きつつき工房だより(top) > 戦争はダメ。‐憲法9条が好き。


NO WAR / 戦争はダメ。このバナーはご自由にお使いください  戦争はダメ。イラク攻撃反対。  NO WAR / 戦争はダメ。このバナーはご自由にお使いください

 (2003.1.25記)

 戦争はダメです。人類最大の愚行です。
 というのも、イラクをめぐる状況がキナ臭い。アメリカのブッシュ大統領は、どうしても戦争を始めたいようです。
 たしかに、イラクにはクウェート侵略の前科があるし、フセイン大統領が「良い」指導者とは、私もとても思えません。
 でも、現に他国に侵略行為を行っていない国を軍事攻撃するというのは無茶です。いくらフセインさんが気にくわないからといって先制攻撃はダメですよ。

 相手が、独裁国家だろうと、国民が不幸そうだろうと、独立国の体制はその国の人が決めるのです。でないと独立している意味がない。国内でおかしなことをしている場合は、政治的・経済的な支援や制裁で改善をうながしつつ、時間がかかったとしても、周りは見守るほかはありません。
 南アフリカのアパルトヘイト(人種差別政策)は、そうやって最後は撤廃させることができたではないですか。しかも旧白人独裁政権は核兵器を持ってたんですよ。

 戦争は最大最悪の殺人です。自然破壊です。どうあっても避けないといけない。これだけは愚直に言いつづけなければならないと思います。

 (2003.2.22)

 依然、戦争の危機は回避されていません。
 しかし、戦争反対の声は、各地の大デモにみられるように急速に世界中に広がっています。うれしいことです。
 残念ながら日本ではまだ盛り上がりが足りませんが、デモなど直接表現は苦手でも、世論調査では戦争反対の意見が圧倒的です。
 理性のある政治家なら、この世界中の声を無視できないはずです。

 しかし困ったことに、ブッシュ大統領には、その理性があるかどうか疑問なのです。
 米軍の戦争計画では、攻撃開始の初日と2日目に各300〜400発(湾岸戦争の全期間に投入された数の数倍)の巡航ミサイルをバグダッドをはじめイラク全土に集中的に打ち込む作戦だそうです(CBSニュース)。
 一気に軍と都市を破壊することで、物理的な破壊に加えて、敵の戦意を破壊する心理的効果を狙った「驚きと畏怖」*と名づけられた作戦なのだそうです(米国立防衛大学の超「頭のいい」研究者が開発したらしい)。
 この作戦のコンセプトは広島・長崎への原爆投下とほとんど同じです。相手に「驚きと畏怖」を感じさせるには、最初の一撃での破壊の程度と犠牲者は多ければ多いほどいいということになります。非戦闘員をも含む無差別大量殺人攻撃にほかなりません。

 イラクの市民は、本当に当たり前のことですが、ごく普通の人たちです。一人ひとり、家族がいて、友達がいて、安らげる家や町があり、これからの人生に願いや希望をもっているでしょう。
 そういう人たちが、一気に殲滅されるかもしれない攻撃が迫っています。

 ブッシュさんに理性が足りなければ、まわりが何とか止めなくてはいけません。
 そのために、微力でも何かしなくてはならないと思っています。

 * その後の報道をみると「衝撃と恐怖」という訳語に統一されたようです。原語では「Shock and Awe」。

 (2003.3.20)

 本当に残念です。
 アメリカはイラク攻撃をはじめました。
 できる限り犠牲者が少なく、1日も早く戦争が終わるのを願います。

 それにしても、今日という日は歴史的な日になるでしょう。
 2次にわたる世界大戦での数千万人の犠牲の上に立って、以後58年間、曲がりなりにも守られてきた先制攻撃禁止の原則が、国連の創始国のひとつであり世界最強の軍事力を持つ国によって破られたのです。
 最強のアメリカが「攻撃されるかもしれない、テロをやられるかもしれない」という恐れだけで先制攻撃するのなら、それより弱い軍事力しか持たない国――すなわちすべての国に対して、先制攻撃の誘惑を抑えるように求めることはできなくなってしまいます。
 「アメリカだってやったんだから」「敵の軍備が整う前に」など適当な理由で、世界各地で誤解や猜疑心や対立がすぐに先制攻撃の応酬になってしまうかもしれない。
 2003年3月20日という日は、そういうぞっとする世界へ向かう最初の日になるかもしれないのです。

 そうさせないためにも、戦争が始まってもあきらめずに、平和の声をあげていかなくてはならないと思います。

 (2003.4.6)

 3月18日から4月3日まで、当サイトをアップ・ロードしているプロバイダーのドコモAOLの障害で、ページが文字化けしてご迷惑をおかけしました。
 この障害の原因と関連があるかどうかは不明ですが――私は、戦争に関連したサイバー攻撃対策の不手際ではないかと疑っているのですが――、AOLはイラク戦争協力企業として、各国の市民運動NGOによる戦争反対のための米国製品ボイコットの対象にされています。ブッシュ政権への政治献金、とくにパウエル国務長官との深いつながりが問題とされているのです(参考サイト)
 企業倫理を正すためには製品ボイコットは有効だと思います。でも、ことホームページに関しては、アップロードしている膨大なファイルの移動やリンク関係の整理などを考えると、なかなか引っ越せるものではありません。
 それで、しばらくはAOLに居続けますが、米国の戦争大好きなネオコン族への政治献金に抗議して、障害も多いことだし、新しくAOLに加入を考えている人には、考え直した方がいいですよ、と申し上げておきます。

 (2003.4.12)

 イラク戦争は、米英軍がイラク全土を占領しつつあるようです。もともと軍事的にはゾウとアリ以上の圧倒的な差があったのですから、いずれはこうならざるをえないのでしょう。
 「人的犠牲は最小限に抑えられた」(読売新聞4/11社説)と平然と言う人もいますが、開戦3週間で死者は、イラク民間人1200人前後、イラク軍人2320人以上、米軍人101人、英軍人30人、ジャーナリスト9人(ロイター通信)、合計 3660人以上です。戦後に正確に数えれば確実にもっと増えるでしょう。
 自分は安全なところにいて攻撃の指令を出す指導者のために、毎日数百人の規模で殺人が続けられたのです。まさに殺戮です。
 数千人の死者、それに倍する負傷者、そして死者の遺族。この人たちには、一人ひとり大切なくらしと未来があったはずです。平時に事故で数千人の死者が出たら「犠牲は最小限」というでしょうか。戦争で殺される命は、事故で死ぬ命より軽いのでしょうか。
 戦争は、人の正常な判断力、常識をも壊します。何千人も死んでも「少ない」と思えてしまうほど、狂ってしまうのです(少なくともまともなジャーナリストなら狂わないようにすべきだけど)。狂った世界の検証をするのは、残された生きている私たちの努めだろうと思います。

 (2003.12.14)

 急に寒くなりました。北の方はようやく本格的な雪のようです。
 季節が寒くなるのはいいのですが、どうやら平和と憲法まで真冬になりそうです。
 小泉首相と自民党・公明党は、戦後日本の基本となってきた平和国家でありたいという考え方を投げ捨ててしまいました。イラクに自衛隊を派兵するというのです。
 
 日本の社会や政治については恥ずかしく感じることも多いのですが、数少ない例外として、世界の人に胸を張って誇れると思うことが一つあります。それが日本国憲法であり、その憲法にもとづいて、戦後58年にわたって、国家が国の意思として軍隊で他国の人を一人として殺していないという事実です。戦前は侵略戦争によって数百、数千万人の人を殺し傷つけた前科があるのですが、その罪を悔いて、戦後は今日まで一人も殺していない。
 これは、すばらしいことです。世界中の人に自慢していいと思います。こういう国は数少なく、経済的な「先進国」のなかでは唯一といってもいいのではないでしょうか。
 しかし、事実上戦争状態のイラクに自衛隊を送れば、自衛隊員にも犠牲が出るでしょうし、そうなれば、イラクの人を殺すことにもなるでしょう。攻撃と反撃が繰り返され、双方に犠牲者が増えていきます。悪夢ですが、ほぼ確実に予想できる未来です。
 外国で人を殺さない国という名誉ある地位は間違いなく崩れます。

 本当にそれでもいいのか。殺し殺されるのが普通の国になっていいのでしょうか。

 (2004.1.21)

 いよいよ自衛隊はイラクに行くようです。
 軍隊が外国に行くのは、どのように言い繕ったとしても侵略と区別することは難しい。だからこそ、昔は自民党でさえ「専守防衛」「一歩も国土を出ない」と言っていたんです。
 最近しばしば悪夢を抱くのですが、イラクで自衛隊が攻撃を受けて犠牲者が出たとき、わが国の世論はどんな反応を示すのか――助けに行ってやっているのに攻撃するとは恩知らずな。もっとたくさんの軍隊を送って反日勢力を制圧しなければならない――そうなってしまう危険はないでしょうか。
 戦前の中国侵略15年戦争は、反日テロ勢力による満州鉄道爆破という柳条溝事件(1931年、じつは日本軍のでっち上げだったのですが)をきっかけに始まりました。当時は、「近代化を手伝ってやっているのに恩知らずな中国に対する懲罰は当然だ」と新聞は煽り立て、多くの国民も支持しました。人類史上、有数の過ちのひとつといえる第2次世界大戦に至るまでの日本の行動は、こうしてエスカレートしていったのです。
 いまも重要なカギはマスメディアが握っています。派兵を当然視する新聞(とくに読売新聞はひどい)をみていると、悪夢が現実になりかねません。
 健全な世論に望みを託します。

 (2004.4.9)

 イラクで武装勢力に3人の日本人が拉致される事件がおきました。
 犯人は、3日以内に自衛隊をイラクから撤退するよう要求しています。でなければ3人を殺すと。

 自衛隊はイラクから撤退すべきです。

 そもそも拘束されている3人は、ジャーナリストやボランティアとしてイラク人から憎まれるような存在ではなかった。それが日本人であるがゆえに捕らえられ殺害されようとしています。その根本的な原因は自衛隊のイラク派兵にあります。
 戦争状態の地域に、一方の当事者であるアメリカ軍と一緒に軍隊を送れば、反対の側からは敵と思われるのは当然です。日本は、非軍事・中立の立場での復興支援に徹して、アメリカとイラクの各勢力双方にきちんと意見を言って、お互いの攻撃を止めさせ、対話を取り持つことをこそ行うべきです。
 そうなれば、国際社会での日本の立場はむしろ高まるはずです。テロに屈するのではなく、そういう中立の立場に戻るために撤退するのです。

 「テロに屈するな」という意見もあります。
 しかし、撤退したからといってテロに屈したことにも、テロを肯定したことにもなりません。
 考えても見てください。わが子が暴漢に捕らえられてナイフを突きつけられている。犯人が「金を出せ」と要求してきたときに、「犯罪には屈しない」と言って拒否する親がいますか。そのとき金を出したからといって、その親は弱腰で、犯罪に屈して、犯行を肯定したということになりますか。模倣犯や再発を誘発したといって非難されるでしょうか。子どもの命を犠牲にしても金を出さないことが、勇気ある正しい態度だというのでしょうか。
 犯人の要求が、誰かを殺せとか、どこかを攻撃しろとか、別の人命を失うようなものならば話は別ですが、自衛隊の撤退で人は死にません。
 命が最優先です。人質となっている人の安全を確保したあとで、いろいろな側面からテロ再発防止に全力を注げばいいではないですか。

 メンツを捨てて、命を守るために行動することこそ勇気ある決断です。
 政府には勇気ある決断を求めたいですが、小泉さんでは無理でしょうか。

 (2004.4.15)

 イラクで人質になっている3人は無事解放されました。
 とりあえずは一安心です。

池澤夏樹「パンドラの時代」 日本共産党イラク戦争反対キャンペーン
グローバル・ピース・キャンペーン ワールド・ピース・ナウ


きつつき工房だより(top) > 戦争はダメ。‐憲法9条が好き。
Copyright (C) きつつき工房 2000-2004 All rights reserved