2005年3月議会
2005年3月4日定例会会議録より














障害者福祉の向上と公的支援の充実を求めます!

山田 厚
 はじめに、今回の中道・上九一色との合併に伴うメリットとデメリットについて伺います。
 今回の合併は、いわば甲府市の先人たちが、他町村とのごみや消防、水道、病院、中央卸売市場などの広域行政の積み重ねの中から展望していた合併とは異なる合併です。また、基本的なまちづくりより、合併特例債の使い道の話題が多く、しかも慌ただしいといえば確かに慌ただしく、合併特例債の期限に合わせてとにかく調印を行いました。よく指摘される「合併ありき」ではなく、「合併特例債ありき」のような危惧さえ感じます。そして何か甲府市の歴史にとって輝かしい第一歩という感動より、これからしっかりしなければ甲府市が大変になるかもしれない、といった漠然とした不安すら感じているのは、私だけではないと思います。その漠然とした不安のもとは、合併に伴うメリットとデメリットが住民の前に明らかにされていない、よく見えていないことです。
 特にデメリットを住民にしっかり情報公開することが足りないと思います。こんなデメリットもあるけど、しかしメリットもこのようにあり、将来的には必ずプラスになるとの方向を住民の前に示す必要があります。それがなく、簡単に「デメリットはありません」の答弁の繰り返しでは、かえって不安を抱いてしまいます。
 例えば上九一色北部は、65歳以上の高齢化率が40%を超える超高齢化の過疎地域です。また中道町は、地方債が全体で100億円にもなるとお聞きしました。しかも中道町の行政当局さんがつくった住民向けの合併資料には、合併特例債への期待が強く、新たに100億円相当の特例債が明示されていました。また注目されてきた大規模開発の米倉山の問題もあいまいです。新しい甲府市にとって、合併による市税収入の増加より、中道や上九一色へのさまざまな持ち出し部分が明らかに多くなります。また合算される地方債や、合併特例債によって市の借金額は膨らみます。甲府市民の福祉や市民生活に関連する予算へのしわ寄せは全くないと言い切れるでしょうか。
 中道や上九の住民にとってもデメリットはあります。医療など制度的には甲府市がしっかりしていようとも、それまで国からの地方交付税によって維持されてきた低額な公共料金や、きめの細かなサービスは、上九一色や中道の方が上ですから、何も知らないまま甲府の負担額やサービスに直面したらどう感じるでしょうか。バラ色のメリット論だけでは合併後の現実を体験したとき、それまでの甲府の住民は、とんだお荷物をしょい込んだと感じたり、それまでの中道と上九一色の住民からは、損した、だまされたということになりかねません。新甲府市のまちづくりの第一歩は、相互の不信であっては、これからの確実な新甲府の歩みはできません。混乱と不信を招かないためにも、改めて合併に伴うメリット、特にデメリットをしっかり情報公開すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 続きまして、学校給食の直営自校方式の堅持と中学校給食の改善について質問します。
 教育委員会は、小学校給食調理業務の運営方針を明らかにしました。この方針は、基本の直営自校方式の小学校給食を民間委託で、しかもブロック別の親子方式を含む共同調理場とするものです。つまり、ブロック別民間給食センター方式です。給食の関係者には、全く理解ができない、極めて乱暴で誤った方針と言わざるを得ません。
 問題の第1は、小学校から給食室がなくなってしまうことです。子供たちから給食室がなくなるということは、極めて問題です。給食室からのにおいをかぎ、給食のつくり手を見て、感謝しながらいただき、「ごちそうさまです」といって片づける。その日々の過程がなくなってしまいます。これがいいこととお考えでしょうか。
 問題の第2は、この方針では、学校給食を教育として見ていないことです。またこれからの食の教育の大切さを考慮していないことです。さらには、食と子供の体力や体格の低下の傾向の問題も無視されています。このことをいかに受けとめているのでしょうか。
 問題の第3は、教育委員会学事課の議論は、すべてがコスト論から始まり、誤ったコスト論の繰り返しでした。民間と比べて3倍の小学校給食費、保護者の給食費の応分の値上げ、光熱水費も給食費に入れるべきか、やはり調理員の人件費のコストは大きい。官民格差は財務省調査で1.73倍、小学校給食からの費用は、学校の耐震工事に回したいなどなどでした。これらすべての論拠はおかしいものと言えます。またコストを下げるためには、どのような理屈もつけるということでは、市民からの信頼をそこねるものです。どうお考えでしょうか。
 問題の第4は、しかもコスト論で始まりましたが、コスト論で終わっていないことです。その結論は、コストから言ってもおかしな、かえって膨大なコスト増となるブロックセンター方式となっているからです。今回出された運営方針で、コスト的な数字の見通しすら示していません。しっかりしたコスト的な計画を数字で示してください。コスト論なら、あくまでコストに終始すべきではないでしょうか。今回の方針へは、市PTA連合会も、校長会も、教頭会も、先生方も、調理員さんも栄養士さんも、そして保護者も反対や危惧、不安を強めても賛成はないと聞いています。現場では、どなたも民間ブロックセンター方式を歓迎はしていません。給食調理検討委員会の議論内容も反映されているとも思えません。この方針では、「結論ありき」の学事課の作文ではないかと言われた方がいましたが、私も全く同意見です。
 しかし、今回の方針で、私は業者弁当方式の中学校給食の改善が具体的にできることがよくわかりました。中学校の保護者からは、小学校給食室から中学校に給食を運ぶ親子方式を、汁物が欲しい。食缶方式で中学校に送れないかとの声が絶えずあったからです。それまで学事課は、この要望に中学校の汁物はできない、難しいとずっと言ってこられました。でも今回の方針を見ると、できるということになります。質問します。
 小学校給食のブロック民間センター化ではなく、この際、小学校給食室からの中学校給食への親子方式、食缶での温かい汁物の提供はどうでしょうか。またあえてお金をかけたいなら、中学校給食のブロック別共同調理場方式を提案します。どうお考えでしょうか。
 続きまして、障害者福祉の向上と公的支援の強化に向けて質問いたします。
 社会的な弱者であり、少数者である障害者と、その家族を社会的に保障し、支援していくことは、自治体における責任であり、その努力は、自治体の公共の福祉を高め、障害者だけでなく、すべての市民に安心と安全を保障するものになると思います。そしてこれからの自治体は、障害のある人も、障害のない人とひとしく職場、地域で生活し、活動する社会を目指すノーマライゼーションの理念を具体化していくことだと思います。
 まず、障害者福祉計画数値目標についてお聞きします。「健やかいきいき甲府プラン」の障害者福祉計画では、平成21年度までの数値目標が出されました。目標を定めて努力されることは、大変ありがたいことだと思います。しかし、事業によっては目標が低過ぎるのではないかと感じます。例えば送迎などの一時養護サービスのレスパイト事業ですが、平成15年度が164人ですが、21年度では175人で、わずか6%の増でしかありません。この事業は極めて利用が高く、昨年度では目標より17%もふえていますが、数年間で6%にとどまるとは思いません。グループホーム事業も同様です。これは障害者が地域で共同生活を行う住居において、食事など日常生活の援助を行う事業です。甲府市の数値目標では、知的と精神障害者のグループホームは、合わせて平成15年度は利用者61人ですが、平成21年度では95人です。これでは少ないと思われます。障害者の実情に合わせて目標数値を変える必要があると思われますが、いかがでしょうか。
 なお、レスパイト事業ですが、甲府市では20歳以下の障害者に限定されています。21歳からいきなり障害が軽くなるわけではありませんから、この年齢制限は甲府市だけのものと聞いています。また今回の合併対象である中道町でも、レスパイトの年齢制限はありません。年齢制限をぜひ外してください。
 またグループホームの事業を行っている施設の問題です。県内では40か所となり、このところわずかに増加しています。しかし、甲府市ではわずか5施設です。甲府市の70%近い障害者は、北巨摩の市外10か所の施設を利用しています。ちょっと見ていただきたいのですけど、(パネル掲示 1)こういうイメージですね。見てください。甲府が5施設。よそに10施設。甲府の障害者の方が70%行っているんですね。身近な地域で自立を目指す、こう言われているグループホーム事業が、甲府市外のまちへ行くというのは、いかがなものでしょうか。行政としてもグループホームの施設を甲府市内でふやす努力をすべきだと思われます。
 例えば、甲府市の市営住宅の提供も具体的に検討すべきです。1996年の公営住宅法の改正により、グループホーム事業などの福祉目的の事業へ、公営住宅の使用が明記されました。甲府市でも市営住宅のグループホームの活用を図るべきではないでしょうか。また障害者世帯は、特に住宅困窮度が高いものとされています。甲府市の市営住宅で障害者用住宅は34戸とお聞きしました。すべて満室とのことですが、この34戸には、それぞれ障害者が入っていると考えていいのでしょうか。また、今後障害者用住宅をふやすことはできるのでしょうか。
 さて、グループホームなどで自立した地域生活を営むことができるように、事前に家族と離れて準備体験をするための事業が、地域生活体験事業です。つまりグループホームの事前準備の事業とも言えます。甲府市では昨年8月より県内で先駆けて始められました。利用した障害者からはよかったと好評であり、障害者団体からも感謝されています。私も視察しましたが、良好な施設とスタッフの方々の熱意を感じ、これは甲府市として自慢できる事業だなと思ったところです。
 しかし、このせっかくの事業も極めて利用者数が少なく、事業費をかけてもいわば開店休業状態のようです。このわけを調べますと、1つは、障害者が重度の方でも使えるのに、重度は使えないとの認識が障害者の家庭にあること。また申請方法の簡素化が進んでいないこと。そして最も大きな理由としては、利用料金一泊二日3,000円の負担額です。これは他の自治体との比較を見ても高いと思います。食費のみであり、実質上、自己負担のない自治体もかなりあります。せっかく始めた立派な事業です。負担額の軽減を図り、ぜひ広げていただきたいと思います。いかがでしょうか。
 続きまして、障害者支援センターの必要についてです。
 障害者とその家族は、生きていくために障害者福祉に関する情報が特に必要です。障害児を抱えた若い保護者や、また大人になってから産業災害や交通事故、そして病気から障害者となった方々、どのように自分たちが動くべきか、どのような社会的な支援や、つながりが得られるのか必死にならざるを得ません。その情報やつながりを求めるだけでへとへとになってしまうと言われています。私は、「あっちに行ってください。ここではわかりません」ではなく、そこに行けばすべてがわかる障害に関する総合的な相談窓口をつくる必要があると考えます。それには、その場でも幾つかのサービスと直結した障害者支援センターを確立すべきと思います。障害者団体からは、まちなかの小学校跡地を活用した障害者支援センターの設立が要望されていますが、ぜひこの要望を尊重していただきたいと思います。
 さて、障害者は災害弱者でもあります。防災マップと障害者の早期避難体制はどうなっていますか。福祉避難所はありますか。避難所に障害者用の福祉避難室が設置されていますか。障害者に対応できる防災備蓄の研究はされていますか。障害者対応の支援計画やマニュアルはありますか。山梨県の障害福祉課でも、3月にマニュアルを作成します。甲府市も命にかかわることです、早期に対応を始めてください。
 また障害者の就職問題に無関心ではいけません。リハビリテーション、完全参加と平等などの障害者福祉の理念が強調され、地域生活ができる障害者の自立としながらも、肝心の就職先への支援がなくては、本来の自立とはなり得ません。しかし、全国と山梨の障害者雇用率の傾向を見ると、障害者に厳しい状態が強められています。また甲府市役所や水道局のおひざ元の雇用率を見ても、法定数をクリアしているものの、まだまだこれから改善する必要を強く感じます。甲府市内の障害者雇用率をより高めるためにも、おひざ元の障害者雇用を、正規職員だけでなく臨時の方も含めてぜひ高めていただきたいと思います。
 さて、よくノーマライゼーションと言われますが、その社会基盤の整備は、まだまだ十分とは言えません。このような状況を踏まえ、1994年に高齢者身体障害者などが円滑に利用できる特定建築物の建築に関する法律、いわゆるハートビル法がつくられました。2000年には高齢者身体障害者などの公共交通機関を利用した移動円滑化の促進に関する法律、いわゆる交通バリアフリー法がつくられました。1993年には、山梨県障害者幸住条例が既につくられています。私は、障害者団体の方にも協力していただき、ハートビル法、交通バリアフリー法、県障害者幸住条例の基準を参考にして甲府市の公共施設を独自に調べています。
 現在まだ二十数か所ほどの点検ですが、この中でもわかったことは、甲府市の施設でも具体的改善はこれからだということです。1つ障害者用の駐車場ですが、公民館でも専用の駐車場がないところが多く、駐車場があっても、その肝心な駐車場の幅がどこも3.5メートルを満たしていません。幸住条例の3.3メートルもほとんど満たされていません。しかもその障害者用駐車場には、明らかに障害者の車とは思えない車が駐車していることも多く見られました。
 2つとして、公共施設でもスロープがないところが多く、スロープがあっても勾配がきついところがほとんどです。室内では、勾配が12分の1、敷地内では勾配15分の1をほとんど満たしていません。つまり車いすにとって勾配がどこでもきついのです。
 3つとして、グレーチング、つまり側溝のふたの目が粗いんです。車いすのタイヤの幅は、3センチほどです。杖や車いすのタイヤがはまらないように幅1.5センチとか、穴の場合直径2センチの基準がありますが、これもほとんど改善はこれからです。まず隗より始めよです。市の公共施設から具体化してください。この改善についてお聞きします。
 最後に、社会における心のバリアフリーは、どうなっているかです。
 2004年の、甲府市保健福祉計画に関するアンケート調査にある「障害のあることで差別や人権侵害を受けていると感じることがありますか」との障害者との問いに、身体障害者は「たまに感じる」と「いつも感じる」が計28%。知的障害者は、「たまに感じる」と「いつも感じる」が計40%。精神障害者は、「たまに感じる」と「いつも感じる」が計49%となっていました。大変に多く、そして残念な数字です。
 その内容を見ると、「車いすで移動すると指を指したりひそひそ話をする。目の前でされることがある」「いじめられる」「そばに行くと逃げられる」「バスを利用したとき券をなくし、おりるときに運転手さんに『もう乗らなくていい』と言われ、以来一人ではバスに乗れなくなった」「仕事中、健常者より遅いのでたたかれたりすることがあり、いつも注意される」「甲府のリサイクルプラザで障害者の届け出を出したところ、夏休みはプールも風呂も利用できないと言われた」「大衆浴場に入るとき、汚いものを見るようなまなざしが」、などなどでした。
 これではいかにハード面でバリアフリーにしても、社会的な偏見や差別で障害者にとって強いバリアがあることになります。甲府市の学校教育や生涯学習及び市の窓口などでは、この問題に対し、どのような努力をされているのでしょうか。
 以下は、長く頑張ってこられた障害者家庭のお母さんの言葉です。「私は、多くの障害者や親たちとともに過ごしながら、なぜ障害者はその人なりの当然の処遇が受けられないのかの思いがいつもいつも心に強くのしかかっていた。障害者は今後もずっと生まれてくる。世の中の少数のよわい者が、明るく生きていける世の中にならないと、いずれ皆が高齢者になって弱くなったとき、安心して生きてはいけないだろう。」
 私は、同じ痛みや苦しみを体験していません。しかし、この言葉は重く受けとめなければならないと思っています。障害者の関係の方からは、山梨県の障害者福祉は「おくれている、おくれている」と言われます。合併によって新しい市が県内には幾つもできました。しかし、この課題で山梨のおくれを取り戻すのは県都甲府市の役割です。甲府市に入って損をしたではなく、障害者の方をはじめ、どなたからもやはり甲府市だとの信頼を勝ち取られるよう強く要望し、初めの質問を終わります。

●市長(宮島雅展君) 山田議員の御質問にお答えをします。
 市町村合併についてでありますが、中道町はトウモロコシやスモモなどの農産物の生産が盛んであり、甲府南インターチェンジや食品工業団地を核とした産業の新たな展開が可能な地域であります。
 一方、上九一色村についても、豊富な自然を満喫できるキャンプ場や、上九の湯を中心とし、いやしとやすらぎの空間として大変魅力的な地域であると思ってます。私は、メリット、デメリットという今だけのことを考えるのではなくて、これらの特色をいかにして引き出し、大きな魅力として新甲府市の中で生かしていくかを創意と工夫と英知によって形づくっていくことが重要であると考えています。中道町・上九一色村との合併についての情報提供は、協議会だよりの発行、市の広報、甲府市のホームページで掲載するとともに、住民説明会を開催し、合併に対する私の考えや協議会での協議内容を市民に周知をしてまいりました。また、議会においても、機会あるごとに合併について申し上げてきたところであります。
 今後は、合併協議会で、合併時までに調整するとした事項、3市町村の制度の違い、公共施設の利用など住民生活に影響を及ぼす事項について、協議会だよりや広報等により、情報を公開をし、住民周知を図り、来年3月1日の合併に向けて万全を期してまいりたいと考えています。御理解を賜りたいと存じます。
 他の御質問につきましては、関係部長等からお答えをさせます。
 以上です。

●総務部長(小尾英光君) 障害者の雇用率制度につきましてお答えをいたします。
 障害者の雇用の促進等に関する法律によりまして、地方公共団体の任命権者にかかわる雇用率は、2.1%と定められております。本市におきます平成16年度の雇用率は、2.13%と若干上回っておりますが、今後の職員の採用や退職等による雇用率の推移を的確に把握するとともに、障害者雇用の促進及び職業の安定を図るため、引き続き計画的な障害者の雇用に努めてまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします

●市民生活部長(平井 功君) 障害者の防災対策及び心のバリアフリーについてお答えいたします。
 最初に、障害者の防災対策についてでありますが、障害者や高齢者など、いわゆる災害弱者に対する災害時の支援対策につきましては、昨年発生しました新潟中越地震の状況も踏まえ、早急な取り組みが求められているところであります。
 こうした中、先般、県主催の障害者と高齢者のための災害時支援マニュアル検討会議におきまして、市町村等の役割を示した災害時支援マニュアルを策定することとなりました。その中では、福祉避難所の設置や医療、相談体制の整備とともに、災害弱者の安否確認や避難誘導、情報伝達、防災備蓄などの支援策が盛り込まれていることとなっております。
 本市といたしましては、このマニュアルが本年度末に策定される予定であることから、これをもとに庁内関係部署や民生委員、地域の自主防災組織や、消防団、福祉事業所など関係機関との連携を図る中で、地域の実情に即した支援体制づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、窓口対応における心のバリアフリーについてでありますが、分散する各窓口を、総合案内所を設け、健常者、障害者を問わず「日本一親切・丁寧で明るい市役所」を目指し、対応しているところであります。
 また、窓口対応する職員のみならずすべての職員は、来庁する市民の皆様は甲府市のオーナーであり、そのオーナーに最高のサービスを提供することを念頭に職務を行っております。
 今後とも健常者、障害者を問わず市民の目線に立ち、思いやりのある心と互助の精神で、心のバリアフリーを推進してまいります。
 以上であります。

●福祉部長(河内邦夫君) それでは、福祉部にかかわります何点かの質問にお答えいたします。
 まず、障害者福祉計画の数値目標についてでありますけれども、「健やかいきいき甲府プラン」における障害者福祉計画の平成21年度数値目標につきましては、平成15年度の利用者見込みに、平成11年度から15年度までの障害者手帳等所持者の増加率や、甲府市保健福祉計画に関するアンケート調査結果、及び県が策定した新たな山梨障害者プランなどをもとに設定したものであります。
 この数値目標につきましては、今後市町村合併による対象者の増加が見込まれることや、新たな総合計画の策定が予定されていること、さらには障害者保健福祉施策の抜本的な見直しである障害者自立支援法案の中で、障害福祉サービス等の量などを見込んだ市町村障害福祉計画を、平成18年度中に策定するとされていることから、これらの計画等との整合性を図るためにも見直しは必要であると認識しております。
 次に、レスパイト事業の利用対象年齢の撤廃についてでありますけれども、レスパイト事業は、20歳以下の在宅の心身障害児者を施設等で一時養護することにより、家族の精神的、肉体的な負担及び経済的負担の軽減を図ることを目的に、平成14年度から市単独事業として実施しております。また平成15年度から始まった支援費制度の対象とならないサービスを補完する事業として、年々利用者のニーズも高まってきております。
 こうしたことから、利用対象年齢の撤廃につきましては、新たな財源の確保や、施設対応など幾つかの課題もありますので、現行の事業内容の見直しも視野に入れる中で今後検討してまいります。
 次に、グループホームの拡充についてでありますが、グループホームは施設福祉から地域福祉という障害者福祉施策の大きな流れの中で、特に重要な役割を果たしていくものと認識しております。また支援費制度におきましても、グループホームの利用希望者は多く、市内の施設はまだまだ不足している状況にありますので、今後も事業の指定者である県や社会福祉法人等関係団体へ、グループホームの増設について要請してまいりたいと考えております。
 次に、市営住宅をグループホームに活用することにつきましては、関係部署との連携を図る中で、その可能性について検討してまいりたいと考えております。
 次に、地域生活体験事業の利用者自己負担額の軽減についてでありますが、地域生活体験事業の利用者自己負担額につきましては、受益者負担の観点から個別支援計画を策定するコーディネーターや、24時間体制で支援を行うスタッフの人件費の一部、体験寮の家賃、光熱水費、食材費等を御負担していただくこととし、稼働率を80%として一泊二日で3,000円を設定したところであります。
 また、事業の利用につきましては、これまで広報誌やホームページをはじめ、対象者への個別案内や養護学校、通所施設、障害者団体などへの訪問説明や利用の呼びかけなど、さまざまな方法で周知を図ってきたところでありますが、利用状況は依然として低迷しております。
 こうしたことから障害者がより利用しやすい事業とするため、他都市の運営状況や障害者団体等からの意見を踏まえる中で、利用料金や対象者利用手続などを見直し、試行的に一定期間実施する方向で現在検討を進めております。なお、試行期間中における利用動向や、利用実態などを検証し、平成18年度以降の事業に反映してまいりたいと考えております。
 次に、障害者支援センターについてでありますが、障害者支援センターは、障害のある方や、その家族が、地域生活を送る上での総合的な相談窓口として、また日常生活を支援するための情報発信の拠点的役割などを果たす施設であると認識しております。本市では、現在甲府市障害者センター「あんず」において、在宅の身体障害者やその家族の地域における生活を支援し、障害者の自立と社会参加の促進を図ることを目的として、障害者生活支援事業を、甲府市社会福祉事業団へ委託して実施しております。
 また、先般、国から障害者保健福祉施設の抜本的な見直しであります障害者自立支援法案が示され、その中に地域生活支援事業が位置づけられていることから、今後はその具体的な取り組み内容が明確になったところで、適切な対応を図ってまいりたいと考えております。
 なお小学校跡地の活用につきましては、現在幾つかの提言や要望が寄せられておりますので、障害者支援センターの設置につきましても、本年2月に設置いたしました甲府市学校施設等跡地活用庁内検討委員会において総合的に検討してまいります。
 以上でございます。

●都市建設部長(佐久間 勲君) 都市建設部にかかわります2点についてお答えいたします。
 はじめに、障害者用住宅の増設についてでございますが、現在市営住宅には、車いす用の障害者住宅を34戸管理しており、一昨年からの入居によりすべてが入居中となっておりますが、管理戸数の面では、市内の県営住宅の6戸に比べ、その役割を果たしていると考えております。
 なお、障害者住宅には、家族構成に変化が生じた世帯もありますので、その住宅の目的からして、さらに状況等を調査し、転居を指導してまいります。
 また、障害者用住宅の増設につきましては、今後の申し込み状況を見ながら改修等も踏まえて検討してまいります。
 次に、施設等のバリアフリー化についてでございますが、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律に、多数の者が利用する建築物を建築する場合は、高齢者や身体障害者等が円滑に利用できるようにするために必要な措置を講ずるように努めなければならないと定められております。
 この法の趣旨にかんがみ、新しく建築する場合におきましては、段差部分へのスロープ設置、身体障害者用のトイレや、駐車場の設置などを進め、人に優しい建物に努めているところであります。なお、既存の施設におきましては、必要に応じて段差のスロープ化等の整備に努めてまいります。
 次に、グレーチングの改善につきましては、側溝等の改良の際、目詰まり等を考慮する中で車いすの走行に支障を来さないよう、目の細かいものを使用する改善を行っております。また既存のものにつきましては、公共施設や福祉施設への動線等を中心に、状況調査を行い、必要に応じ年次的改善を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。

●教育長(角田智重君) 教育委員会に関係いたします心のバリアフリーについてお答えをいたします。
 教育委員会で策定しております学校教育指導重点では、「思い遣る心」の教育の推進を重点目標としており、諸活動を通じて人格を尊重し、個性を認め合うことなどに取り組みを指導しております。
 これを受けまして各学校では、特殊学級に在籍する児童生徒が、可能な限り普通学級の児童生徒とともに音楽や体育などの授業や給食、校外学習などに参加したり、児童会や生徒会による養護施設訪問や、県立特殊教育諸学校などとのさまざまな交流を通じたりする中で、子供たちに個性を尊重し、助け合う意識や、実践力が高まってきております。
 また、各学校においては、障害を持った方による講演会や、車いすなどの体験活動を通して、共感的に理解し、自分たちにできることを考え、実践するような機会づくりを行ってきております。
 人づくり基金事業であります児童生徒の善幸を奨励するなでしこ(撫子)賞に、ことしは障害のある友達への日常的で自然な支援活動や、みずから障害がありながら、力強く学校生活をリードする事例などが生まれてきております。
 教育委員会といたしましては、今後とも児童生徒が「思い遣る心」をより高め、身近な友達を大切にしながら、互いに助け合っていけるような社会の実現を目指して、各学校の教育環境づくりを支援指導してまいります。
 このほか生涯学習では、公民館事業の一つとして、ボランティアの皆さんが障害者の目線に立った活動や援助ができるように、車いすで段差を乗り越えたり、アイマスクを着用しての歩行などを体験していただくボランティア障害者体験学習を、講座として開設したところであります。
 今後につきましては、障害者福祉計画に基づく障害や、障害者についての正しい理解と思いやりのある心をはぐくみ、心のバリアフリーを推進するために、市民を対象とした障害者理解教育について、市内の5大学等とも連携して実施できるよう検討をしてまいります。
 他の御質問につきましては部長からお答えをいたします。

●環境部長(田中 修君) 甲府市保健福祉計画アンケート調査の結果とリサイクルプラザの利用についてお答えいたします。
 リサイクルプラザの利用につきましては、身体障害者手帳や、療育手帳等の交付を受けておられる方は、使用料を免除する中で年間を通じて御利用をいただいております。御指摘のアンケート調査の結果につきましては、リサイクルプラザの責任者に確認をいたしましたが、そのような事実はないとのことであります。しかし、小学校3年生以下の児童や、障害者のうち必要に応じ利用者の安全性を重視する観点から、介助者等をお願いしており、その際のコミュニケーションに誤解を生じたならば、まことに遺憾であります。
 いずれにいたしましても、環境教育施設としてのリサイクルプラザでありますので、より多くの市民の方に利用していただくため、親切丁寧な対応を周知徹底したところであります。
 以上です。

●教育委員会教育部長(中澤正治君) 学校給食についてお答えいたします。
 小学校給食調理業務の効率的運営については、昨年12月小学校給食調理業務検討委員会からの報告を受け、教育委員会として報告書の内容を可能な限り尊重し、単にコストのみならず、行政がどのように給食にかかわり、責任を持つかなどについて多方面から委員会協議を重ね、今後の小学校給食調理業務の運営方針について一定の考え方をお示ししたところであります。
 今後、新たな給食室の建て替えにあたっては、ドライシステムに対応した十分な施設面積の確保とともに、配送時間をも勘案する中で親子方式を含めた共同調理場の建設を進めてまいります。また食の教育については、児童に正しい食生活や食習慣を身につけさせるためにも重要であることから、今後とも家庭、地域と連携した食教育の一層の推進に努めてまいります。施設の運営についても、教育行政に責任を持つ立場から、経費を抜きに考えることはできませんが、市民の理解を得るために、今後とも運営にかかわる経費も含め、十分な情報の提供に努めてまいりたいと考えております。
 また、ブロック化にあたっては、このための新たな用地取得は行わず、公有地の活用を視野に置いていることから、施設の集約化により、将来的にはコスト削減が見込まれるところであります。
 運営方針の実施にあたっては、さまざまな条件の整備が必要なことから、当分の間は現行の制度での運営となりますが、今後とも安心で安全な給食運営に努めてまいります。
 なお、中学校給食につきましては、施行後7年を経過しておりますことから、これまでの実績等を踏まえる中で、今後もより生徒に親しまれる給食の提供に努めてまいります。
 以上であります。

山田 厚
 時間もあれですから、教育委員会の方からお伺いしますけど、これはね、(パネル掲示 2)市議会が毎年出している類似都市との比較ですね。甲府市の行政として決算額で一人当たりどれだけ出しているかという。こうしてみますと、甲府市は類似都市と比べて低いんですね、人件費。それから教育費も低いんです。それから学校給食費も低いんです。これは年度ごとによって退職者が多かったとか施設があったというのはバランスがあるかもしれませんが、私はずっと十何年間見ているけど、やっぱりこの傾向は変わらないんです。だから甲府市の教育費も、学校給食も、これからもっともっと頑張っていいのに妙なコスト論が出ているというのはおかしなことです。しかも、コスト論に終始してないというのがおかしいんですよね。私は教育論だと言っているけど、あえてそちらの方がコスト論と言われてる。でも今度の共同調理場方式で将来的にも、どの程度コストが低くなるですかということは、一般的にしか言えてないじゃないですか。数字はもちろん言えてないし。だから全然納得する材料がないままに共同調理方式だ、民間だと言われてるでしょう。共同調理方式はものすごいお金がかかるですよね。どこから財源があるんですか。じゃ、ここでもまた合併特例債になるんでしょうかね。そのことについてお伺いします。
 もう一つです。今度は福祉の方ですから、大変これは、ほんと変えなきゃいけないのかなと。「検討、見直し」という言葉が出ているし、現状の改善を暗示していただけるのかなと。これは民生文教委員会の方で細かくお伺いしたいというふうに思いますが、特に一つだけです。生活体験事業についてですね、試行期間がある。これについて、つまり平成17年度中ですね。試行期間して、その結果を平成18年度に見るということになると思いますが、この場合は負担金の大幅な引き下げも含めての試行期間だなというふうに承ってよろしいわけでしょうか。もし違っていたら、答弁していただきたいと思います。
 それからもう一つです。施設のバリアフリー化の問題ですが、グレーチングの問題が出ました。これもすき間の側溝の問題ですから、すぐ改善をしていただくということでいいんじゃないかと思います。
 もう一つですね、障害者用の駐車場やスロープの関係です。私(パネル掲示 3)こういう関係で調べてみたんですが、バリアフリー法とかハートビル法、それから幸住条例のスロープの角度で見ますと、敷地内は大体15分の1だから3.8度ぐらい。室内は大体12分の1だから4.76度ぐらいなんです。甲府の市役所のいろんなスロープやなんかは、市街を見ても大体この6度のところなんですね。一番最悪のところを調べたら、私たちの本会議場のそこのスロープで、10度から11度なんです。これじゃ介護がなけりゃ上れない。しかも入り口のところは65センチだから、最低幅の80センチ以下なんですよね。こういうところを今後ともぜひ、新庁舎を建て替えるんだからいいんだじゃなくて、ぜひ考えていただきたい。それにお金のかからないことで言えばですね、障害者用の駐車場の幅です。何年も前からできた幸住条例の330、3.3メートルほとんど守られてませんよね。3.5メートルというのは今度できたハートビル法の関係ですが、守られているのは市立病院ぐらいでした。でも、市立病院でも五百数十台の駐車場ですから、ハートビル法の推奨値によれば2%ほど必要となるから、あと2台ぐらいは必要になるわけです。ぜひ抜本的な点検をしていただいて、当面できる改善、駐車場の路面の塗料の塗り替えぐらいできるんじゃないかと思います。できると思いますので、その辺のところをぜひ答弁していただければと思います。
 以上ですが。

●福祉部長(河内邦夫君) 福祉部関係の再質問にお答えいたします。
 生活体験事業をどのようにするのかということでありますけれども、私ども利用者が非常に少ないということを考慮する中で、料金設定も大幅に見直しをしていくと。その中において平成17年度に試行を約1年ぐらいかけてやっていく。その結果、18年度には事業化に向けて取り組んでいきたい、このように考えております

●都市建設部長(佐久間 勲君) 施設のバリアフリー化の関係でございます。
 市の施設におきましては、古い建物もございますので、現在のハートビル法あるいは交通バリアフリー法、あるいは幸住条例、こういう基準にのっとってない部分多々あろうかと思います。今後、新しく建てる施設につきましては、こういう基準等を遵守する中で建築をしてまいりたいというふうに考えております。
 それから既存の施設につきましては、可能な部分につきまして、例えば駐車場、これにつきましては、幅はあるにしても乗り降りをする、いわゆるゼブラで白く線を引いている部分ですけども、そういう部分は今後対応していきたいと思います。
 また、駐車場から施設に入るまでに側溝等がありますと、グレーチングがございますので、こういうところにつきましては細かい目のものにしながら、安心してその施設へ入れるように、そういう改修を行ってまいります。
 以上でございます。

●教育委員会教育部長(中澤正治君) 給食のコスト的な見通しということで再質問でございますけれども、調理場の建設コストのそういった部分での視点でお答えをさせていただきますけれども、あくまでも他の自治体の例でございますけれども、単独校の小学校、400食対応の例でございますけれども、設備を含めまして1校当たりの建設費は約1億9,000万円であります。一方、昨年建設をされました、同じ自治体になるわけですけれども、ここの場合の共同調理場、1,000食対応の施設でございますけれども、約2億6,000万円でできております。こうしたことから、単純には比較することはできないわけですけれども、先ほどの単独校の施設を2つ建設をしますと、共同調理場と比較をすると、約1億2,000万円程度の差異が想定をされると思います。
 また調理員も、共同調理場になりますと、すべて2校分が必要になるということはありませんので、そういった面でもさらなる縮減が見込まれることになるだろう、このように考えています。

山田 厚
 もう時間がないので、福祉部に関しては、本当に前向きな検討をしていただきましてありがとうございました。駐車場の塗料の塗り替えぐらいはほんとにお金はかからないと思いますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 教育委員会の今のお話ですけど全然納得できないです。単独校の基準値と共同調理場では、共同調理場の方が同じ食数でもお金はかかるんですよね。文部科学省の補助金だってそういう数値が出ていました。もちろんトラックだとかターミナルだとかいろんなものをつくるお金がかかるんですよ、食缶も含めて。ですから、その辺の数値を全然言われなくて、共同調理場だ、民間がいいと言われたって納得できませんよ。711円なんて細かくてよくわからないけど数字を1円単位まで出された教育委員会ですから、もっと精査をしていただいてやらなければ、私だけでなくて納得しない人はいっぱいいるんじゃないかと思う。ぜひその意味で誠意を示してコスト論ならコスト論で徹底していただきたいと思います。私はコストだけじゃなくて教育論も今後言わせていただく。
 以上で終わります。