サトセナガアナバチ (里背長穴蜂 ;ハチ目セナガアナバチ科)

ゴキブリ類をとらえて麻酔をかけ、巣穴に持ち込んでゴキブリの体の上に産卵し、幼虫の餌にするというアナバチ。わたしの歩く公園では、桜の古木に枯死した部分があったり、洞ができていたりすることがあるが、そういう樹表面を登ったり下ったりしているのを見掛ける。美しい狩り蜂で体長は写真のもの(たぶん♀)で2cm弱。♂と思われる写真を拡大図へ貼り付けておいた(翅端と腹端の位置が違う)。昆虫写真の仲間がきれいな写真を撮っていたのでわたしは初めてこの種を知ったのだが、樹表面をすばやく移動している本種をなかなか肉眼で捕らえられなかった。動体視力が落ちているからだろう。肉眼で認識できても、カメラで写すのは更に難しかった。フラッシュで写しているので、きれいな空色が出ていない。
この興味深い美麗種は、東京都内の公園などでは見られるのだが、分布が斑でどこでも見られるという種ではないらしい。関東以西、台湾・朝鮮・中国に分布。
加茂豊策1957「セナガアナバチの習性」や河野・前田2012「サトセナガアナバチの屋久島初記録」など、面白い論文が読めるのも有難い。また、近似種の動画も面白い。そのひとつ「zombie cockroach」。

('14) 8月2日撮影 於小金井市
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