護世帯数や相談件数は増加傾向にあります。

 本市では、被保護世帯について、個々の状況に応じ訪問調査を実施し、自立に向けた課題に対する援助方針を策定するとともに、稼働能力を有する被保護者には、自立支援プログラムを策定する中で関係部局や関係機関等と連携を図り、地域社会の一員として自立した生活が送れるよう、必要な援助を行っております。

 また、生活困窮世帯に対しましては、本市の独自制度として、歳末援護事業の越年資金の支給や老齢者医療費助成、要介護者等の利用者負担助成、介護保険通所サービス利用者の食費負担助成など、低所得者に重点を置いた生活支援により、その経済的負担の軽減を図るとともに、介護保険料の個別減免制度などに加え、平成21年度から新たに保育料の減免の範囲を拡大し、真に生活に困窮している世帯の支援を拡充してまいります。

 さらに、解雇等により住居を喪失した離職者に対しましては、個々の状況や要望に応じまして、ハローワークで実施しております就職安定資金融資制度についての情報提供や、新たな本市の離職者対策であります信用保証料や利子補給の補助による甲府市勤労者生活安定資金の融資等の対応を行うとともに、緊急時におきましては、本市独自の法外一時金を支給するなど、積極的に就労に向けた自立支援を行っております。

 今後におきましても、被保護世帯や生活に困窮している方につきましては、健康で安心した生活が送れるよう、民生児童委員や関係部局、関係機関等となお一層の連携を図りながら、親切丁寧で適切な対応を図ってまいります。

○中山委員長 山本企画部長。

○山本企画部長 点目の市民負担の抑制についてでございますけれども、日銀甲府支店が発表した3月の県内金融経済概観は、「景気は大幅に悪化している」との判断を示し、今後さらに厳しさを増すものと予測をしております。このような経済状況下におきましても、応益性、公平性の見地から、市民負担の見直しをしなければならない場合も考えられます。この場合につきましては、事務事業の最大限の効率的運用を図ることで経費を必要最小限に抑え、適正な負担となるよう努めてまいります。

 次に、減免制度への対応でございますけども、雇用の大幅な削減や収入の減少など、厳しい経済環境が続く中、市民の経済的な負担軽減を目的とする各種の減免制度につきましては、その重要性を感じているところでございます。こうしたことから、今後も受益と負担の公平性に基づく制度の適切な運用に努める一方で、現下の社会状況を踏まえ、市民一人ひとりの事情に配慮した親切で丁寧な相談業務やきめ細かな対応に努める中で、市民生活への支援を行ってまいります。

○中山委員長 松本総務部長。

○松本総務部長 臨時・嘱託・非正規職員の待遇改善について、お答えいたします。

 集中改革プラン等により、職員定数の削減に努める中にあって、本市の行政サービスの水準を維持していくためには、これまで以上に臨時・嘱託職員制度の効果的な活用が必要となるものと考えております。本市といたしましては、公務運営の一翼を担っていただく臨時・嘱託職員の勤務条件について、夏季休暇の導入や健康診断の対象者拡大などを行い、法令等の趣旨に沿ってその改善を行ってきたところであります。

 平成20年度におきましては、職員の給与改定も行われなかったことから、平成21年度における賃金・報酬の改定は見送らせていただきますが、先ごろの総務省の「地方公務員の短時間勤務の在り方に関する研究会報告書」に示された勤務条件や報酬等に関する考え方、また他都市の状況等も参考にしながら、今後におきましても、必要に応じた待遇改善を検討してまいります。

 なお、臨時・嘱託職員は、期限を定めた任用を行っており、あらかじめ勤務していただく時間等の勤務条件をお示しし、御理解をいただいた上で任用をしているところでございます。

 いずれにいたしましても、これらの職員が意欲をもって業務遂行を行い、さらなる市民サービスの向上が図れるよう、勤務条件等の整備に努めてまいります。

 次に、職員の給与カットについてでございますが、職員の給与につきましては、社会一般の情勢に適応するよう、人事院勧告や国家公務員制度、また他都市の状況との均衡を考慮して定められるものであることから、基本的には減額措置を行うことは好ましくないと考えております。本市におきましても、事務の効率化や職員定数の削減などにより人件費の抑制に努めておりますが、市民の皆様の負担の拡大や昨今の社会経済情勢、また本市の財政状況等をかんがみますと、期間を限定した上で特別職の給料と職員の管理職手当の減額措置はやむを得ないものと判断したところではございます。現段階では減額措置の延長は平成21年度の1年間としておりますが、今後の社会経済情勢や本市の財政状況等の推移を見きわめる中で、慎重に判断すべき問題であると考えております。

○山田委員 本当はもう一つ質問したかったんですけど、それは次のときで、再質問という形でやらせていただくんですが、確かに、減免措置、それから生活保護ボーダーライン家庭に対する連携をとりながらの対応というのは、情勢が情勢ですから、今までになく検討されているということだなと思います。しかし、一方、これらの政府の緊急の対策とか、甲府市の単独の生活安定資金とか、それから、もっと陰に隠れていた法外一時金、これらのことに関しては、ほとんどいまだ知られていない状況があるんじゃないかと思うんです。ですから、これに関しては、市の方に対してさまざまな市民の方からの相談があったときに説明をしていただく、それはこっちだよというふうにしていただかない限り、なかなか行政の中でこういういろんな取り組みがあることが知られていないんじゃないかな、そういうふうに思うところです。

 そうあるのならば、現在、甲府でいえば、たしか自殺者なんかの数も数十人単位で出ていますよね。新年度はふえる可能性もある。だから、これは危機管理の状況にぼつぼつ4月以降なる可能性もあるやもしれません。そうであるとするならば、いろんなところでさまざまな相談の電話とか相談が来るよりも、一括まとめてここはこうだよという、そういう市民生活110番みたいなものもしていく必要があるんじゃないかなというふうに思うところです。これが一つ。

 もう一つは、甲府市の職員さんの条件ですよね。やっぱり雇用対策といっても、おひざ元の甲府市で働いてもらっている非正規の人の対応をこのままでいいとは私は思いません。確かに、昨年度、私どものお願いで給与を上げてもらったり夏休もふやしてもらいました。でも、それはそれは当然なことであって、まだまだ努力をすべきじゃないかな、私はそう思うところです。

 類似都市と比べてもわかると思いますが、甲府の人件費の割合はかなり低いんですよね。ということは、ラスパイレスという問題も絡めて見ると、人手が甲府市は足りないんじゃないか。その分、臨時さんにどんどん行くわけですよね、非正規さんに。だとするなら、もうちょっと、これは本当は正規に引き上げてもらいたいんですけども、臨時さんの対応を心を込めてやる必要があるんじゃないかなと思うんですね。その辺の二点、ちょっとお伺いします。

○中山委員長 宮島市長。

○宮島市長 後段のことについては総務部長が答弁をします。

 何か横の連絡をとって一つのものをこしらえられないかということなんですけど、この不安定な社会経済情勢の中で、市民生活に対する各分野の支援制度、これを総合的に把握をして、これらの制度を組み合わせた支援ができるよう、生活支援に関する連絡会議、これの設置を指示をした。この会議を中心にして、関係部局が連絡を取り合いながら市民への支援に取り組んでいくようにするということです。

 後段は総務部長から。

○中山委員長 松本総務部長。

○松本総務部長 臨時職員、嘱託職員の勤務条件の改善ということでございますが、臨時職員とそれから嘱託職員の給与でございますけれども、一般職の初任給を基準に算定をしておりまして、昨年は6,300円を6,400円に上げながら改善をし、また、健康診断につきましても、法的なところにつきましては当然健康診断をやっているわけですけども、30時間労働をしているところにつきましても拡大を広げながら、勤務条件の緩和というですか、拡大をしてきたところでございます。

○中山委員長 山田委員、最後ですので短目に。

○山田委員 今の松本部長のお話は決算委員会で、予算委員会の質問だから、今年度どうするのかという雰囲気も欲しいなと私は思ったところです。よく非正規の人は大変だとか言われるけど、地方公務員法に私は問題があると思いますけど、官製ワーキングプアとか、官製の非正規切りというのは、ある意味ですさまじいなと思うんですね。ですから、そこのところを、同じ市民なわけですから、同じ職員さんなわけですから、ぜひ丁寧な対応をしていただきたいなと、重ねて重ねて要望したいところです。

 もう一点の、庁内に連絡会議を持って市民生活のことにあたるというふうに言われた、このことは本当に感謝したいと思います。というのは、減免制度でもさまざまな対応で、課と課でいっぱいあるんですね。それを一つのものにまとめて、ここに対応したら全部一応答えられて、そして必要な対応は回すことができるという、よく窓口の問題でワンストップという言葉も出ますけど、相談もまずはここへと、そういう体制をつくっていただければありがたいなと思います。

 以上で終わりますが。

(企画部長 山本 治君「一つ訂正をしたいんですけれども、

よろしいですか」と呼ぶ)

○中山委員長 山本企画部長。

○山本企画部長 先ほど、実質公債費比率の全国的な順位ということで9番目と言いましたけども、類似都市の33団体で、17.9%というのは33団体の中で29番目です。9と言ったけど、29番目。

(山田 厚君「高いうちで9ということでしょう。29番目

ということでしょう。軽い方じゃなくてね」と呼ぶ)

はい、申しわけございませんでした。訂正をさせていただきます。

(山田 厚君「わかりました。下から4番目ということだね」と呼ぶ)

そういうことです。

(山田 厚君「わかりました。はい、どうも」と呼ぶ)

どうもすみませんでした。

2008916日 甲府市議会

2007年度決算特別委員会会議録 総括質問

○谷川委員長 次に、市民クラブ 山田 厚委員。

○山田委員 憲法をめぐる危険な情勢の問題は、この間、憲法9条だけでなく労働、教育、社会保障、地方自治まで及び、基本的人権と生存権がますます形骸化し、乱暴に扱われ、確実に脅かされています。

 このことは、かつて盛んに宣伝されていた福祉社会、一億総中流社会は、いとも簡単に投げ捨てられ、今ではだれが見ても明らかな貧困化社会と格差社会を生み出しています。政府統計でも260万人となった完全失業者、1,700万人を超える非正規労働者、膨大な数の心身の健康不全者、10年連続している3万人を超える自殺者、国民健康保険からも締め出された34万世帯の保険証のない医療難民、野放しにされている物価高騰、そして過疎、過密が強まり、さらに疲弊する地方の現実となっています。

 特に小泉政権からのいわゆる三位一体改革の国政の流れは、この傾向を確実に強めた悪政です。本来の建て前は地方分権、地方の自治を進めるための三位一体改革であるにもかかわらず、財源移譲が不十分な中で社会保障をはじめ、仕事だけが自治体に押しつけられてきました。財政難となった自治体は、公共料金などの高負担を市民に求めたり、市民サービスを業者委託で切り抜けようという傾向も強まっています。

 国の相次ぐ大規模な法改正が続き、さらには朝令暮改の制度改正の中で、自治体の業務量と財政は、今までになく困難となり、それは自治体職員の心身の健康破壊と市民生活への強い痛みとなってきています。

 以下、質問しますが、平成16年度から始まった三位一体改革ですが、この4年間の甲府市の影響額の総額は、税源移譲額などの相殺でも実質影響額、先ほどのお話では71億円相当とお話がありました。自治体は国の下請機関ではありません。自治体として国の施策に対しての意見、要望、そして苦情もしっかり主張すべきだと思います。市長会などにも働きかけ、どのような意見反映をしてきたのかをお聞きします。

 また、後期高齢者医療制度や定率減税の廃止など、さまざまな制度改正や市民負担の増が続いています。当然市民からの苦情や相談も多くなっています。より丁寧な対応が必要ですが、現状における市民への対応について、総論的にここではお聞かせください。

○谷川委員長 山本企画部長。

○山本企画部長 はじめに、国に対して要望等どのように行ってきたかというような御質問だと思いますけれども、国の施策及び予算に対する提案、要望につきましては、山梨県の市長会において、県内各市の要望を取りまとめまして、県を通じて国へ働きかけるとともに、全国市長会からも同様な要望等を国に対して行っているところでございます。

 また、原油価格の高騰等、市民生活への影響が心配される急激な社会、経済状況の変化等に対しましては、原油価格高騰対策の充実に関する緊急要望や、また緊急経済対策の効果的な実施と地方財源の充実について等、適宜全国市長会など地方6団体等も足並みをそろえまして、緊急要望等を国に対して行ってきたところでございます。

 また、もう一つの制度改正における市民への対応ということでございますけれども、急速な高齢化の進行や、経済の低成長下における景気の変動、またこれらに伴う国、地方を通じての厳しい財政状況と行財政改革の推進など、さまざまな社会経済状況の変化に的確に対応していくため、今、社会保障制度や税制度などの制度改正が行われております。

 こうした中、市民対応の最前線となる市町村におきましては、所得の状況や生活環境などによって制度改正の影響をより強く受ける人たちと直接向き合うことが大切であります。

 そして、こうした考えのもとに、制度改正の内容や必要性について市民の立場に立った親切で丁寧な説明と真摯な対応が求められると考えます。

 こうしたことから本市におきましては、広報誌への掲載やパンフレットの配布、地域における説明会を繰り返して行うことによりまして、制度の周知に努めるとともに、問い合わせあるいは相談に対しましても迅速に対応するため、受け付け電話の増設あるいは窓口レイアウトも変更などを行いまして、丁寧でわかりやすい対応を心がけておるところでございます。

○山田委員 三位一体における実質の影響額ですが、71億円が平成19年度とすると、平成20年度の段階になると、ほぼ90億円を突破するということは明らかなんですよね。ぜひこの問題に関しては、自治体を預かる市長さんとしては、全力でこういう問題は是正を求めてほしいと思います。

 たしか市長さんは、ガソリンの暫定税率撤廃問題に関しては、先頭に立ってシュプレヒコールしたわけですから、この問題にぜひシュプレヒコールを繰り返していただきたいと、そういうふうに思うところです。

 それから、市民の方々、例えば国民健康保険料が上がった。それから定率減税が廃止された。大変困りますし、何とかしてほしいということで本庁の方にかなり皆さん来られて相談に乗ってもらおうとしたり、意見を申し上げるということになっています。そうなると、日によっては50件、20件、30件というのが本当に多くなると思うのですね。そういうためにも窓口の人の対応、それから法制度も含めて分納や減免制度を熟知した職員の育成と配置を強く求めたいと思います。

 続きまして、この平成19年度の決算から、財政健全化法による新しい財政指標を適用していきます。財政破綻し、市民生活に多大な困窮をもたらした夕張市とならないためにも市の関連するすべての会計の財政状態を把握し、全体の健全化を図ることは必要です。しかし、この財政健全化法は、自治体の財政状況によって「早期健全化」「財政再生」の烙印を押されることになると、その自治体は、実質的に国の官僚管理下に置かれ、自主的な自治体としての機能が奪われることとなります。自主的な財政再建を困難にするばかりか、地方自治や地方分権の精神にも反することになると思います。

 しかしながら、まずはこの財政健全化法の新しい財政指標、基準から甲府市の財政がクレームがつけられないこともこの際大切だなと、そういうふうに思うわけです。とりわけ甲府市は今後、新庁舎の建設や甲府・峡東のごみ処理場の建設、上下水道の更新などの大事業がメジロ押しなわけです。今後ともいかに大きな借金をふやさないでいくかが重要だと思われます。

 また、財政健全化の目標とは、これからも市民生活の向上に向けて自治体としてのサービスの機能を維持し続けることです。それが財政健全化に向けるとして、破綻後の夕張市のように最高の市民負担で最低の市民サービスを今から目指していては本末転倒となってしまいます。そして財政運営の健全化とは、言うまでもなく市民サービスを維持し、向上させることである、そのための担い手は市の職員であり、非正規職員です。これらマンパワーを大切にして健全で市民に丁寧で優しい行政を行うためにも、その基本である職員、非職員の健康的な力を大切にしていっていただきたいと思います。

 質問しますが、財政健全化法の新しい指標、基準に基づいて甲府市の平成19年度決算、いずれもクリアしているとの先ほどのお話ですが、それでもまだまだ安心できないと思います。特に甲府市は、先ほども言いましたが、大きな建設事業がメジロ押しです。単年度の決算額だけの判断でなく、今後5年後、10年後の財政計画が必要だと思われます。今後の中長期の財政数値をどのように判断されていますか、お聞きします。

 なお、公共料金や市税など、市民負担の抑制と軽減に向け、どのような努力をされてきましたか、市の単独事業も含めて社会保障の維持と充実に向け、どのような努力をされてきましたか、ここでは総括的にお伺いします。

 先ほども言いましたが、繰り返します。市の行財政運営と市民のサービスの担い手である市職員と、非正規職員にとって働きやすく、健康的な快適職場環境の形成に向け、どのような取り組みをされてこられたのでしょうか。特に市職員の職場にゆとりと非正規職員の皆さんの雇用と賃金の改善は必要だと思いますが、いかがお考えでしょうか。

○谷川委員長 宮島市長。

○宮島市長 総括的にということで幾つかおっしゃいましたけれども、その中で市民負担の抑制と事業推進についてだけ私の方でお答えをさせていただきます。

 少子高齢化や人口減少社会の進行とともに、原油価格の高騰などによる経済の不透明な状況が続く中、財政の健全化のためには、市税をはじめ手数料・使用料などの自主財源を確保するとともに、行財政改革の推進や事務事業の見直しなど、歳入歳出両面にわたる財源の確保が大変重要であると考えています。

 このため、平成19年度におきましては、公平・公正の視点に立った市税などの収納率の向上を図るとともに、未利用市有地の売却や新たに各種送付用封筒への広告掲載を行うなど、自主財源の確保に意を注いできたところであります。

 もっとも、未利用市有地を一生懸命になって、売らんかなでやったけど、みんな売れないですね。例えば古府中の土地なんかは、簿価よりも随分安くして売ったですけど、でも、買い手が殺到という感じじゃないですね。昔40万円で売ったところを、あそこ大体坪 15万円ぐらいでやっても売れない。景気の状況がよくないということなんでしょうかね。これ以上下げるということも、またできぬなと思っているんですよね。3分の1ですからね。余計なこと言いましたね。

 また、事業推進にあたりましては、「選択」と「集中」による施策や事業の重点化を行い、特に社会保障制度の維持、充実の観点からは、高齢化が進行する中で、本市が堅持してきた65歳以上の老齢者医療費助成制度については、持続可能な制度にしまして、道筋をつけたと思っています。

 すこやか子育て医療費、ひとり親家庭等医療費や重度心身障害者医療費の平成20年度窓口無料化や、母子家庭や生活保護世帯への就労の支援に取り組んでもまいりました。

 今後におきましても、市税収入の確保と事務事業の見直しによる経費節減などに努め、自主財源の確保を図る中で、より計画的で効果的な市政運営を進め、市民福祉の向上を図ってまいりたいと考えています。

 あと、残りは企画部長に答弁させます。

○桜井委員長 山本企画部長。

○山本企画部長 私の方から2点についてお答えをいたします。

 まず、財政健全化法に基づく新しい指標でございますけれども、積極的な行財政改革によりまして経費の削減、また、市長が今言いましたように未利用市有地の売却収入を原資といたしまして、債務負担行為の繰上償還、計画的な市債発行や市税収入の確保など財源確保に努めてきた結果、今回財政健全化法で定められた4指標における比率と資金不足比率は、平成19年度決算におきましては、いずれも早期健全化基準値内におさまったところでございます。

 しかしながら、一部には赤字を計上している会計もありますことから、今回の数値に満足することなく今後におきましても、財政健全化に向けた取り組みをさらに強めていかなければならないと考えております。

 次に、今後の財政状況についてでございます。

 現在計画しております庁舎建設事業や、新ごみ処理施設建設事業につきましては、現段階ではまだ事業規模等が未確定でありますけれども、現時点での財政計画上は、両事業で160億円程度の市債発行を想定をしているところでございます。

 この市債は、交付税措置されます合併特例債や一般廃棄物処理事業債など、財政的に有利な市債を活用していくことを前提にしております。

 このため、元利償還金が、実質公債費比率や将来負担比率に及ぼす影響は、他の公債費も平成19年度と比較いたしますと減少してまいりますことから、少ないものと考えております。

 さらに債務負担償還金が両事業における公債費が増加していく平成27年度には、平成19年度末より93億円程度減少するために、実質公債費比率は10%前半、将来負担比率につきましても100%前後で推移するものと予測をしているところでございます。

○谷川委員長 松本総務部長。

○松本総務部長 職場のゆとりと非正規職員の雇用についてということでお答えをさせていただきます。

 まず、職場のゆとりについてでありますが、市民満足度の高い行政サービスを提供するためには、職員が働きやすい環境で健康で職務にあたることが極めて重要であると考えております。

 そのためには、ゆとりが感じることができるような職場づくりが必要であるため、部長会議等を通して業務の計画的、効率的な執行や職員間の業務配分の均衡を図り、さらには時間外勤務の縮減や計画的な年次休暇の取得に努めることなどの周知徹底を図り、職員の健康管理や職場環境の改善に努めているところでございます。

 また、毎年業務量や職場実体の調査を行い、必要となる定数設定を行うとともに、人事異動にあたっては、事務事業の内容や性質を勘案し、職員の意欲や能力に応じた職員配置にも努めているところでございます。

 次に、非正規職員の雇用と賃金改善についてでありますが、市民サービスの向上を図る上で、これらの職員が意欲をもって業務に携わり、市民満足度の向上に努めていただくためには、勤務条件の整備や職場環境づくりは重要であると認識しております。

 こうしたことから、平成19年度におきましては、正規職員の給与改定の状況を踏まえ、各種法令の趣旨を遵守する中で、各職に応じた賃金等の単価設定を行うとともに、夏季休暇の導入や対象者を拡大しての健康診断の実施など、平成20年度に向けた対応を図ったところであります。

 いずれにいたしましても、厳しい行財政状況下ではありますが、重要な資産である人材の育成や活用に意を用いながら、市民サービスの低下を招かぬよう、また職員が精神的にもゆとりを感じとれるような職場環境づくりに努めてまいります。

○山田委員 ひとつ、景気の認識ですけど、先ほど土地の問題で市長さんが言われたように、私、中央の政府が言うこととか、東京の空の下で言う景気と地方の普通の市民の目線の景気、全然違うなと、そういうふうに思うんです。

 きょういただいた、『決算総括説明』の1ページのこれに対してこれをやめろとか、そんなことを言っているわじゃないですけれども、こういうふうに書いてありますね、景気のことを。「日本経済は企業活動などの民間需要中心の緩やかな回復を続けておりましたが、現在は、企業収益が減少するなど景気は……当面、弱い動きが続くとみられております。」こんなレベルではないなと。

 先ほど言いましたように、国民健康保険証がない世帯でも、全国で34万世帯も急に出てきちまう。ちょっと前、私なんか35万人と言ってたのが、こうなってしまった。いや、実際地方の見る普通の市民の景気の感覚と中央の政府が言ったり、東京の空のもとでは全然違う。そこの危機感をしっかり持っていただきたいなと思うんです。

 ところで、実質公債費比率ですが、たしか、去年までのお話では、財政健全化計画を立てて、平成23年までにいわゆる18%をクリアしますと、それがもうことしの平成19年度決算でクリアしてしまったということは、一つは当局の御努力と、もう一つは、政府の側の計算の仕方が変わってきた。だから、甲府市の努力としてはそれなりに評価するとしても、計算のやり方が変わったからといって「クリアしてます」というと、まだまだ安心できないんじゃないか。

 例えばお聞きしますが、類似都市においてこの実質公債費比率のパーセント、今まで言われていましたよね。一昨年はワースト1、去年はワースト2、じゃ、ことしはワースト幾つ。多分ワーストの方だと思うんですよ。その辺のところをぜひ教えてもらいたいです。その辺のところは余り変動してこないし、むしろしっかり緊張して受けとめた方がいいんじゃないか。

 それからもう一つ、先ほどごみと新庁舎の建設で公債費、新たな借金160億円ほどになりますよと言いましたが、同時にこの近所、平成27年度ぐらいに特に問われるのは、例えば、上下水道の管渠のシステムの更新があるし、それから橋の長寿命化計画といって計画を立ててそれに着手しなきゃいけないのが平成25年ごろ。それから中央卸売市場も、その改修は平成27年ごろには、どういう状態であれ考えなきゃいけない。それに特に注目されているのが、耐震促進計画平成27年度までに100%、これが出されております。

 そうなってくると北新の団地だけじゃなくて、荒川の団地はどうなのか、中央保育所はどうなのか、社教センターはどうなのか、中道の支所はどうなのか、YLO会館はどうなのか、メジロ押しなわけです。しかも我々50代の中間の人たちが今後10年間には、団塊世代から次々とやめていく。退職金だけで10億円は超えるでしょう。自己都合退職も結構出ている。そうしたら14億円、13億円という金が出ますよ。これらのことも含めて、ちょっと中長期的な計画をしっかり立てないと、簡単には言えなくなってくる事態が来るんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

○山本企画部長 まず、実質公債費比率のことでございますけれども、実質公債費比率、当初の計画では平成23年までには18%を切るということで計画を進めておりました。ただ今回、計算方法も変わりましたので、一気に低くなったわけですけれども、今まで計画しておりました平成23年度数値で行きますと、今年度は、20.ちょっとぐらいの予定でございました。ですから、当初の目的に沿って実質公債費比率は下がってきているというのが状況でございます。

 それから類似都市ということでございますけれども、類似都市の平均で行きますと、9%程度ということになっております。33団体を抜き出しているのですけれども、甲府の場合には29番目ぐらいとなっているところでございます。

 それから今後、先ほど言いました庁舎建設や、それからごみ処理場建設の事業だけでなくて、議員御指摘のとおり公共施設の耐震化については、平成27年までには100%に持っていくんだということで進めておりましたり、また退職金も出てくるんだということで、長期の財政ビジョンをしっかり立てていかなければならないということでございますけれども、私どもも昨年度から今後見込まれます事業等につきましては、各部の方からそれぞれ想定される事業等も上げていただきまして、それぞれの予算を見込む中で平成27年度までの財政計画については、一応立てているところでございます。

 しかし、税収等も今後急激な増加というものは見込まれません。そういう中で行政改革も積極的に進める中で、経常経費の削減等も図りながら、これからの大型事業等へも支障の出ないような財政運営に心がけてまいりたいと思っているところでございます。

○山田委員 何よりも財政健全化の目指すところは、お金を使わないこととか、とにかく収支のバランスをよくして黒にしていくことだけじゃなくて、それはもう前提で、基本的に目指すものは、だから市民生活を向上させ、維持させていくということが財政健全化法として我々の目的するところだと思うんです。

 ですから、いたずらに大きな事業があるから、大の虫のためには小の虫をということ じゃなくて、大きな事業がある。だけれども小さい事業こそ大きな事業の裾野ですから、そこをしっかり社会保障、教育などを守っていただきたいなと思うんです。

 それから甲府市では、結構この間、これは次の款のときにお聞きしますが、健康が不全の方が多くなっている。それから病気で休まれている方が多くなっている。このことに もっとトップの方は目を配っていただきたいと思うんです。だれでも病気をしたくて休んでいる人、休職したくて休んでいる方は甲府市の職員さんの場合、一人もいないと思うんです。その方がかなりの数になっていることも含めて、今の甲府市は結構ゆとりのない職場になっているのかなと思います。ぜひ、その辺のところを丁寧に見つめていただきたいと思います。

 ちなみに、先ほどの資料では人件費見ていただきたいけど、甲府市は類似団体で言うと、かなり軽い数字になっていますよね。だからこそ今後とも新規採用も含めて、丁寧な市のマンパワーを維持し、そして市民生活を向上させる取り組みを鋭意努力していただきたいと思います。

 以上、終わります。